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まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
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ビッグナイター(平和、新要件デジパチ)

2014-02-08 23:03:53 | 現金機デジパチ

1992年(平成4年)登場の新要件デジパチ「ビッグナイター」(平和)

★賞球…7&15
★大当り確率…1/256
★最高16ラウンド継続
★平均出玉…2450個(アタッカーセンサーが奥にある)
★数珠つなぎ連チャンあり

青白いブロックドットデジタルは、平和から同時期に出た「風林火山」や「舞羅望烈火」と同タイプ。

だが、本機のモチーフは「戦国」ではない。機種名や盤面イラスト(選手、チアガール、スタジアム)からも分かる通り、「野球」である。もちろん、デジタルの各図柄も野球にちなんでいる。

「プロ野球は、現代における戦国時代そのものである」というメッセージなのか(←考え過ぎ)。

 

当時の導入率は、それ程高くなかったと記憶(というより、全般的に設置期間が短かったように思う)。都内・神奈川の行動範囲では、本機を設置する店にときおり「遭遇」する程度だった。当時の地元近くの「パーラー百合ヶ丘」などが思い当たる。その他、赤羽「京王」、四ツ木「西陣」、荻窪「中央ホール」、京成立石「パーラーフジ」(駅前アーケード=立石駅通り商店街にあった店)などに設置されていた、との資料も残る。

この時期、同社でもっとも注目度の高いデジパチといえば、やはり「天国モード維持」攻略でプロ・セミプロ御用達となった「ブラボーキングダム」であろう。また、本機導入の少し後に「ダービー物語」が登場、引き続いて「綱取物語」もホールにお目見えした。常に話題機種のかげに隠れた本機は、さほど目立つ事もなくホールから消えていった。一部攻略プロやセミプロを潤したとはいえ…。


だが、今思えばそのポテンシャルには「非凡」なものがあった。ツボにハマれば、数珠つなぎでの7、8連チャン程度は普通に起こった。ただ、ブラキン、ダービー、綱取と比べると、設置も知名度も低い為に、その連チャンシステムはあまり浸透していない。今なお、本機が「謎機種」のままの方もいるのではないか。

その「空白」を、今回の記事で埋めてみようと思った次第である。

大当り図柄は、上記の16種類。

1~9の数字の他、「祝」「ホームラン」「一」「打」「大」「逆」「転」と野球絡みの図柄が並ぶ。

「祝・大・ホームラン」「逆・転・打」「大・逆・転」等のゴロ合わせは、大当りとならない(当然)。

ちなみに、「祝・大・一」と並ぶと、大一商会の関係者が喜んだとか(←未確認)。


デジタルの停止順は左⇒中⇒右。

スーパーリーチは特になく、左中テンパイ後、右デジがやや速度を落として、1~2周スクロールして停止する。再始動アクションも存在しない。

リーチ時の派手な効果音にインパクトがあり、このサウンドには面白い「特徴」があった。保留ランプ2個以上点灯時は、右デジタルがハズれると、すぐに次の回転が始まる。一方、保0~1の時は、リーチが外れてからも、「キュンキュンキュンキュン」というリーチサウンドがしばらく鳴り続けた(鳴らない事もあったが…)。

そういえば、本機の実機動画をヨウツベで見たが(リンク自重)、エッジの効いたサウンドを久々に聞いて、何ともいえぬ郷愁を感じた。デジタル回転音や停止音、そしてリーチ音には、一昔前の電子ゲームのような「味」がある。大当り時に流れるファンファーレのチープさも良い。ラウンド中は、コンバットマーチ(←いわゆるコンバットマーチではなく、「ダッシュ慶応」という慶大の応援歌。広島カープの投手応援でお馴染みだった)が流れるが、随所に「リズム感の悪さ」が感じられて、ゾクゾクした(笑)。やはり、この時代のパチンコサウンドは素敵だ。

 


(連チャン性について)

本機は保留連チャンタイプではなく、20~50回の早い回数で次の大当りが来る、「数珠つなぎ連チャン」が特徴である。

特に面白いのは、大当りした図柄によって、連チャンモード突入や地獄転落が判るという点だ。

全16図柄のうち、「2、3、5、7、ホームラン」の5図柄で当ると、数珠連を期待できる天国モードに突入する。

いったん天国モードに入ると、「1、6、8、祝、打、逆、転」の7図柄で当るまで、天国は継続。
(突入率は5/16(31.25%)、継続率は9/16(56.25%)

天国モード中は、単発回し(保留ランプ非点灯)を条件に、大当り確率が約1/30にアップ。連続回転でも確率はアップするが、単発回しの方が確実に1/30の状態を維持できる。

なお、連続回転時もモード転落はしないが、抽選確率は単発打ちよりも低くなる。

 

一方、「1、6、8、祝、打、逆、転」の7図柄で当ると、地獄モードに転落する。

いったん転落すると、「2、3、5、7、ホームラン」の5図柄で当るまで、地獄モードは継続。
(突入率は7/17(43.75%)、継続率は11/16(68.75%)

地獄モード時は、単発打ちだと大当り確率ゼロとなり(←怖い)、連続回転では通常(1/256)よりも低確率状態となる。

 

ここで、天国突入でも地獄転落でもない図柄が、4種類ある事にお気づきだろうか。

「4、9、一、大」の4図柄がそれだ。

これら4図柄は、単に「前回のモードを引き継ぐ」役目を果たすにすぎない。

天国モード中、上記4図柄で当れば天国キープ、地獄モード中に当れば地獄継続という訳だ。

つまり、各モードにおける「モード継続図柄」とは、突入図柄に上記4図柄を合わせたものとなる。

 

立ち回りとしては、天国モードとなる5図柄で当ったら、必ず単発打ちで消化して、地獄突入の7図柄で当った時点で即ヤメが基本となる。打ち始めた台が天国モードの可能性もあるので、50回転程単発打ちしてみて、大当りしなければヤメればよい。また、何も知らずに突入図柄で止めた客の「ハイエナ」も有効。

こうした立ち回りをする為、シマ状況を常に注視して、「どの台が何の図柄で当ったか」をチェックする事が肝要であった。

 

なお、本機のモード移行契機は「大当り時」のみである。ブラキンのように、特定条件下のハズレリーチでモード(乱数グループ)移行する事はない。

先述したとおり、天国時は高確率を維持して次の当りを早く取る為に、「単発打ち」が必要。連続回転させると、たとえモードは転落しなくても、単発打ちよりも抽選確率が悪くなって、投資がかさむ恐れがあったからだ。


 

それでは、上記の天国⇔地獄のモード移行は、一体どういったカラクリで行われたのだろうか。

(大当り判定)

大当り抽選には、判定用のカウンターA及びカウンターBを使用。

A、Bともに、移行範囲は「0~15」の16コマ。Aが一周するとBが1コマ進む「桁上がり」の関係。

一方、大当り乱数(当選値)は、「0、1、8、9」と4つも用意されている(←いかにも怪しい)。カウンターA、Bが同じ当選値を拾うと(例:A=B=0)、大当りと判定する仕組み。

ここで「あれっ」と思うのが、カウンターA、Bが同じ当選値を拾う確率は、単純計算で

1/16(カウンターA)×1/16(カウンターB)×4(当選値の数)

すなわち、「1/64」という破格の高確率になってしまう。

だが、実際はそんなに甘くない。

実は、大当りのたびに、「0、1、8、9」の中から1つの値が、新たな当選値として指定されるのだ。

よって、どの値が指定されても当選値は1つのみとなり、「名目上の」確率は常に1/256である。

「名目上の」としたのは、実際はカウンターA、Bの取得乱数に偏りがある為、きっちり「1/256」で完全確率抽選される機会がないから(後述)。

 

さらに面白い事に、大当りした図柄によって、どの値を新しい当選値にするかが、予め決まっていた。以下は、その対照表である。

大当りした図柄        新たな当選値
1、6                   0                
2、3、5、7、ホームラン           1       
8、祝                    8               
打、逆、転                 9
4、9、一、大        前回当選値を引き継ぐ

天国モード突入の条件は、新たな当選値に「1」が指定された時である。

本機は、カウンターの取得範囲に大きな「偏り」があり、内部カウンターが「A=B=1」となる頻度が非常に高い。

特に、単発回し時は偏りが大きくなり、約1/30の高確率で「A=B=1」の値をとる。

一応、連続回しでも、ABともに「1」を取り易いが、単発回しほどの偏りはない。

したがって、当選値が「1」になったら、「1」以外の値に変わるまで単発打ちするだけで、約1/30の天国状態をキープできたのだ。これが、本機の数珠連における「カラクリ」である。

当選値が「1」となるケースは、上記の表で分かる通り、「2、3、5、7、ホームラン」の5図柄で大当りした時だ。この5つが「天国突入図柄」となり、突入率は5/16(31.25%)である。

一方、天国モード時に「1」以外の値が指定されるケースは、
「1、6」(当選値=0)
「8、祝」(当選値=8)
「打、逆、転」(当選値=9)

の計7図柄で当った時である。よって、地獄転落率は7/16(43.75%)となる。

天国時に「4、9、一、大」の4図柄で当った時は、単に「前回当選値(モード)を引き継ぐ」ので、当選値は「1」のままとなり、天国モードをキープする。天国継続図柄は、天国突入図柄5種にモード引き継ぎ4図柄を加えた9種類で、継続率は9/16(56.25%)。

 

地獄モードについても、上記と同じ方法で説明が可能。

地獄滞在時に単発回しすると、乱数の極端な偏りが生まれて、カウンターAとBが「0、8、9」(いずれも当選値の1つ)のゾロ目を全く取らなくなり、「大当り確率0」の危険な状態となる。

また、連続回し時は、確率ゼロではないものの、やはりABが「0、8、9」のゾロ目を取りにくい為に、ハマリの危険が増える。

したがって、大当り図柄が「1、6、8、祝、打、逆、転」だった場合は、当選値に「0、8、9」のいずれかが指定される事となり、地獄モードに転落する。地獄突入率は7/16(43.75%)。

いったん地獄に転落すると、天国突入となる当選値「1」が指定されるまで、すなわち「2、3、5、7、ホームラン」の初当りが来るまで、地獄モードは継続する。

また、地獄時に「4、9、一、大」の4図柄(引き継ぎ図柄)で当っても、前回モードが「地獄」なので、前回値をそのまま引き継いで、地獄モードは継続する。地獄継続率は、「突入7図柄に引き継ぎ4図柄を加えた11図柄となり、地獄継続率は11/16(68.75%)。

 

以上のように、本機の数珠連及びハマリは、大当りと判定される当選値を複数用意した上で、カウンター取得乱数に偏りを持たせることで誘発した(特に、単発打ち時に顕著な特徴が現れる)。

また、モード移行の契機は大当り時のみで、大当りした図柄がモード継続or変更を左右する。

 

(モーニングについて)

上記の連チャン性に加え、本機は電源オン時、自動的に一定の割合で「モーニング」が入る仕様になっていた。

これは、電源投入時、「0、1、8、9」の当選値のうち任意の1つが、「初期値」として必ず指定されるからだ。

この時、「1」が初期値に指定された台は、朝一から天国モードとなる。

実は、この朝一の内部状態を、デジタルの出目から判別する方法があった。

朝一出目を見て、右デジタルが「2、4、6、8」の何れであれば、天国モードと判別できたのだ。簡単かつ効果の高い判別法といえる。

台の電源を毎日落とすホールならば、開店前に朝一出目をわざと崩さない限り、朝一の右出目から天国モードを見抜くことが出来たのだ。

なお、朝一の右出目と内部当選値の関係は、以下の通り。

★朝一出目の右デジタルと内部当選値(初期値)の対応表

朝一右デジタル       電源オン時の当選値(初期値)
1、3、5、7               0
2、4、6、8               1
9、ホームラン、打、逆        8
祝、一、打、転              9

ご覧のように、朝一で右出目が「2、4、6、8」のどれかならば、単発打ちで30~50回転程度させれば、大当りが来ることになる。これが、本機の「モーニング」機能である。

モーニングがヒットしたら、継続率9/16の天国モードでドル箱を重ねるチャンス。運悪く、地獄転落の7図柄で当ったら、即ヤメして他のモーニング出目台に移動である。

但し、店側もそれほど愚かではない。開店前、全台を1回転させて朝一出目を崩したり、一部の台のみ電源を落とすなどの方法で、「カモフラージュ」した。

その場合でも、前日閉店時の出目をチェックしておけば、、「この台は、昨日と出目が一緒だからモーニングはないな」と推測出来た。中には、全台の朝一出目が閉店時と同じで、明らかに電源を落とさない(モーニングのない)店もあった。そんな店で朝一狙いをしても、愚の骨頂である。そういう店では、前日天国状態でやめた台の「据え置き」狙いが筋であろう。

また、一説では、「朝一出目は各台ごとの出現目に一定の特徴が現れる」とされた。連日ホールに通って、台ごとの朝一出目の特徴を捉えて、そこからモーニングの有無を判別しようとした人もいるようだ。そういったあくなき探究心には、拍手を送りたい。 


 

 

という事で、今更ながらの「ビッグナイター」攻略法(笑)、如何だっただろうか。

こうやって振り返ると、非常に奥の深い機械だったと判る。やはり、最大の難点は「釘の渋さ」と「設置期間の短さ」(設置店数も含めて)ではなかったか。当初、「ポストキングダム」として期待された本機も、フタを開ければ打ち手有利となる「技」が多く存在した。導入店にとっては、キングダム同様に、扱いづらい機種だった筈である。

数珠つなぎの連チャン性に加えてモーニングも強力で、当たり前のように釘は締まっていった。中には、プロ・セミプロの攻略を嫌って、導入から間もなく台撤去する店もあった程だ。「打ち込む前に姿を消してしまった」という経験をお持ちの方も、中にはいるだろう。

そういう訳で、この記事が「ビッグナイターって、どんな仕組みで連チャンしたの?」と疑問をお持ちだった方の一助になれば、幸いである。

 



3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゴルゴゴルゴ)
2014-02-09 19:26:19
詳細な説明ありがとうございます。
おおよその仕組みは知っているつもりでしたが、天国中の単発回しは知りませんでした。
動画はご自由にどうぞ~
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実機買いました (遊園)
2014-02-10 20:47:23
これほど家バチが楽しめる機種はないですね!モーニング入れも楽しいけどなかなか入らないんですよ!
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Unknown (えむ)
2014-02-24 11:06:05
懐かしい四つ木の西陣で打ちました
ボッタ店で隣の立石のほうが状態よいので数回行ったきりでした
当時通ってた向島からチャリで平和橋教習所へ半年通う間にちょこちょこ寄っていましたね
永久連荘打法があったキャスターが立石にあって打ちましたが単発打ちがどうも嫌いで条件を満たすことができなかったな
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