嵐山石造物調査会

嵐山町と近隣地域の石造物・道・文化財

『粕川のほとり』11 粕川沿いをあちらこちら散歩するとつきあたるものは(5) 権田恒治

2009年04月15日 | 七郷地区

  高倉一升ぼたもち日待
 「お日待」を「ひまち」「つきまち」といって各種の講仲間が、一所に集い身心をきよめ、邪念を去って一夜をあかし、日の出や月の出を待つ神事である。
 講人に共同の幸福をさづかろうというのであるが、この時には一同飲食を共にし、娯楽に興じ語りあかすのである。
 今のお日待は宴会、懇親会の意味である。
 昔から共同の飲食といっても、特色のあるものの一つに、高倉の一升牡丹餅がある。
 一升牡丹餅は、米七合に小豆三合、起源のわからないほど古いこの一升ぼたもちの行事で、未だ腹をこわした人はいない。このお日待には喧嘩がない。親達の親睦の行事に集っていただいた牡丹餅を頬ばりながら、子供たちの胸には、神に祈り、大地自然に感謝して共々に事にはげむ共同相助の精神がたくましく成長する。
     大塚基氏編『粕川のほとり』(1989年)39頁~40頁


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