◆ もし、北朝鮮の「人工衛星」がはりぼてならば、今世紀最大の詐欺事件だ。喜んで良いのか、悔しがって良いのか・・迎撃ミサイルの配備をめぐり専門家の皆さんは、打ち落とせる、いや役に立たないなど大激論を戦わせていたが、はりぼての場合は田中防衛大臣も同席し議論すれば、高視聴率は間違いないだろう。
◇ミサイル発射予告で国際的に批判を受ける北朝鮮が8日、一部の外国メディアに発射場で「人工衛星」や「衛星打ち上げ用ロケット」などを公開した。
だが、映像を見た専門家からは「衛星は『はりぼて』ではないか」「かえって不自然さが目に付いた」などの指摘が続出。発射の正当性を訴えようという北朝鮮の意図は、国際社会に簡単には通じそうもない。
報道によると、北朝鮮北西部の東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場では、「銀河3」を意味するハングルが書かれたミサイルが設置された。北朝鮮は「光明星3号」と名付けた衛星と称する箱形の機械も公開し、「平和的な人工衛星の打ち上げ」をアピールした格好だ。
しかし、専門家からは疑問の声が上がった。宇宙航空研究開発機構の的川泰宣名誉教授は「衛星の形はしているが、普通はロケットの組み立て前に衛星を内部に組み込む。これから入れるというのはあまりにも非効率」と指摘。さらに「北朝鮮の言う実用レベルで使うにはサイズも小さすぎる」と疑問を呈す。
科学ジャーナリストの松浦晋也さんも、「全面に太陽電池を貼った衛星は太陽光を受けるため回転させて使用する。公開された衛星は縦長で、外部に重りなどのバランスを取る装置が必要。北朝鮮にそうした技術があるかどうかは不明で、なければ姿勢が安定しない。『はりぼて』の可能性が高い」と切り捨てた。
(2012年4月9日14時32分 読売新聞)
◇ミサイル基地に海外メディア招待、北の狙いは…ラヂオプレス(東京)が伝えた朝鮮中央放送などによると、今回の打ち上げに、北朝鮮が招待したのはAP通信、ロイター通信などの大手通信社やアメリカのCNN、イギリスBBCなど。
日本からはNHKと共同通信が呼ばれた。ブラジル、南アフリカのメディアも含まれているという。
北朝鮮側の狙いについて、コリア・レポートの辺真一(ピョンジンイル)編集長は「海外メディアに打ち上げを公開することで、自分たちが開発しているのは人工衛星だということを国際社会に認めさせるため」と分析する。
韓国メディアが入っていないことについて、韓国の関係者は「朝鮮戦争は『休戦中』のままで、敵国にミサイル技術を見せるようなことはしない」と話した。
(2012年4月9日16時46分 読売新聞)