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朝鮮学校補助金交付取消訴訟 兵庫県と神戸市争う姿勢(2012年6月27日、msn産経ニュース)

 朝鮮学校に対する補助金支出が違法だとして自治体が訴えられている裁判で、兵庫県、神戸市側が争う姿勢を見せました。以下、ニュースの引用です。


「「救う会」の朝鮮学校補助金交付取消訴訟 兵庫県と神戸市争う姿勢」(msn産経ニュース、6月27日 
 朝鮮学校に補助金を支出しているのは違法として、北朝鮮拉致被害者・家族の支援組織「救う会兵庫」の長瀬猛代表が兵庫県と神戸市を相手取り、補助金交付決定の取り消しを求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が26日、神戸地裁(栂村明剛裁判長)であり、県、市のいずれも争う姿勢を示した。
 答弁書では、県は「(朝鮮学校は)高校などと同様に活動し、ほかの外国人学校と同様に扱っている。補助金の交付決定に違法とされるべき瑕疵はない」、市は「請求は理由がない」と主張した。
 この日は長瀬代表が意見陳述を行い、「朝鮮学校は北朝鮮の意を受け、反社会的な活動に携わっており、県も市も実態把握を怠っている」と訴えた。(引用終り)


 ほかにも福岡県や札幌市に対して、同様の訴えが起こされているようです(msn産経ニュース、4月17日)。また、2010年の朝鮮学校「高校無償化」除外問題を契機に、東京都や大阪府などで、補助金を打ち切る動きがみられています(この動きについては、SAY-Peace Journal「朝鮮学校への補助金停止問題」を参照)。今回の兵庫県と神戸市の姿勢は、この流れに歯止めをかけるものだということができるでしょう。

 そもそも、自治体が朝鮮学校に対して補助金を支給してきたのには、学校が地域社会に根差してきた歴史があります。また近年では、国際的な人権規範の向上から、子どもの教育を受ける権利を普遍的に保障するためにも、外国人学校に対する公的な財政補助が強く求められています。そのため、日本における外国人学校に対する公的支出の取り扱いについては、差別的であるという指摘が再三にわたってなされているくらいです(たとえば、2010年3月「第3回〜第6回政府報告に関する人種差別撤廃委員会の最終見解」パラグラフ22(d) ※引用は外務省仮訳)。補助金を打ち切ろうとする流れは、国際人権法に照らしても、およそ認められるものではありません。

 さらにいえば、朝鮮学校に対する補助金は、公の支配に属しない教育事業への公金支出を禁じた憲法89条に違反するものであるとする原告側の主張は、学校教育法上の各種学校にあたる朝鮮学校について採用することができません。むしろ、教育基本法8条がいうように、私立学校については、自主性の尊重と公的助成等による振興が図られなければなりません。

外国人学校に対する補助金は、国際人権法はもとより、日本の国内法レベルでも、当然に認められているばかりか、むしろ奨励されています。また、最終的には、日本学校と同じ水準の取り扱いが達成されるべきだといえるでしょう。兵庫県や神戸市のように、自治体には、このような原則に立ち返って、毅然とした判断を行う責務があります。