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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

タイムトラベルI(ニューギン、一発台)

2014-10-10 23:34:27 | 一発台


1990年(平成2年)登場の一発台「タイムトラベルI」(ニューギン)

★賞球…オール13
★大当り図柄…「333」or「777」
★大当り確率…1/500
★デジタル停止用の「ストップボタン」を搭載

3桁デジタルを採用した、デジタル式一発台。古風だが、味のある7セグデジタルだった。
(保留ランプ4つ付き)
なお、このデジタルを「再利用」した2回権利物「ダブルエース」も存在。
(1991年の新要件初期に登場)


★ゲーム性
ヘソのスルーチャッカー通過で、メインデジタル変動。デジタルに「333」か「777」が出ると、デジタル上部の電チューが5.9秒開放。ここに入賞すると、デジタル両脇のチューリップが開いて、大当りとなる。

なお、デジタル当選後、電チューに玉を入れずに右打ちして、パンクさせる客もたまにいた。

チューリップ開放後は、右打ちで消化。開いた右チューリップの右端に玉が当たると、盤面右下の「2回開きチューリップ」(2チューリップ)に入る、新たなルートが出来上がる。

2チューリップは2個入賞で一旦閉じるが、右チューリップの右端に当ってサイドに流れた玉が、2チューリップ右横のジャンプ釘で大きくバウンドして、閉じた2チューリップに真上から飛び込むようになる。後は、2チューリップの開放⇒閉鎖の繰り返しで、出玉を稼ぐ。

※一発仕様の釘ならば、右チューリップに再入賞して、パンクする心配はない。


★同時発表の兄弟機…「タイムトラベルII」


(弟分の「タイムトラベルII」。大当り図柄は「333」「777」「FFF」の3つ。賞球は7&10&13。ヘソがスルーではなく「7個戻し」で、玉持ちは「I」よりも良い。)




1991年(平成3年)秋に放映された情報バラエティ番組「素敵にドキュメント」のパチンコ特番で、MCの故・逸見政孝さんが、渋谷区広尾のパチンコ店「日の丸広尾店」※で現場ロケを行う場面があった。
※当時、パッキーカードを早期導入した店としても知られた。

それまでパチ屋と無縁だった広尾の地に、突如真新しいホールが現れて地元民が驚いた話や、常連客へのざっくばらんなインタビューが流された後、逸見さんが実際に打つ事になった。この時に逸見さんが座ったのが、なんと一発台の「タイムトラベルI」だった。

当時、一発台は前年10月の風営法改正を受けて撤去が進んでいたが、’91年秋の「新要件初期」という事で、まだ都内でも一発台を置く店は、案外と残っていたのだ。

当時、同番組では、定期的に「パチンコ特集」を組んでいた。前回放送分(’91年・春)では、東京・上野のパチ屋「東京会館」の地下フロアでロケがあり、逸見さんは京楽の旧要件ドットデジパチ「ダービー」で見事に大当りさせて、両脇の若いOL客達から祝福を受けた(無制限ルールで、出玉は1900発程度だった)。

だが、残念ながら、広尾には「二匹目のどじょう」がおらず、逸見さんは一度も大当り出来ずに、実戦を終了。やや寂しい番組エンディングを迎えた。

まぁ、考えてみれば、京楽「ダービー」の大当り確率は1/225と良心的だ。それに対して、本機のデジタル確率は1/500と激辛であった。ドル箱1杯のデジパチと、4000発以上期待できる一発台では、この差も当然といえる。しかし、短時間のロケで、確率が極端に低い本機を選んだのは、明らかにスタッフの「選択ミス」だろう。

しかも、本機は、スタートチャッカーが「通過式」で戻しはなく、玉持ちも非常に悪かった。一応、スルー下(アウト穴の真上)には、13個戻しの賞球口が横並びで二つあったが、ここをガッツリ締めた台も多く、投資ペースは速くなりがちだった。逸見さんに手渡された(と思われる)僅かな投資金では、一度も大当りを引けずに終わるのも、無理はない。


さらに、特筆すべき本機の特徴は、メインデジタルを素早く停止させる、「ストップボタン」が付いていた点だ。

元々、デジタル機のストップボタン(自然停止前に、意図的にデジタルを停止できる)は、一昔前の機種には普通に付いていた。だが、その性質上、どうしても「攻略の対象」とされる場合が多かった。その後、大一「ニュービッグセブンP4」(1987年)の登場を機に、ストップボタンを持たないデジタル台が増えた。旧要件末期の’90年に出たデジタル台も「ストップボタン無し」が当たり前だったが、本機の登場でストップボタンは「一時復活」を遂げた(ストップボタン付きの台は、新要件機でも何度か単発的に登場)。


本機の場合、上皿の左端付近に、正方形の赤い「プッシュボタン」が付いていた。「ニューヤンキーIII」などと、同タイプのものだ。


(参考:ニューギンの旧要件デジパチ「ニューヤンキーIII」のストップボタン)


ヘソがスルーで戻しがゼロの代わりに、デジタルの回りは比較的良好な場合が多く、保留満タンとなるケースも少なくなかった。
⇒いうまでもなく、ボッタクリ店の釘や末期の釘を除く

しかし、いくら保留満タンになっても、ただボーッとデジタルを眺めているのみでは、1分間で6回程度しか、デジタルは回せなかった。そこで、ストップボタン(プッシュボタン)の活用である。デジタル回転後は、すぐにストップボタンを押して、回転時間を大幅短縮させる。こうして、次々とデジタルを回しては止め、短時間でデジタル回転数を稼ぐのだ。

なお、ボタンの反応がやや鈍かった為、ボタンを押してすぐ手を放すのではなく、1秒程度押し続けた方が確実に止まった。


無論、保留満タンの度に「止め打ち」していれば、たとえデジタルのストップボタンを使わずとも、1000円あたりの回転数に変化は生じない。だが、「時間効率」を考えた場合に、1/500という超・低確率の台で初当りを多く取るには、ストップボタンの時間短縮を使い、短時間で多くデジタルを回した方が有利なのは、火を見るよりも明らかである。

ましてや、一発台に多く群がる「オヤジ」層の中には、ストップボタンなどお構いなしに、玉を打ちっぱなしにする者も少なからずいた。そんな中でボタンを効率よく使えば、他の客と確実に差を付ける事も出来た。


言うまでもなく、例のTVロケにおいて、「パチンコ慣れ」していない逸見さん(「日の丸」の常連オバちゃんからも、「逸見さんも少しはパチンコやりなさいよ。カタすぎて困るんじゃない。」と突っ込まれていた)が、ストップボタンの存在に気づいた可能性は、ほぼゼロと思われる。普通に打ってデジタルをノンビリ回して、「あー、当らなかった」で終了となったのだろう。



余談だが、本機は、首都圏の有名チェーン「日拓」(現エスパス)にもチラホラ入っていた。印象的なのが、日拓では、本機の四角いストップボタンに、「n」と書かれたオリジナルシールを貼っていた事だ。もちろん、「n」は日拓を表す店の「ロゴマーク」である。まぁ、店側のささやかな「宣伝」であろう。

因みに、パチスロでも、かつての新宿「日拓II」(現在「エスパスタワー」が建っている場所で営業していた店)は、青地に白の「n」マークがコイン中央に入った、「カラーコイン」を使っていた。例の「5連アポロン」の連チャン中、「n」マーク入りのカラーコインをドル箱にギッシリと詰めるのが、なんとも楽しかった事を思い出す。



※大当り判定方式について

本機は、各デジタルともに「0~9」の10通り(組み合わせは計1000通り)で、「333」と「777」の2通りが大当りとなる。よって、表面上の大当り確率は、2/1000=1/500。

一方、内部確率も、表面上と同じく、「1/500」になっていた。

右出目用乱数、中出目用乱数、右出目用乱数が各10コマあり(乱数の組み合わせは計1000通り)、そのうち取得した乱数が「012」「786」だった場合、大当り出目を表示する仕組みだ(各出目用乱数は、桁上がりの関係にある)。

大当り出目は、「012」の時は「333」を、「786」の時は「777」を表示する仕組み。


大当り判定方法は、基本的に、始動チャッカー入賞時に拾った乱数を、いったん保留エリアに記憶する。その後、保留消化時に対応する乱数を再び呼び出して、リーチ及び大当りの判定を行う。

但し、ストップボタンを押した場合、入賞時に拾った乱数は「無視」される。ストップボタン専用の乱数カウンターがあって、ストップボタンを押して約0.7秒後に新たな乱数を取得して、リーチ及び大当りの判定を行う仕組み。

なお、乱数の動きについては、プログラムの最終部分が「無限ループ」になっており、特定の乱数を体感器等で狙い打ちする事は、不可能とされた。



2 コメント

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Unknown (たろへい)
2014-10-11 00:23:21
ボタン付きの権利物ですかU+2049U+FE0E
知りませでしたよU+1F4A6

ニューギンの四角いボタンはスノーバーズの時に使いました。
その時は押したら必ず反応した記憶あるので、1秒も押す必要あるならきっと抽選方式が関係しているんでしょうね。

当時だったら時間短縮の為にボタン押すだけでかなり効果あったんでしょうな(^_^)
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Unknown (第五富士)
2014-10-11 23:13:31
平成2年の暮れの新台入替で新要件の羽根物サンフラワーと一緒に入ってましたね。

ちなみに、その店には大当たり4000発のエキサイトキングがありました(1回交換)。
スロットはペガサスラビットです。

当時は、本当に入れ替えが少なく、古い台が普通にあったので、知らない店を発見すると、胸を躍らせながら思わず駆け出したものです。
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