抒情あふれる作品集
ヴァシリー・カリンニコフ(1866-1901)はロシアの作曲家。貧困と過労、結核という病気に悩まされ、結婚しているが僅か34歳の短命でこの世を去ったので作品は数少ない。民謡風な旋律は郷愁と憂愁を帯び、一度彼の曲を聴くと心に残る。このCD盤では組曲のように思えるほど共通性を感じさせる。最高の作品は〈交響曲第1番〉。忘れがたい第1主題の旋律と第4楽章でのクライマックス。療養先で作曲されたもので、何か彼の運命を暗示させるものがあるが、明るい躍動感もある。以前、ナクソスからウクライナ国立交響楽団の演奏で〈交響曲第2番〉とともにCD発売されてカリンニコフの名前が日本でも知られるようになった。他の作品では〈交響的絵画「西洋杉と棕櫚」〉〈弦楽セレナード〉〈間奏曲第1番・第2番〉が入っている。指揮者のミケル・キュトソン(1971-)はエストニアの出身。オペラの指揮を得意とする。ドイツのMDGレーベルで、SACD・CDのハイブリッド盤。日本語の帯付きで音色に重厚感あり。
キング・インターナショナル '21/6録音 '24/1発売 5作品(8トラック) 69:47 2,513円 (輸入盤 国内通販)
ミケル・キュトソン(指揮)
ニーダーライン交響楽団(ドイツ)
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