まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ビッグポーター(マルホン、一発台)

2014-04-04 17:31:24 | 一発台

1990年(平成2年)にマルホンから登場した一発台「ビッグポーター」

 

★賞球…オール13

★三つ穴クルーン搭載の振り分けタイプ

★現役時の実戦店…小田急線、向ヶ丘遊園駅北口「ニューギンザ」


当時の「ニューギンザ」正面入口。現在は、「GINZA P-style-」と店名を変えて営業中との事。

ピワルドの店舗HPを見たら、外観も内装も当時とはエラく変わっていて驚いた。今では「パチンコ専門店」となったようだが、当時はスロも4シマ存在した。

ビッグポーターを置いていた1990年の「ニューギンザ」を振り返ると、メインストリート側の正面から入店して、手前8シマは全てデジパチだった(ドリームX、FレクサスIVD、FボルテックスII、マジックセブンD、キャスターなど)。一方、奥の景品カウンター側は、左サイド4シマがハネモノで(マジカペ、道路工事、演歌道、ディスクジョッキー)、右の4シマが一発台だった(ジャスティが2シマ、ターゲットIとビッグポーターが1シマづつ)。

また、裏路地側にも2か所の入口があって、こちらはスロットシマに近かった為、朝のモーニング狙いは大きい方の裏口に行列ができた。当時はリバティベルIVとベンハーが置いてあったが、ベルIVは90年末にコンチネンタルIへ、ベンハーは91年にリノへ、それぞれ入れ替えられた。コンチもリノもいい具合に連チャンしたので、かなり通い詰めたクチだ。スロットシマでよく見た、黒縁メガネ&七三分けで背の高いオッチャン店員(主任?副店長?)は、今どうしているのだろう。

それから、景品カウンターの女性店員が「工場の事務員」風な古臭い制服(青)を着ていた事、ドル箱が半透明で黄緑の2500発用だった事、換金が「2.2円/7枚」で、特殊景品がフリントのライター石(大・小)だった事、スロは午前11時までジェットカウンター使用不可(モーニング即流し対策)だった事、閉店が23時きっかりではなく15分前の「22時45分」だった事(これは、今も同じらしい)、裏口近くに「ばんだい」という小さなラーメン屋があったことなどを、今更ながら思い出す。

 

ちなみに、同時期の向ヶ丘遊園には、北口に3軒、南口に2軒のパチ屋(計5軒)があり、一発台の設置機種も様々だった。

北口は、「ニューギンザ」が(ビッグポーター@マルホン、ターゲットI@三共、ジャスティ@西陣)、「第一銀座ホール」が(キャラバン@マルホン、ジャスティ@西陣、ファミリー@大一)、駅にもっとも近い「スター」が(シャトル21@藤商事、マーダー@藤商事)。一方、南口は改札を出て左奥の「プラザ」に(ジャスティ@西陣)、モノレール乗り場前の中和ビル2F「ぱちんこ遊園」に(ターゲットI@三共)を置いていた。終了個数や釘調整にも店ごとの違いがあり、一発台のハシゴには最適の環境だった。

まぁ、この駅周辺だけで存分に楽しめた訳だが、隣の「登戸」や終点の「新宿」にも一発台を置く店がゴロゴロしており、寄り道もせず大学に辿りつく事など、滅多にできなかった。ちなみに、地元店にもベータ@ニューギンがあって、コチラもすっかりハマっていた。

 

…本筋から大きく逸れたが、今回紹介する「ビッグポーター」は、一発台やおまけチャッカーデジパチなどに規制のメスが入った「1990年10月」(風営法規則改正)の直前という、かなり微妙な時期に登場した機種である。ただ、一発台ファンにとっては、後に登場したサーカス@平和などと並んで、まさに一発台「最後の砦」として重宝された。

翌1991年春には、改正規則に沿った「新基準機」が続々と登場して、古き良き一発台は次々と店から消えた(しぶとく残し続ける店もあったが)。その代わりに入ったのが、エポック@平和、バレリーナ@平和、ダブルエース@ニューギン、スーパースリー@三洋、ニューヨーク@三洋、ニュークーデター@西陣などの新基準権利モノや、アメリカンドリームP1&P2@豊丸、アニバーサリーI&II@大一、フルーツパンチ@大一などの一般電役だ。

いずれも、一発台並みの大量出玉を望める、「ポスト一発台」としてホールで人気を博したが、アナログでシンプルな本家の魅力を「再現」するには至らないものも多かった。

「ニューギンザ」でも、この時期、香ばしい一発台やおまけデジパチのシマが、デジタル権利物に徐々に浸食されていくのを見ると、期待感と共に一抹の寂しさを感じた。また、マッタリしたハネモノのシマに、インフレ大量獲得型の「サンダードラゴンGP」@三共が入って、当初はかなり違和感を覚えた(すぐに慣れてしまったが…)。


(大当りまでの道のり) 

 

さて、ビッグポーターのゲーム性を語るうえで外せないのが、「クルーン」の存在であろう。本機のメイン役物は、盤面センターに鎮座する、スーパーコンビでお馴染みの「3つ穴クルーン」である。

ゲージ構成もコンビに良く似ており、V穴入賞後にクルーン下のセンターチューリップが開き、このチューリップの右端に当った玉が、盤面右下のチューリップに流れて出玉を稼ぐ点も共通している。

ただ、私は1990年デビュー組だが、当時は既にコンビ設置店が少なく、後継機のスターライトI&IIを入れているホールが多かったと記憶する(スターライトは右奥を大当りにする店が大半だった)。

私にとっては、「三つ穴クルーンの一発台」といえば、本家のコンビよりも、ビッグポーターやスターライトの方が、むしろなじみ深い。もちろん、後に出たコンビタイプのサーカス@平和(「最後の一発台」と言われた)にも、それなりの思い入れがある。

 

マルホンの一発台というと、従来はパラレル、ファイター、プリズム、キャラバンといった「完全一発型」(命釘を抜ければ大当りという単純明快なゲーム性、但し命釘を抜けても外れる調整もアリ)が定番でもあった。しかし、一発台末期に登場した本機は、コンビタイプの三つ穴クルーンを使った「振り分け式」になっていた。

同時期、マルホンからは「ビッグスリー」という、やはり三つ穴クルーン(三段構造)を使った一発台が出ている。一方で、伝統的な完全一発タイプの「タイムリー」なども同社から登場した。

盤面左の命釘を抜けた玉は、役物上部の傾斜を右に転がり、センター役物に入る。役物に入賞した玉は、中の白いスロープを右⇒左(手前)、左⇒右(奥)と転がり、最後の坂を下って3つ穴クルーンにアプローチする。その後、クルーンを時計方向にしばらく回ってから、3つ穴のいずれかに入る。奥2つの穴はハズレで、手前穴のみ大当りとなる。

 

特筆すべきは、玉が役物入賞すると、役物内のセンサーが入賞を感知して、直後に派手な電子音が鳴り響く点だ。同時に、役物に仕込まれた複数の電飾ランプも、派手に点滅する。さらに、盤面下にあるドット表示の電光掲示板には、入賞の直後、「GO!」という文字が表示される。そして、手前の大当り穴に入ると、派手なファンファーレと共に「BIG」のドット文字で祝福する。一方、奥のハズレ穴に入ってしまうと、「アレ~」という情けない表示でガックリさせる。

このように、本機は役物に入賞すると、音と光と文字のトリプル演出で盛り上げていた。元祖コンビとの大きな違いが、ここにある。

この派手な演出は、他人に役物入賞をいちいち知られてしまうので、打ち手によっては嫌がられた。一方で、この演出機能を立ち回りにうまく利用する事も出来た。頻繁に音が鳴る台は、とりも直さず「命釘の抜けが良い甘釘台」を意味する為、ハンドルを握りながらシマを観察する際、大いに役立ったのも事実だ。但し、良く音が鳴るのにちっとも大当りしない台は、「クセ悪台」として要注意だった。

 

三つ穴クルーンの「振り分け率」は、外見上は1/3だが、実際は「1/4~1/5」程度とやや低かった。ただ、台ごとの「クセ」という点でみると、コンビやスターライトなどと比べて、それ程極端な振り分け率のバラツキ(V入賞率1/10以下の酷いクセ悪台)はなかったように思う。

なぜなら、役物入賞した玉を下段クルーンに導く白い「スロープ」の両側に、「ガードレール」を思わせる落下防止の縁取りが施されていたからだ。このガードレールがある事で、スロープ上の玉の挙動は、「手前を右から左、奥を左から右に転がり、最後の坂を下ってクルーンにアプローチ」という具合に、おおむね安定していた。スロープを転がる玉が安定する事で、クルーンでの玉の回転も安定感が増したわけだ。

コンビやスターライトのスロープには、こういったガードレールが付いておらず、役物に飛び込んだ玉がスロープを乗り越えて、いきなり下段のクルーンに落下する「イレギュラー」な入賞パターンが時折起こった。一方、本機の場合、そういった不規則な挙動はほとんどなかった。まぁ、こうした玉の動きの安定感をどう評価するかは、打ち手によって見解が分かれるところだろう。

 

ただ、各台ごとに、クルーンのV穴入賞率が違ったのも事実だ。キッチリ1/3程度でVを射止める名機や、5~6連続で奥の穴に逃げるクセ悪台など、台ごとの個性は明らかに存在した。

まず、命釘を抜けて、役物に入らなければお話にならないので、左の命釘やその周辺釘のチェック(風車周り、山釘、谷釘etc)が重要だった事は、言うまでもない。

加えて、台の「ネカセ」(傾斜)も、クルーンのV穴入賞率を左右する、重要なポイントだった。ただ、目に見える釘と違い、ネカセの判別は一般ファンには容易ではなかった。百円ライターをガラスに当てたり、台枠の角度のズレで判断するなど、それなりの「努力」が必要とされた。

参考だが、ここに24年前に行われた、一つの「実験データ」がある。

まったく同じ釘調整の本機で、ネカセのみを変えた場合、クルーンのV入賞率がどう変化するかを調べたものだ(試行回数は100回づつ)。

このデータによれば、台のネカセを「4分5厘」とした場合、クルーンの振り分けは手前(V)が22%、左奥が30%、右奥が48%であった。一方、ネカセをやや浅くして「3分5厘」に変えた場合、手前が31%、左奥が25%、右奥が44%となり、V入賞率がアップしたのだ。

一般的に、三つ穴クルーンを使った台は、ネカセが小さいほど手前に入る確率が高いといわれたが、本機の場合も、まさに法則通りの結果となった。「傾斜が浅ければ浅いほど有利」だったのだ。クルーン内の玉の挙動が安定し易い本機の場合、ネカセの差がハッキリと振り分け率に反映していたといえる。

なお、ネカセの大小に拘らず、「右奥」入賞率がもっとも高いが、これは本機のように、玉がクルーン内を時計方向に回り易い台で多く見られたパターンである。

一方で、ネカセが大きい台ほど、クルーン上の玉の軌道は「縦長」になる為、その分「左奥」のハズレ穴に取られる確率が高くなる。打っていて左奥でよく外れる台は、「ネカセがキツいので危険」と判断出来た訳だ。即ち、クルーンの玉の挙動でネカセ判別する手法である。

 


 (大当り中)

クルーン手前の大当り穴に入ると、クルーン真下の「9回開き」チューリップ(数字の9が書いてある)が開放する。その後は、店の調整にもよるが、普通は右打ちに切り替えれば、開放した「9」チューリップの右先端に玉が当り、右下のチューリップに玉が流れるようになり、右下チューリップが頻繁に開放するので出玉が増えていく(左下チューリップに玉が流れる調整なら、右打ちは不要)。

また、大当り中は、いかにもマルホンといった風情の軽快なBGM(途中でパターンが切り替わる)が流れると共に、下の電光掲示板でもドットによる演出が行われる。

ちなみに、スーパーコンビの場合、大当り中に再びクルーンの手前V穴に入ると、真下のセンターチューリップに玉が再入賞して、大当りは「パンク」してしまう。しかし、本機は手前穴に再入賞しても、9回開きチューリップ自体は閉じないので、パンクの恐れはない。また、どんなに釘調整ミスがあっても、大当り中にセンターチューリップへ9個は入らないので、パンクとは無縁の設計といえる。

ただ、右打ち時にいわゆる「ゴム打ち」(全開打ち)すると、「9」チューリップの右サイドに玉が当らず、いっこうに出玉が増えない恐れがあった(釘調整にもよるが)。その為、大当り中のストロークは「やや弱め」の右打ちで、盤面右の一番上にある風車を狙うのがベストとされた。

 


 

ちなみに、件の「ニューギンザ」の場合、一発台は「5000発」定量となっていた。当時は2.2円交換なので、1回当れば「11000円」が約束される。しかも、「5437発」とか「5615発」という具合に、カウンターに流すと5000発を大きく超えている事も多かった。たかだか数百発の上乗せでも、当時は随分得したと感じたものだ(逆に、出玉が5000発を切る事もあったが…)。

店員に終了を促されると、2500個サイズの中箱を山盛りで2段重ねて、ジェットカウンターに運ぶ…たった1回の当りでも、ズッシリとした重量感が満足度を高めた。運がよければ、財布に残った僅かな小銭で一発が決まったりした。極端な話、ダメ元で打った10発程度でヤクモノに入り、そのまま手前に落ちてVを拾った事だってある。

最後まで勝負を捨てずに臨めたあの頃…気づかぬうちに、随分と遠い過去になってしまった。



2 コメント

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一発台 (黒猫)
2014-04-08 12:18:06
同じクルー ンを使用したスーパーライダーを持ってます。

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Unknown ()
2014-04-10 10:45:21
私も管理者さまと同じく、本家コンビよりもビッグポーターやアニバーサリーIIを打ってました。時期的に、コンビは出ない店にしか残されていなかったですね。出す店はどんどん新しいタイプの一発台を導入していました。

確かに、突発的な入賞が無くて、きれいにクルーンを回っていましたね。クルーン7回転目あたりに球の勢いが弱まるので、上皿を引っ張ってV入賞させた気分になっていました。実際にはそんなので入賞率は変わらないと思いますが、店員さんに叱られたこともあります。

羽根モノを含め、打ち止めのシステムはお店によっても違っていましたが、台裏のタンクへの玉供給がストップするものが多かったですね。赤ランプが点いたらそれ以上打っても玉が飲み込まれるだけなので、気にしながら打ち止めを待っていました。羽根モノの場合は店員さんが見に来て玉数が少ないと、連続解放(たぶん1500発くらい追加?)という店が多かったです。
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