(池袋「サードステージ」にて撮影)
1996年(平成8年)に大一商会から登場した
CR権利モノ「CRフルーツパッション」
昭和チックで味わい深い7セグは、平成初期の連チャン一般電役の名機
「フルーツパンチ」と、知る人ぞ知るCR権利モノ「CRエキゾチック」譲り。
スルーチャッカーと電チュー、貯留ヤクモノでデジタルを回すシステムは、
爆裂権利モノ「ダイナマイト」、後継機「ラッキーボーイ」の流れを汲む。
(CRエキゾチックも、同じシステムだった)
大一が過去に送り出した名機達の「良い所どり」をしたような台。
それが、今回紹介する「CRフルーツパッション」である。
大一「フルーツパンチ」(1991、一般電役)
大一「CRエキゾチック」(1993年、CR権利物)
大一「ダイナマイト」(1992年、権利物)
大一「ラッキーボーイ」(1993年、権利物)
当時のCR権利物では、三洋の「CRギンギラパラダイス」(1995)が
圧倒的な勢力を保っていたが、負けず劣らずのヒットを飛ばした本機。
後に、新セル版「CRパイナップルボンバー」として再販される人気ぶりだった。
また、2000年以降、本機をしぶとく残し続ける、みなし機設置店も多かった。
大当りの出玉は多いが、小当りはショボい(この仕組みも、CRエキゾチックや
ダイナマイト、ラッキーボーイ譲り)。しかも、確変は大当りのみで、小当りは
「端役、悪役」(この点はダイナマイト等と異なり、CRエキゾチックに近い)。
しかも、大・小の振り分けは、純粋に1/2の「丁半バクチ」。確変連チャンで
ドル箱を積み上げるか、小当り連続でドツボにハマるかは、当人のヒキ次第。
判り易くも両極端なゲーム性が、打ち手の心をガッツリ捉えて離さなかった。
目に見える釘を読んでも、外から見えぬ設定の不安や、50%のヒキに頼る危うさ。
だが、こうした「必然・偶然の織り成すドラマ」も、パチンコの持つ魅力である。
ファンに長らく支持された本機は、90年代に生まれた「名機」の一つといえよう。
★賞球…5&15
★デジタル当選率(3段階の設定付き)
通常時
・設定1=1/65
・設定2=1/71
・設定3=1/77
確変時(通常時の10倍アップ)
・設定1=1/6.5
・設定2=1/7.1
・設定3=1/7.7
※内部プログラム上、デジタルの当選判定に続いて
「大当りor小当り」の振り分けを専用カウンターで
行う仕組み(大小振り分け率は各50%)。よって、
上の数値は、大・小当りを合算した確率である。
実質的には、大当り確率、小当り確率ともに、
1/130~1/154。小当りは出玉が極端に少ない為、
「甘い確率」と安心していると、痛い目に合う。
勿論、シマデータから「初当りが多い=設定1」と
推測して立ち回る方法も、非常に有効となった。
★3桁の7セグデジタル採用(赤、緑の2色)
★デジタル停止順…左⇒右⇒中(但し、同時停止もあり)
★図柄
・左右デジタル…1、3、5、7、9、F(赤のみ)の6図柄
・中デジタル…1、3、5、7、9、F(赤・緑を交互に配置)と、
0(赤、ハズレ図柄)の13図柄
★大当り…赤の3つ揃い(計6通り)
★小当り…左右赤ゾロ目+中のみ緑の色違い(計6通り)
★出玉…大当り=約2300個 小当り=約140個
★確変機能搭載
・大当り=次回まで確変(ループ有り)
・小当り=単発(確変終了)
★確変突入率&継続率=1/2
★ゲームの流れ
(1)左肩スルー通過で、デジタル下の電チューが0.5秒開放
名機「ダイナマイト」(後継機ラッキーボーイ)を踏襲した
スルー(左)及び電チュー(右)。電チュー開放時の独特な
効果音も、ダイナマイト譲りの「ホワホワ」サウンド。但し、
電チュー、デジタル、ヤクモノの位置関係には違いがある。
(2)電チューに入賞した玉は、真下のヤクモノに入る。
下段回転体の真上で、電チューから落下した玉を一時貯留。
回転体は、メインデジタル停止後、一時貯留玉をV穴(右)
又はOUT穴(左)に送る「権利発生用ヤクモノ」。やはり
ダイナマイトの流れを汲むが、「電チューに拾われれば、必ず
デジタルが回る」点が、エレベーターヤクモノで「空振り」も
あったダイナマイトとは、大きく異なる。
(3)一時貯留センサーが玉を感知すると、メインデジタルが変動開始。
・デジタルの当否、大小振り分けの内部判定は、センサー感知時に行う。
(スルー通過の瞬間や、電チューを通過した瞬間ではない)
・デジタルがハズレの場合、一時貯留解除⇒回転体落下⇒
左のOUT穴に送られて、ハズレとなる。
・デジタルが大当りor小当りで停止した場合、回転体経由で
右のV穴に入って、権利発生。デジタルさえ揃ってしまえば、
パンクの危険は無い。
(4)権利発生後は、右打ちに切替える。
・盤面右中段の回転体(左)と、真下のアタッカー(右)の
連動で出玉を稼ぐ。
・大当りは16R(2300個)、小当たりは1R(140個)。
・アタッカー開放時間は、約9.5秒or10カウント。
(5)小当り後は通常状態に戻るが、大当り後は確変突入。
大当り後、再び通常打ちに戻して、メインデジタルを回す。
確変中はデジタル確率10倍アップ。設定差はあるが当り易い。
また、電チュー開放時間も約3秒に延長、玉持ちも良い。
デジタルが大当りor小当りで揃ったら、再び右打ちで消化。
★リーチアクション
デジタル停止順は、基本「左⇒右⇒中」。但し、同時停止もアリ(後述)。
左右デジタルに6図柄づつしかない為、リーチ発生率は非常に高い。
(但し、プログラム内のリーチ判定法は、意外に複雑(割愛))
リーチは「ノーマル、高速、高速再始動、ノーマル再始動、同時停止」の計5通り。
どのリーチでも、大当り、小当りの可能性アリ(同時停止は確変大当りのみ⇒後述)。
また、確変中もリーチは省略されない。
・ノーマル…左右テンパイ後、中デジがスロー回転でスクロール。信頼度は
約3.5%(設定差アリ)と低いが、出現率が高いので、結構当る印象がある。
・高速…左右テンパイ後、中デジが高速回転で変動後、いきなり停止。
信頼度約5%だが、大、小当りの可能性アリ。ノーマルの次に出現率高。
・高速再始動…高速から発展。ハズレ図柄で一旦停止後、再始動して
スロー変動。最後は大当り、小当りかその前後1コマで停止。信頼度は
約33%とアップするものの、その分、出現率は低い。
・ノーマル再始動…ノーマルから発展。中デジが一旦ハズレ後、再始動から
「高速変動⇒一旦停止」を最大6回繰り返す。この中デジ停止パターンには
法則があって、「1回目=大当りー1コマ、2回目=大当り、3回目=小当り、
4回目=小当り+1コマ、5回目=小当り、6回目=大当り」と進む。よって、
2、6回目で止まれば大当り、3、5回目で止まれば小当り。4回目を過ぎると、
小当り以上が確定。なお、1回目で終わる事は無い。信頼度約38%のアツい
リーチだが、出現率は高速再始動よりも低い。
・同時停止(ビタ停止)…デジタル変動後、全デジタルがいきなり同時停止。
赤ゾロ目(確変)で大当りする際の「1/16」でしか選ばれないレアリーチ。
必ず確変が揃う嬉しいアクションだが、当然ながら、出現率は非常に低い。
★当時、CRフルーツパッションを実戦したホール
(2000年以降も、スロ勝負後の「損失補てん」で本機をよく打った)
(1)小田急線・新百合ヶ丘駅北口「ダイヤモンド」(旧「ベル」)(閉店)
新規導入の頃、本機をメインで打った店。近くで立地の良いライバル店が
営業していた為、釘やサービスは案外と良かった。一発台タイプの普通機
「ミサイル7-7-6D」(大同)、ハネモノ「ファインプレー」(マルホン)
などでも、オイシイ思いをした。「ベル」時代には、春夏秋冬(西陣)や
綱取物語(平和)で、開店1時間、何度も電源切りOKのタイムサービスを
やっていた。そういえばスロ4号機の頃、どの台でもビッグを1回引く毎に
スタンプを貰えて、スタンプカードが一杯になると「エルビス」(IGT)の
設定6が打てるという、太っ腹なサービスをやっていた事もある。美人で
愛想のよい、セクシー女優(←今風)の庄司みゆきに似たカウンター係の
満面の笑みが、今も心にグッサリと刺さっている。彼女、元気かな…。
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跡地は立派なマンションに(「新百合ヶ丘駅入口」交差点の前)
(2)小田急線・向ヶ丘遊園駅(南口)「バンバン向ヶ丘店」(現存)
ここは、1Fに再販の「パイナップルボンバー」を設置。
シマは客付イマイチだったが、そこそこ回る台もあった。
同フロアのハネモノ「ファインプレー」の釘も甘かった。
上階の沖スロシマは、シオサイ、ティーダ、キンバリー等、
実に香ばしいラインナップ(すべてノーマル)。登戸駅前
「スロットハトヤ」のハイシオやハナハナの常連だった
年齢不詳のヒゲ親父と、ここのシマでもよく鉢合わせた。
人がハマる度にアレコレ講釈たれてたが、大きなお世話です。
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(3)小田急線・下北沢駅「カレイド下北」(現存)
地下で、サンダーV、ハナビ、ビーマックスと対峙した頃だから、
1Fで本機と付き合ったのは、1998年頃。CRモンスターハウス、
CRジャマイカも、同じ1Fにあった。意外と勝率は良かったな。
学生時代、地下でムサシ(パイオニア)やドリームセブン(高砂)、
ワイルドキャッツ(アークテクニコ)と戯れたのも思い出深い。
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(4)地下鉄・四谷三丁目駅「ザ・リボン」(閉店)
沖スロ「シオサイ30」(パイオニア)目当てに通った時期、
シオサイ(怪しい出方だったな…)で調子が悪かったりすると、
本機のシマに出向いた(返り討ちにもあったが)。
古くから、ハウスカード(清算可能なタイプ)を導入した。
リボンは90年代前半の学生時分にも、夕方のバイトまでの
空き時間を過ごした、思い入れタップリの店。高砂2-2号機
「スーパーウィンクル」で、チェリーとビスカスのアツさを
堪能したのも、まさにこの店だった。
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(元の建物は既に無く、高層ビルが建っている)
(5)JR新宿駅・西口ガード「カレイド新宿」(現存)
先程の「カレイド下北」と同系列。本機を打ったのは地下フロア。
確か、有り金4万ほど突っ込んで、小当りオンリーで一度も大当り
せず撃沈したのがここだった。ただ、それから何日か後、奥村の
3回権利物「スーパーカブキ3」を打って大勝、リベンジを果たす。
マッタリしたい時は、2Fでチューリップ台(平台)の名機、平和
「ジェットコースター」に座り、チマチマと持ち玉を増減させた。
そうそう、ビルが建つ前、同じ場所で営業していた「ニューミヤコ」
というレトロなパチ屋でも、チューリップ台で色々と遊ばせて貰ったな。
当時の設置はタッチダウン、ハイパーボール、トリプルパワー(全て三共)。
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(6)地下鉄・赤坂見附駅前「エスパス日拓赤坂B館」(閉店)
地階の沖スロ(ハイビ、ハイシオ、シオラー)と、2Fの25Φオアシス
目当てに通った。本機は1Fだったが、イベントで甘釘の時などに重宝。
沖スロフロアには天井付きのTVが置いてあって、ハマリに入った時は、
巨人戦を見ながら惰性で回してたっけ。
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閉店。現在はカラオケ店に。
★★その他の実戦ホール
・JR武蔵溝ノ口駅「ライジングサン」(閉店。店が入っていた「中興8ビル」は現存)
⇒カブトの爆裂Verも置いてあった。
・JR新宿駅西口「アラジン」(現存)
⇒新台のホロQを2Fで打った頃。2000年頃。本機は1Fで実戦。
・JR成瀬駅「ジャンジャン本店」(閉店。跡地はツルハドラッグ⇒閉店⇒某医療施設)
⇒パイナップルボンバー設置。屋上に「自由の女神」。駅前の「PART2」にも通った。
・JR町田駅「スーパースター」(閉店。現在は「エルグラン町田」)
⇒1Fでチョイチョイ勝たせて貰った記憶アリ。2Fにはタンゴブラザーと
ツインサーファーの「香ばしい」Verが置いてあった。2000年頃。
・東急・二子玉川駅「ゴールド」(現存)
⇒シオラー30メインの頃。2002年頃。本機で快勝の記憶無し(汗)。
「未練打ち」というヤツで、シオラーの狙い台が不発だったときに、
少しでも取り返そうとして座ったが、大抵は負け額を増やした。
ただ、シオラーの方は大勝ち機会も多かった。当時、この店は
オリジナルHPで、全台の前日ボーナス回数やスランプグラフを
公開していた為、翌日の狙いが絞り易かった。当時ホームだった
町田「さくら屋」でシオラーが回収に入ると、よくここまで遠征。
※わんこさん、ご指摘有難うございます。完全にボケてました(滝汗)。
該当箇所は修正しました。また何か見つけたら「コッソリ」教えて下さい。
※いとまささん、コメント有難うございます。かなり以前にニコ動で見た事の
ある動画で、久々に再会できました。機種選択が香ばしいですよね。ニコ動は
既に「視聴不可」になっていたので、コチラのリンク先は大変貴重ですね。
あらためて、情報提供に感謝致します。
レトロパチンコ90年代の機種 リーチ大特集
(Dailymotion動画)
確かにリーチ発生率が高くて、確率をしっかり思い出しながらやらないとズルズル引き込まれる台でした。後から座った人にいわゆる「お座り一発」を何回か喰らったので余計やめどきを過ごすという悪循環(笑
フルーツパンチは鮮烈な思い出があって、社会人2年目の時に入院した上司をクルマで見舞いに行く途中にどうしてもトイレに行きたくなってパチンコ屋でトイレを借り、そのまま出にくいので500円をトイレ借り賃として・・・と思って打ったら大当たり。なんだか申し訳ない気持ちになったことを覚えています。
同僚と待ち合わせた病院にも遅刻。当時の上司のY田さん、遅刻したのは16号線が渋滞していたのではなくフルーツパンチのせいです(笑
ご存じでしたらすみません。
「レトロパチンコ90年代の機種 リーチ大特集」 だそうです。
コメントではURLは送れませんでした。
フルーツパッション。
ホールデビューの1998年から2000年夏まで、本当に良く打ち通しました。
私の実践店は渋谷の「エスパス3号店」の地下、「マルハン」、南大沢「キング」です。
この台とは本当に相性が良く、オスイチをよく決めたり、負債が嵩んだ時の一発逆転を果たしたり…と楽しませていただきましたよ。
忘れられないのはデビュー直後の出来事。
神田の「丸十」で遊戯方法がわからず、あたふたしていたら隣のオヤジが教えてくれたので、その通りに打ってみたら…。
オスイチを決めてしまったのです。500円の1回転目にいきなりノーマル再始動リーチがかかり、確変大当たり!
しかも確変14連チャン。
そそくさと姿を消した、あの羨望と悲壮感が混じった隣席のオヤジの表情が忘れられません。
他にもバイトの帰りに新宿「アラジン」で日給を3倍にしたり、富士登山とキャンプの費用を全部「キング」で捻出したり…と、今でもその時の興奮とともに、街の空気感が鮮やかに蘇って来ます。
某誌に掲載されていた、最終ラウンドのアタッカー入賞個数で確変継続率をアップさせたり、出目の偏りから設定を予測する攻略法なんかも信じていましたね。
CRエキゾチックも数回打ったことあります。
バイトで出向いた先の原木中山「ミラージュ」でたまたま見つけたのがきっかけでした。
銀座「モンタナ」にも設置されていましたね。
これ、確変で大当たりすると70%ぐらいの継続率があったそうですが、実際どんなシステムになっていたのでしょうか?
リーチの集中があったり、大当たり後に電チューに玉を拾わせてから右打ちしていた人がいたり(この理由がわからない)…と、挙動が明らかに普通の権利モノではないな、と思っていたのですが、ついぞ正体がわからずじまいでした。
いつもお願いばかりで申し訳ないのですが、取り上げてくださることを切に願います。