1991年(平成3年)に西陣から登場した新要件デジパチ「ニューメビウスV2」
★賞球…7&15
★大当り確率…1/224
★大当り絵柄…0~9、F、J、L、P、U(全15種類)
★16ラウンド継続、平均出玉2300個
★同時期のデジパチ…F・フラッシュSP(三共)、ルーキーデルタ(西陣)、ルーキーパステルP2(西陣)、カクテルA(大一)、ウルトラ麻雀(京楽)、ブラボービーナス(平和)、ジューシーフルーツW(豊丸)、ウルトラセブン(マルホン)、スーパーダイヤ(マルホン)、エキサイトポーカー(ニューギン)、スターマイン3(ニューギン)、マーブルDX(奥村)、ターンバック(藤商事)など
現役時、本機を打ったホール…向ヶ丘遊園駅南口「銀座スター」
当時の「銀座スター」…旧要件時代は、アレパチ「シャトル21」(藤商事)の他、「エクサム5」「エキサイト麻雀5」「トランプカード」などを打った。新要件時代は、西陣の新台をここで打つ事が多く、「ルーキーパステルP3」や「パーラーキング」の新装に並んだ記憶もある。その他、アレパチ「アレキング」や「エキサイト」も、この店が主戦場だった。2階のコンチネンタルIやビッグパルサーも懐かしく、4号機以降も、様々な「香ばしい」台と対戦した。今も健在だが、当時1階フロアが現在の半分のスペースしかなかった事を知っている人は、私と同世代であろう。
新要件初期に登場した液晶デジパチ。1991年8月に大阪で開催された「’91パチンコ博」で初お目見えした。
VFD(真空放電方式)を採用した美麗なデジタル画面、そしてリーチ時にクルクルと動き回る「スペースシャトル」が特徴だった。
一見2ケタデジタルのようだが、左右の図柄がテンパイするとリーチとなり、スペースシャトル風の飛行体(新幹線にも見えた)が、図柄の周りを時計方向にグルグル動く。
リーチの途中、シャトルは両デジタルの中心部も通る(「HIT」と書かれた部分)。グルグル回るシャトルが、最終的に中央の「HIT」で停止すれば、大当りとなる仕組みだ。「先に数字が揃い、後からシャトルが止まる」という、独特の流れが面白かった。
機種名の「メビウス」は、おそらくリーチ時のシャトルの軌跡が、あたかも無限大を表す「メビウスの輪」に似ている事に由来するのだろう。まぁ、「8の字」の動きとは、若干異なるのだが…シャトルが8の字にクロスして動いたら、もっと楽しかったかもしれない。
これも私見だが、「数字の周りをキャラが動き回る」という発想は、同社が旧要件期に出したデジタル一発台「パッキークラブ」をヒントにしたのかもしれない。或いは、「ターボR」や「スーパールーレット」のようなデジタルアクションの要素も、少なからず入っている気がする。
その他の特徴としては、西陣お得意の「ワープルート」を搭載。デジタル下のステージ中央には溝が付いており、ワープからステージに来た玉は、安定してヘソに向うようになっていた。
また、本機を語るうえで忘れてはならないのが、アタッカーの構造であろう。当時のデジパチは、アタッカーVゾーンに連続して玉が入るのが普通だった。しかし、西陣は新要件機「ルーキーデルタP2」において、Vゾーンに1個玉が入るとVが閉じる新機能を採用。そして、ニューメビウスV2では、「アタッカーに玉を1個貯留する」システムを採用した。即ち、アタッカー貯留型の元祖が本機であり、当時としては、非常に画期的な試みであった。
個人的には好みの機種だったが、いかんせん設置が少なく、ホールでの人気もイマイチであった。やはり、この時期は連チャン性をウリにした機種が多く、ノーマルデジパチでは余程の事が無ければヒットはしなかった。また、演出面でいえば、リーチ時のシャトルの動きが若干単調で、しかも一周が14コマと長かったので、ある程度リーチが当るか外れるかが読めてしまったのが、欠点だったかもしれない。