前日の肌寒い雨も止み、今朝は朝日いっぱいの晴天となったので、ちょっと寄り道、出雲かんべの里へ行ったみた。風土記の丘寄りの尾根コース入口から登りだし、途中から雨乞い池へ向かう道を下り、蝮谷池に沿って自然観察園へ行ったが、カキツバタの花はすっかり終わって寂しい湿地に戻っていた。来月になったら、ガマの穂が見られるようになる。傍のあやめ池にはモリアオガエルの産んだ卵塊がサクラの枝にぶら下がっていた。これも来月には池に落ちたオタマジャクシが泳ぐ姿を見ることができる。
再び尾根コースに戻り、鞍部で蝮池方向へは下らず、正面の斜面を登って谷沿いの狭い道を登って行けば、広い柿畑と茶畑の大庭空山の丘陵に出る。青空の気持ち良い場所だが人の姿が見えない。市道を北に下って、途中から山に入り蝮池に出る。戒名の掘られた石碑に小銭が置かれている。ここで賽銭を見たのは初めて。とうとう谷コースを歩いて蝮谷池の大堰堤に出ると、女性ふたりがササの葉を採っていた。粽ちまき作り用のササのようだが、端午の節句は既に終わったはず。子供時代に粽作りを手伝ったことを思い出した。
あやめ池 モリアオガエルの卵塊
空山の耕作放棄地のひとつ 大山・雨乞山・京羅木山・星上山が見える
樹に寄りかかっている地蔵の頭は地面に
今年初めて見たササユリ 背を向けて咲いている
蝮谷池の大堰堤から見た市立病院方向の市街地と松江北山
映画音楽の巨匠によるクラシック作品は半音階音楽
ジョン・ウィリアムズ(1932-)は映画音楽作曲者として有名だが、クラシック音楽になると半音階の作品ばかり。〈ヴァイオリン協奏曲第1番〉も半音階で、聴くと、早朝の人気無いビル群の白々しいコンクリートの無機質な壁を眺めているような気分になる。私は歌を感じさせてくれる曲が好きなので、こういう旋律は苦手である。前の亡き奥さんに捧げた作品というが、お墓の奥さんはこんな旋律を楽しめただろうか...。彼は映画音楽の作曲者だからといってクラシックも同じ、とは限らない。ご用心!
もう一曲はレナード・バーンスタイン(1918-1990)の同じような半音階の作品〈セレナード~プラトンの「饗宴」による〉。まあ、いわゆる前衛音楽のような超退屈な音楽ではなので聴けないことはないが、やっぱり苦手。ヴァイオリン・ソロはカナダのジェームズ・エーネス(1976-)。ペンタ―トン・レーベルで、デジパック仕様盤。演奏も音質も良い。
キング・インターナショナル '23/1・'19/11録音 '24/3発売 2,361円 2作品(8トラック) 61:30 (輸入盤 国内通販)
ジェイムズ・エーネス(ヴァイオリン)
ステファヌ・ドゥネ―ヴ(指揮)
セントルイス交響楽団(アメリカ)
経塚山きょうづかやま 281m
5/11 晴れ 出発地:安来市広瀬町下山佐 鍋谷 経塚山登山用駐車場 約90m
今日の松江は最高気温が30度になるという予報。経塚山の登山道が整備されているのを知り、10年ぶりに北側から初めて登ることにした。国道432号線で広瀬、県道45号線で下山佐の下山佐交流センター先の三叉路を右折して鍋谷に向かう。県道から1.2km奥へ,、道路にすれ違い場所があるが、奥へ進むにつれ、だんだん狭くなってくる。経塚山専用駐車場に車を置き、直ぐ先にある道標から木の小橋を渡り、川に沿う草道を10mばかり行くと林道に出る。左手の木造の橋は崩落しているので迂回路になっている。右の未舗装林道を歩く。10年以上前にブルドーザーで造られた林道なので今は雑草が生えており、途中に脇道の林道が幾つかあるが、道標が見当たらないので注意して進む。テープを付けて歩くと帰り道が迷わなくて済む。やがて奥のカーブの所で、林道脇の木に「経塚山登山口」の標識があるので林道から別れ、左の、杉と雑木林の堺にある細い尾根道を真っ直ぐ登れば「砦の礎石跡」。その先で左方向が開け、月山・大山・独松山が眺められる。更に進めば直ぐ山頂である。駐車場から25分だった。道の脇にはタニウツギが咲いていた。この花を見ると初夏を感じる。
奥に小さく見える道標が登山道入口
登山道入口 橋を渡って左へ曲がる
ここが登山口 林道と別れて尾根道を歩く
砦の礎石跡 説明板あり 左下に埋もれているのが礎石らしい
広瀬の月山方向 大山がうっすらと見える
山頂 「経塚山」についての説明板がある
説明板のアップ写真
三角点のある山(233.6m)と間違えられることが多い
こんもりした山が経塚山
タニウツギ①
タニウツギ② 白い花はヤブデマリ?
秋葉山あきばやま 243m
5/3 晴れ 出発地:出雲市小境町 一畑薬師石段入口駐車場 約59m
大型連休のこの日は、一畑薬師近くの秋葉山に出かけてみることにした。湖北の国道431号線で一畑口に向かい、ここから右折して県道23号線に入る。一畑薬師の参道入口にある駐車場に車を置き、北へ歩き出す。200mほど歩くと「魚瀬おのぜ →」の標識があるので右折して舗装道路を進む。野郷町のざとちょうに入ると、道路から外れた斜面にある人家。囲いの中の山羊さんがこちらをじっと見ている。目と目の間が遠いが、にらめっこする。集落入口の道路を左折、少し山に向かって歩き出すと右側に畑神社。ここを過ぎると倉庫があり、道標の指示に従って林道に入る。道路右側にある最初の池を過ぎると登山口。駐車場からここまで30分弱。竹林と杉林の中に参道があり、しっかりした道が続く。最後の道標を左折して100段ほどの古い石段を登れば山頂、10分で秋葉山神社に着いた。樹々の間から斐伊川河口と出雲平野、三瓶山、西向かいの山に一畑薬師、東方角の山々も見える。神社裏山に入ってみると、イノシシが掘り返した地面にはフンも転がっていた。
下山して駐車場に戻ると、停車した車から登山姿の中年の女性二人に声を掛けられる。これから長~い石段を登って一畑薬師に行くという。秋葉山に登ってきた話をすると「一畑薬師にも秋葉山があります」。私が登った山が「秋葉やま」なのか「秋葉さん」なのか近くに住む人に聞いたけれど「その山に登ったことがないので知らない」そうで、取りあえず「あきばやま」としておいた。
山羊さんがこちらをじっと見ている
正面の山が秋葉山
登山口近くの林道には花が咲いていた
登山口 右に入る
左に曲がると石段が続く
石段が終われば秋葉山神社
斐伊川河口と出雲平野 右手後方に霞んで見えるのが三瓶山
向いの山に一畑薬師の建物が見える
勇壮な〈《軽騎兵》序曲〉でお馴染みのスッペの作品集
フランツ・フォン・スッペ(1819-1895)はオーストリア帝国時代のダルマチア、今のクロアチアで生まれた作曲家であり指揮者。オペレッタやバレエ音楽を作曲、劇音楽でも200近く作曲しているらしいが、現在ではそのうちの僅かしか演奏されていない。オペレッタは、以前は「喜歌劇」と日本語表記されていたが、必ずしもハッピーエンドで終わらない作品もあって、「劇音楽」「劇付随音楽」と呼ばれるようになってきた。このCD盤は〈劇音楽《詩人と農夫》序曲〉で始まるが、演奏して1分過ぎると2分ほどのチェロによるソロがあり、これが素敵なメロディを奏でてくれる。最後に演奏される〈劇音楽《ウィーンの朝・昼・晩》序曲〉との間に〈交響的幻想曲〉なる曲が入っているが、世界初録音で、一聴してスッペらしい曲調の楽しめる作品である。曲名が「ファンタジア」となっているので「幻想曲」と訳されているが、「形式にとらわれない、気のおもむくままに」作曲したという意味だそうな。指揮しているルードナーは何度も来日しており、日本人指揮者である佐渡裕は来年までこのオーケストラの音楽監督を務めることになっている。聴いて明るく洒落っ気あり、元気が出るようなスッペの音楽であるが、最近は吹奏楽でも演奏を聴かなくなっていて寂しい気もする。ナクソス・レーベル。
ナクソス '22/10録音 '24/1発売 4作品(7トラック) 63:40 1,651円(輸入盤 国内通販)
オーラ・ルードナー(指揮)
トーンキュンストラー管弦楽団・ニーダーエースターライヒ(州名が入るのが正式名称)
(オーストリア)