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歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

雨降りの眼、星座の実

2011年05月30日 | 徒然 -tzure-zure-
なにやら 前倒し気味の梅雨入り。ということで、

雨に次ぐ雨、しとしと、続きますね。やぁですね。

、、なんて、書くんだろうと思っていたら、



晴れてしまいました。

今日の、お昼休みのこと。





にわかに晴れて来たのが、ちょうどお昼休み寸前で

「あ、

これはもしかして、ラストチャンスかも!」と思って、



近くの浅間山(せんげんやま)公園へ。




もう、そろそろ行っとかないと、無くなっちゃうだろうな、と
うすうす焦っていたのです。

っていうのは、何のことか?、というと、



ムサシノキスゲ。この花のこと。

去年、
この里山そのまま残した公園のことを初めて知ったのは、6月。
もうこの珍しい花は、絶えて無かったのでした。

だから、今年こそは、と。秘かに想っていたのでした。


いざ来た この五月、

黄色い その花の色姿を、
車で たちまち往き過ぎる遠目には、認めていたのですが、

忙しさに、振り回されているうちに。


紫陽花も膨らみ出してしまった。


そして、
今日。





ギリギリで、間に合ったようでした。


しかし おおかたは、この勇み足の梅雨のせいか、
すでに花を落としていましたが。





ついでに、
ランチのひまも惜しんで、
山をひとまわり。




気持ちのよい、雨上がりの森。




完璧な、森の風景。

森の風景は、どこを切っても、大概、完璧だ。






緑に降り注ぐ光。



木立に、下草に。

緑の蔭に。
降り注いでは、緑に染まる光の色。

森の色。






水のたまる泥道に落ちる、
光の影。




影の中に、花。
白いドクダミ。




木立にまぎれて、紅い実。





雨あがり。




そこら、ここらに、
小さな水のたまり。





大きな水のたまり。




小さな川になった道。




ちいさな光の粒のたまる、
ちいさな水の流れ。




水の流れの、往く道、来し方。




降り注ぐ光の先。




はじけるような、光のたまり。




あ、




実。



あ、





ここにも、そこにも。


雨のせいか、


この道には、
そこらここらに、落ちてる。




なんか、

星みたい。

星座みたいだな。

って、ふと想った。






ランダムにちらばる感じ、

それぞれバラバラに散っているけど、
写真の枠に切り取ると、
ひとつになる。

ひとつの「関係」が生まれる。
ひとつの形をもち、
ひとつの意味をもつように見えるようになる。

つまり、
ひとつの「星座」みたいになる。


それぞれは
いたってバラバラなのに、

ひとつの、何らかの意味を成す星座みたいに。


まあ、

そんなことはさておき、



ちょっとかじってみた。



ちょっとすっぱかったけど、

どうやら、サクランボの味。










さて、

と。


森を出る。


すると



森のすそにも ぽつぽつと。




野イチゴ。




誰も眼をつけない、

秘密の野いちご畑、発見。


ヘビイチゴかな。どっちだっけ。



が、

目の前に広がる花に気を取られてか、

確かめそびれた。



ちなみにこれは、コレオプシスだっけ。

キク系。




黄色い花は、光をいっぱいに染み込ませる。







サツキ。

いつしか見馴れ過ぎてしまったか、まったく気にも留めなくなって、
カメラを向ける気も起きないほど無礼つかまつっておったが、

まだ、咲いてくれている。


確かにまだ、ぎりぎり、五月である。





お昼休みは、たちまちに終る。

急ぎたくないが、急ぐ。


急ぎたくないので、やや、急ぐ。




キミドリを薄く残した、白いあじさいの、開きかけた つぼみ。

眼をとめる。

足を止める。



まだ幼い。


でも




薄く桃色に色づき始めたひとつを、見つけた。



もうすぐ、大きく色づく。

六月の印。





この後、

風がまた劇しくなってきて、

天はじわじわ蒼く暗くなってきて、



あ、

あれは「台風の目」みたいな時間だったんだなと、気づいた。

台風じゃなくなって、温帯低気圧になったんだっけ。

雨降りの眼。



夕方が近づき、

風は いよいよ強く、
東の雲には、妙に明るい紫が混じっていた。


温帯低気圧だかなんだかに変わったという、台風2号の、

名残りの色。


やや風にあおられながら、

眠たい眼で、帰る。


梅雨の日々は、どうしてか、

どうにも眠い。眠たい。

寝ても寝ても、眠たい。



低気圧のせいかしら。





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