高須台 渡辺 ピアノ/オカリナ教室

大人から子どもまで楽しく

月夜のみみずく

2018年01月18日 | 物語と音楽

朗読とリコーダーとピアノのための音楽物語

「月夜のみみずく」

ヨーレン 詩  工藤直子 訳

平島勉 音楽 戎博志 編

トヤマ出版

 リコーダーとピアノと朗読のための曲集をご紹介します。「月夜のみみずく」(ヨーレン 詩 くどうなおこ 訳 ショーエンヘール 絵  偕成社)という絵本をもとに、リコーダーとピアノの演奏にあわせて朗読をするように作曲されています。おそらく小学校低学年ぐらいの女の子が、お父さんと一緒に雪の積もった夜更けの森へ、みみずくを探しに行くおはなしです。森の静けさや空気の透明さや雪の冷たさなど、感覚的なことが伝わってくるような詩に、さらに音楽が加わることによって、実際に夜更けの森にいるような感じがしてきます。

 今年7月のリコーダーアンサンブルカノン定期演奏会にて、演奏できればと思っています。お客様に、冷たい夜更けの森にいるような感覚をもっていただけるような演奏ができればよいのですが。そういえば定期演奏会は夏でした。季節的に難しいでしょうか?はてさて、どうなることやら・・・。

 

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スノーマン

2012年12月25日 | 物語と音楽

  先日、アニメーションの「スノーマン」をみました。原作はイギリスの絵本作家、レイモンド・ブリッグズの絵本で、言葉のない絵本です。そして、それをもとに作られたアニメーションにも言葉がありません。映像と音楽のみですが、あの美しい映像と音楽があれば言葉はいらないという感じです。音楽を担当しているのは、イギリスの映画音楽作曲家ハワード・ブレイクという人で私は詳しくは知らないのですが、映画音楽の他にもクラシックも作曲していたり、映画音楽を弦楽に編曲していたりするようです。
 アニメーションの中で主人公の男の子がスノーマンと一緒に空を飛ぶシーンで流れるのが「ウオーキング・イン・ザ・エアー」で、美しいけれども少し物悲しい感じがしました。空をとんでわくわくしているというよりも、幻想的で寒い世界を表しているような。「どこへ行くんだろう?」というような男の子の不安な気持ちも表現しているような気がしました。そして、たどり着いた所はスノーマンたちのパーティー会場。音楽はガラッと変わって楽しい雰囲気になります。あの物悲しい音楽で少し不安な気持ちにさせておいて、次の場面でうんと楽しい音楽を聴かせる。そのことによって観ている人は物語の世界へどんどん引き込まれていくような気がします。音楽の力ってすごいなぁ!と思いました。そして、スノーマンと一緒に男の子の家へ戻ってくる場面では、「ウオーキング・イン・ザ・エアー」の物悲しい旋律が長調へ転調され、安心感と暖かさを感じるような曲に変身していました。主人公の男の子が知らない世界へ行く不安感と、家へ戻ってくる安堵感を同じ旋律でうまく表現しているなぁ、と思ったのでした。美しい映像と美しい音楽で幸せな気分になれた作品でした。

 

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物語と音楽 3 「こいぬのうんち」

2012年10月18日 | 物語と音楽

今日は物語のために作曲された曲集を1つご紹介します。

朗読とピアノのための音楽童話
「こいぬのうんち」

作曲 寺嶋陸也
文  クオン・ジョンセン
絵  チョン・スンガク
訳  ピョン・キジャ
(全音楽譜出版社)

韓国の同名の絵本に曲をつけたものです。朗読の間に演奏がはさまるような感じになっていますが、朗読と演奏が同時進行する場面も何か所かあり、「朗読とピアノのアンサンブル」といった感じです。
 お話のおおまかなあらすじはこうです。こいぬのうんちは、すずめから「うんちだ。きたねぇ。」と言われショックをうけます。春になってこいぬのうんちのそばにたんぽぽの芽が出て、たんぽぽがきれいな花を咲かせるためには、水と陽の光ともう1つ必要なものがある。それはうんち君がとけて肥やしになってくれることだ、と言います。こいぬのうんちはとても嬉しくなり、たんぽぽの芽をぎゅっと抱きしめたまま雨にうたれ、とけて肥やしになりました。そして、暖かい春の日にたんぽぽの花が咲きました。
 演奏してみると、物語が映像となって目の前に広がってくるような曲ばかりでした。テクニック的にはそれほど難しくはなく、子どもの小さい手でも演奏できるように作られています。音符もあまり多くなくシンプルなのですが、シンプルだからこそ、想像力をはたらかせる余地がたくさんあるのだと思います。
 昨年のミニコンサートで演奏しましたが、とても楽しい物語体験となりました。(今は中古品しか手に入らないようなので、残念です。)

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物語と音楽 2

2012年10月15日 | 物語と音楽

 先日はお話の情景が思い浮かぶような曲がすきです!というお話をしました。今日は随分昔のことですが、Sちゃんのピアノのレッスンでとても印象に残っていることをお話します。

 「搭の時計」というわずか12小説の曲をレッスンしている時のことです。ちゃんと最後までひけました。でも、ちゃんと最後までひいただけだったなぁ、と思いました。そこで、Sちゃんに聞いてみました。「この時計の搭はどこにあると思う?山かなぁ、街かなぁ?」。Sちゃん少し考えて「街だと思う」と言いました。 そして私が「今は朝かなぁ、お昼かなぁ、夜かなぁ?」と聞くと、すかさず「夜だと思う!」と言いました。夜にもいろいろあるので、「人がたくさん歩いている時間?それとも夜遅くて、シーンとしている時間?」と聞いてみると、すぐに「人がいっぱいいる時間。わいわいしているよ」とこたえました。Sちゃんの頭の中には、もう情景が思い浮かんでいるようでした。そして、もう一度ひいてみると、音が変わっていました。弾き方の指導は何もしていないのに、明らかにさっきとは音色が変わっていたのです。こどもの想像力はすばらしいですね!自然に音色を変えることができるのですから!

 

 

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物語と音楽

2012年10月13日 | 物語と音楽

 私は公民館で、絵本を中心としたお話会をする活動をしています。絵本や紙芝居だけでなく、手遊びやわらべうたで遊んだり、パネルシアターや指人形を作ってお話したり、楽しいと思うことはどんどん取り入れて、おはなし会のプログラムを作っています。

 10月の終わりの公民館まつりでは、「むかしばなし」をテーマにお話会をします。プログラムのメインは、パネルシアターによる「かさじぞう」です。メンバー全員で作った力作です。今年はキーボードを使って、BGMや擬音を入れてみようということになりました。音楽担当は私です。オープニング、場面が変わる時、特に印象深い感情を表現したい時にBGMを入れることにしました。「かさじぞう」は日本のむかしばなしの定番ですから、日本人が作曲したものがよいかと思い、中田喜直 作曲 「こどものピアノ」 (音楽之友社)をみてみました。まずはオープニングの曲をえらびます。これからお話がはじまる、何かが起こるという予感をかんじさせるようなものがよいかと思いながら、「わらべうた」をひいてみました。静かながらも、予感を感じさせるものがありました。しかも、弾いている間に、おじいさんが笠をあんでいるところや、おじいさんとおばあさんが畑を耕しているところがうかんできました。この曲をきいてどんな映像を思い浮かべるのかは、人それぞれだと思いますが、想像力を刺激してくれる曲だなぁと思いました。オープニングはこれに決まりです。このようにしてそれぞれの場面にあった曲をえらんで、最後の曲を弾き終えた時には満足感でいっぱいでした。お話の世界を旅して戻ってきたような感じです。

 私は、物語や風景が映像となって浮かんでくるような曲が大好きです。物語と音楽は密接な関係があるんですね。

 

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