1990年(平成2年)登場の旧要件デジパチ「エキサイト1-2-3」(ニューギン)
(「1-2-3」は「ワンツースリー」と読む。「エキサイト123」「エキサイト1・2・3」と表記する事もアリ。)
★6ケタデジタル(7セグ、橙・緑・赤の3色)採用
★賞球…7&10&13
★大当り確率…1/230
★図柄…各デジタルに「3」「5」「7」の数字3種
★大当り図柄…「3」「5」「7」の各6つ揃い
★最高10ラウンド継続
★出玉1900~3000個オーバー(おまけチャッカーの釘調整次第)
★最終R、アタッカーフルオープンによる保留玉連チャンあり(保4のみ、発生率10%)
(左オマケチャッカーの誘導釘…このグニャグニャ感が、今となっては懐かしい。ただ、これだと「2.4円・LN制・2400個」といった調整か。内側の3本釘の一番上が、もう少し右上にプラス調整されていると3000個近い出玉が望める筈だが…。因みに、アタッカー開放時間は約22秒。)
平成2年・秋、新宿・歌舞伎町コマ劇そばの「ラスベガス」(瑞穂「ファイヤーバードEX」設置店)にて遭遇。3台程度の小さなシマが二つ並んでいたと記憶。
初見では、やたら数の多いデジタルに面喰らいつつも、「6つのデジタルをビシッと揃えてやりたい」という願望が、ふつふつと沸き起こった。
それなりに苦労するかな…と思いきや、ラスベガスでの初打ち時は、割とアッサリ当りを引く。「何だ、デジタル6個でも結構ラクに揃うじゃん。」と舐めてかかったが、それは最初だけであった。この店の回りの悪さも手伝い、次第に負けの機会が増える。
コマ劇「ラスベガス」でヤラれると、リベンジとばかりに、今度は新宿大ガード近くの「ジャンボ」1Fにも足を運んだ(コチラも、右隅の暗いシマにひっそりと設置)。また、向ヶ丘遊園駅北口の「銀座ホール」でも、本機とよく対戦した(コチラは、入口前のド真ん中、一番目立つシマに設置)。
上記各ホールは、当時2.2円~2.4円の低換金にも拘らず、本機を「1回交換」や「定量制」にしており、出玉は2400個~2700個。デジタルの回りもイマイチで、連チャンもたまに来る程度。大勝ちなど、ほとんどできなかった。まぁ、設置が結構多い台だったので、もっと甘いエリアを開拓すべきだったな…。
ただ、収支に関係なく、あのズラズラっと並んだデジタルが、全てゾロ目になってファンファーレが鳴った時の爽快感は、他機種にない独特のものがあった。
さて、本機の大きな特徴と言えば、やはり、トライアングル状に6つ並んだ7セグデジタルであろう。
機種名の「1-2-3」からも分かるように、左から1個・2個・3個と、デジタルは縦3列に並ぶ。
各デジタルには「3」「5」「7」3つの数字しかなく、「3」はオレンジ、「5」は緑、「7」は赤とそれぞれ色分けされている。
図柄が3つ、デジタルが6個、そして大当りパターンが3通りで、表示上の大当り確率は「1/3」の6乗×3=「3/729=1/243」となる。しかし、内部確率はそれよりも高い1/230だった(判定システムについては後述)。
高速回転中のデジタルは、左からA⇒B⇒C⇒D⇒E⇒Fの順で、次々に停止する。
停止には一定のリズムがあって、最初にAのみが停止した後、少し間があってB・Cがポンポンと止まり、最後にD・E・Fの順で素早く止まる。大当りは、6個のデジタルがゾロ目の場合なので、ゾロ目が途中で切れると、その時点で「アウト」。A~E全てに同じ数字が出ると、晴れて「リーチ」となる。
また、A~Cが同数字になった段階で、Dの回転時間が通常より長めになる。そして、Dにも同じ数字が出ると、今度はEの回転時間が長引く。こうして期待感を煽りながら、徐々にリーチへと近づく。
A~Eの5つが同数字になると、右下のデジタル(F)が、「3」⇒「5」⇒「7」の順でスロー(コマ送り)回転を繰り返す。これが本機の「リーチアクション」だ。
図柄は3つしかないので、リーチ時は、常に「大当り」or「1コマ手前ハズレ」or「1コマ先ハズレ」の何れかとなる。即ち、外見上のリーチ期待度は1/3と高い。
ただ、5つのデジタルがゾロ目になるケースは、決して多くない。Cまで揃ったがDでアッサリ外れたり、A~Dがゾロ目になってEで外れたり…という具合に、最後のリーチまでなかなか辿りつかない。「せっかく積み上げた石が、途中で崩される」…まさに「賽の河原」を彷彿とさせる流れだった。
本機を知らない方でも、豊丸の名機「ナナシー」のリーチ到達までの「イライラ感」を例に挙げれば、お判り頂けるだろうか。ひょっとすると、ナナシーの開発者は「エキサイト1-2-3」の大ファンだったかもしれない(笑)。
ここで、本機の「出目作成パターン」について、少々触れる。
本機は、内部的にA~Fの6つの出目をバラバラには決定せず、「ABC」「DE」「F」の3ブロックに分けて、デジタルに表示する「ハズレ出目」を決めている。
ハズレ出目作成においては、出目カウンター1が3ケタの「A・B・C」ブロック、カウンター2が2ケタの「D・E」ブロック、カウンター3が1ケタの「F」ブロックを、それぞれ担当している。
カウンター1には、「353」「577」「775」など、3ケタワンセットの出目パターンが、計31個用意されている。当然、「333」「555」「777」などの3つ揃いもある。全31パターンのうち、「333」のゾロ目は2つ、「777」も2つあるが、「555」だけは3つもある。つまり、「ABC」ブロックに「555」のゾロ目が出る確率は3/31で、「333」や「777」(ともに2/31)より1.5倍も高い。
カウンター2には、「35」「57」「73」など2ケタの出目パターンが、計16個ある。当然、「33」「55」「77」のゾロ目パターンもある。全16パターン中、「33」のゾロ目は1つ、「77」も1つだが、「55」だけが2つある。つまり、「DE」ブロックに「55」のゾロ目が出る確率は2/16で、「33」「77」(ともに1/16)より2倍も高い。
カウンター3には、「3」「5」「7」3つの出目パターンがある。「F」にそれぞれの目が出る確率は、均等に1/3である。
上記の仕組みによれば、出目カウンター1でゾロ目(例「555」)が選ばれ、かつ、出目カウンター2も同数字のゾロ目(例「55」)だった場合、ハズレリーチ(例「55555」)が掛かる事になる。
上記の数値を基に、本機のハズレリーチ出現率を計算すると、
・5のハズレリーチ出現率は、3/31×2/16=6/496≒1/82.67
・3のハズレリーチ出現率は、2/31×1/16=2/496=1/248
・7のハズレリーチ出現率も、2/31×1/16=2/496=1/248
・3図柄トータルのハズレリーチ出現率は(6+2+2)/496=1/49.6
となる。
つまり、5のハズレリーチは、他の二つの図柄に比べて3倍も出現し易い。また、約50回転に1回の割合で、何らかのハズレリーチが掛かる事も分かる(大当りも含めたリーチ確率は1/40.8)。
当然、リーチまで行かずとも、デジタルに「5」が出る割合自体、各段に高くなっている。「5」は4つ目まで揃いやすいが、「3」「7」のゾロ目は、なかなか4つ目まで届かないのだ。
実践時、「何か、この台は5のリーチばかり掛かるな…」という感覚を持った人もいるだろうが、それは偶然ではなく、内部的に仕組まれたリーチ図柄の「偏り」だったのだ。
一方、大当り判定当選時は、「3」「5」「7」の6つ揃いの中から、均等に当り図柄が選択されるので、リーチ選択率もそれぞれ1/3となる。
したがって、ハズレリーチ出現度の最も多い5のリーチが、逆に大当り期待度は最も低い。出現率の低い3と7のリーチだが、信頼度は5よりも高い。
因みに、3つのカウンターで作成された出目が、たまたま「6つ揃い」になった場合は、右下の「F」を1つ手前の図柄で強制的に外す処理を行う。この時も当然ハズレリーチとなり、やはり5のリーチ出現率が一番高い。
さて、本機のもう一つの特徴といえば、保留玉4個目で時折発生する「連チャン」である。
本機の大当り抽選は、当時それ程多くなかった「二段階判定方式」を採用していた。
一次抽選の乱数カウンターは「0~22」の23通りで、「22以上」の数値なら当選となる。通常、22以上の数は存在しないので、一次当選率は1/23。
一方、二次抽選の乱数カウンターは「0~9」の10通りで、「9以上」の数値なら当選となる。やはり、9以上の数はないので、二次当選率は1/10。
よって、一次・二次トータルでの大当り確率は、1/23×1/10=1/230となる。表面上の確率(1/243)よりも、実際の確率は甘くなっていた。
肝心の連チャンシステムだが、大当りの10ラウンド終了直後、「ある条件」を満たしていれば、保留玉4個目に限って一次抽選が「フリーパス」となる。後は、二次抽選の1/10をクリアすれば大当りするので、保4での連チャン率は10%となる。
この「ある条件」だが、実は非常に単純なもので、「最終ラウンド(10ラウンド)に、アタッカーがフルオープンすること」であった。
フルオープンによって、内部でスタックオーバーフローが起こり、保4エリアに書き込まれていた一次抽選乱数が「254」に書き換えられる。「254」は、本来なら一次抽選用カウンター(0~22)に存在しない数だが、一次当選の条件が「22以上」となっている為に、254が入ると自動的に一次当選してしまうのだ。わざわざ、「~以上」という条件にする辺り、最初から連チャンを前提にしたプログラムだったと推察される。
したがって、10ラウンドのアタッカー入賞個数を「9個以下」にすれば、連チャンの第一条件はクリアとなる。
因みに、この「フルオープン打法」、もともとは「H密のP術」という攻略誌が、西陣「スーパールーレット」や京楽「ダービー」といった先行機種で、アタッカーに玉を10個入れないと連チャン率が上がるという、「10(テン)やあらへんで打法」(ノットテン打法)を打ち出したのが最初だ。
これを、主力誌の「必勝G」などが、完全な「オカルト打法」であると揶揄(やゆ)した(「10やおまへんで打法」などと呼び、バカにした)。しかし、このフルオープン打法が、本機の場合は連チャンを呼び込む「鍵」だったのだ。もし、「P術」が本機においても、この打法をいち早く試していれば、G誌を出し抜くことが出来たハズだが…実に惜しい。
そういえば、「P術」という本は、朝一状態の台を「バージン台」、数珠つなぎ連チャンを「ペア連チャン」など、何かと変わったネーミングで呼ぶのが好きだった。また、2号機「アラジン」の原爆セット打法をスッパ抜いて誌面で公表し、他誌から叩かれまくったのも「P術」である。メーカーの平和、大手チェーンのピーアークと連携して、「読者が作るパチンコ台企画」を行ったのも同誌だ(この企画で、平和の新要件ハネモノ「南国のさかなやさん」が誕生)。
それはともかく、最終ラウンドは、8個ほど入った時点でハンドルから手を放す。ただ、普段からおまけチャッカーに玉が流れやすいプラス調整だと、止め打ちせずともアタッカーに玉があまり向かわずに、そのままフルオープンする事もある。出玉の多い台は、オヤジ打ちでも連チャンの可能性が高かった訳だ。
この「保4連チャン」に、保1~保3の自力連チャン率を足したトータル連チャン率は、約1/8.8。
しかし、個人的には、ラウンドフルオープンをいつも使っていたが、連チャン頻度はもう少し低かったと記憶する。「相性」という面では、決して良い訳ではなかった。それでも打ち続けてしまう本機には、やはり、打ち手を引き付ける「魅力」が詰まっていたのだろう。
ともかくも、古き良き平成初期に本機と出会えた事を、「有り難い」と思う他はない。
体感ネタで1日だけ遊技経験あります。
確か当たりの場所を自力で探すタイプで、やる事の多かった当時ではリスク高い(汗?)から仲間内で却下となりました。
今見ると面白そうでもう一度打ちたいですね
(^_^)
デジタルが6個もあって当たりにくそうだったのであまり打ちませんでしたが^^;どんな音楽だったのかなぁ~~
それと、ニューギンの台ってバネがおかしい?というか、ハンドルから手に伝わってくる感触が変(?ダイレクトな感じでない)で、それだけであまり好みでなかったりしますね。
保留トリプルをかけたのはいい思い出