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セイピースプロジェクトのブログ

裁判傍聴報告 海南島「慰安婦」裁判

2009年01月09日 | ニュース紹介
先月25日、東京高裁で海南島戦時性暴力被害訴訟の裁判が行われました。
この裁判は、戦時中、中国海南島で日本軍の戦時性暴力の被害にあった8人の被害者の方が2001年に起こしたものです。
最後の「慰安婦」裁判といわれていることもあり注目されていて、今回の裁判では平日の昼間であるにもかかわらず100人近くの方が傍聴に来ていました。

小さな法廷であったため、半分くらいの方は法廷内に入ることができず、法廷の外から裁判の様子を見守りました。
私も中に入ることができなかったのですが、運良く中に入れた方に報告文をお願いしたところ快くOKしてもらいました。
以下、その方の裁判報告です。

今回の裁判では、原告の方が来日され本人尋問という形で証言され、結審を迎えました。


―――裁判報告――― 

証人尋問が始まってから30分程経っただろうか。原告の陳金玉さんは涙に喉をつまらせ、証言を続けることができなくなってしまった。それまでに彼女が証言してくれた被害はこうだ。

最初に被害にあったのは14歳の時、父母の目の前で三人の日本兵に強姦された。その後日本軍駐屯地に拉致され、逃亡に失敗した彼女は日本刀の上で腕立て伏せをするという拷問を受ける。そして三ヶ月の間、ろくに食事も与えられないまま監禁され、毎日のように日本兵に強姦された・・・

このような証言をすること自体が彼女にとって大きな負担となる。だがそれだけではない。今回の来日にあたって彼女は、また同じ加害者に強姦されるのではないか、日本人に何かされるのではないか、という恐怖で眠ることができなかったという。

このように、来日して証言台に立つことは陳さんに多大な精神的負担を強いる。しかしそれでも彼女を法廷に向かわせたものはなんだったのか?

“若い人達に被害の実態を伝えたい。二度とこのようなことは起こってほしくない。”

彼女の受けた性暴力、心身に未だに残る後遺症、60年以上の寝苦しい夜、周囲の人からの中傷…自分が体験してきた苦しみをもう二度と誰も味わわないようにと、陳さんは願っている。


彼女の勇敢な声に耳を傾けながら、私たちがただ座視している理由はない。様々な裁判支援活動に参加することで彼女の手助けをすることができる。

裁判の支援団体のハイナンNETは裁判の前日に東京高裁の前でキャンドルナイトを開催した。20人余りの人々がキャンドルを片手に横断幕・看板・ビラで裁判官へのアピールを行った。裁判の日の夜には裁判の報告集会が行い、弁護団から裁判についての説明や、海南島を訪問した様子を映したビデオ放映があった。そして会の最後には陳金玉さんが見え、裁判に際しての心労を語るとともに弁護団や支援者への感謝を表明された。裁判傍聴も支援の一環である。傍聴者の数が裁判官の態度を左右するからだ。


この戦時性暴力被害訴訟は一審では敗訴している。被害の事実は認定されたものの、国家無答責の法理および除籍期間を理由に原告の請求は退けられたのだ。二審での判決はどうなるのか?09年3月26日の判決の日には、ぜひ皆さんに法廷に足を運んでいただきたいと思う。

―――――――――――――――

報告文にもあるとおり、判決は3月26日です。
原告の陳金玉さんは、今回の裁判では裁判官は自分の証言をよく聞いてくれたと話していました。
どのような判決がでるか、注目しましょう。

(トン)

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