Say Anything!

セイピースプロジェクトのブログ

【ニュース紹介】大阪朝鮮学園が補助金不支給の取り消し求め大阪府市を提訴へ

2012年09月12日 | 朝鮮学校
 「高校授業料無償化」からの除外に影響を受け、各地で朝鮮学校に対する補助金が停止されている問題で、大阪朝鮮学園が大阪府と大阪市を提訴することになりました。

「大阪朝鮮学園、府市提訴へ 補助金不支給の取り消し求め」(朝日新聞、2012年9月1日)
 学校法人「大阪朝鮮学園」(大阪府東大阪市)は9月半ば、朝鮮学校に補助金を支給しないとした大阪府と大阪市の決定の取り消しと支給の義務づけを求める訴えを大阪地裁に起こす。原告側弁護団が31日、取材に対し明らかにした。
 訴状で原告側は、府知事だった橋下徹・現大阪市長が2010年3月に示した補助金支給の4要件に言及。「故金日成(キム・イルソン)主席らの肖像画を教室から外す」「在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と一線を画す」といった要件を理由とした不支給について「恣意(しい)的だ」と指摘する。
 そのうえで、政治的理由のみに基づく▽日本も批准した国際人権規約の民族的マイノリティー(少数者)の教育権を侵害する▽憲法14条の法の下の平等にも反する――などとして「裁量を逸脱し、違法だ」と主張する方針だ。

 大阪府は、2009年度に府内の朝鮮学校に対して計約2億円の補助金を支給していました。しかし、「無償化」問題が持ち上がると、当時の橋下府知事は4項目の支給要件を提示(学習指導要領に準じた教育の実施、朝鮮総連と一線を画す、財務情報の公開、金正日総書記らの肖像画を教室から外す)、2010年度の大阪朝鮮高級学校に対する補助金約1億円が不支給となりました。さらに、新しく就任した松井府知事は、それまで問題とされていなかった職員室の肖像画を問題視しはじめ、同年12月には、府内9校の朝鮮初中級学校に対する補助金約8300万円を1校分約800万円に減額する補正予算案が府議会で可決されています。また、橋下市政下の大阪市もこの動きに同調、今年3月には市内8校の朝鮮初中級学校に対する補助金として予算計上されていた計2700万円の執行が、市長の権限によって停止されました。

大阪府や大阪市が準拠しているという4つの条件は、私学教育に対する、政治的な理由に基づく恣意的な介入といわざるをえません。また、ただでさえ「1条校」よりも著しく低い水準にとどまっている公的補助の削減は、諸国際人権条約の要請する「民族教育権」の保障に明らかに反するものです。さらに、国が一貫して消極的な立場をとるなかで、地方自治体の判断で各種学校認可が行われ、補助金が支給されてきたという歴史にも逆行しています。大阪府、大阪市は、裁判の判決を待つまでもなく、支給を再開すべきであることは、いうまでもないでしょう。

最新の画像もっと見る