数は結構不思議なものだ。
数で表されると分かりやすい。
昨日,県内の公立高校の志願者登録数が発表されたので,高校入試の例で考えてみる。
入試は3月5日に行われるので,「もう直前だ」というよりも,「残り34日」と数字で表されれば期間が具体的に見えてくる。
しかし,そうでもないときがある。
13948人が定員といわれてもよく分からないが,それが「記録が残っている中では過去最低」と説明されると,その数字の持つ意味が見えてくる。
データなどを示す時も,「茶は,静岡県,鹿児島県,京都府での生産が盛んだ。」と言われるよりも「1位静岡 2位鹿児島 3位京都」と数字を交えると説得力も増すように思える。
歴史の学習においても,年号を覚えることはあまり本質ではないと言われているが,時代の流れをつかむ上で年号が分かれば分かりやすいし,説明の際にも年号を用いた方が分かりやすい。
このように数で示されることで,あるいは示した数に説明を加えることで説得的に説明ができるし,説明された側も何となく説得力のある説明を聞いているように思う。
ただし,数で示されることで見えにくくなってしまうこともあるように思う。
自転車が関連する交通事故は全事故の2割を占めているそうだ。そのような現状の中で,昨年,改正道路交通法が施行された。自転車の歩道通行に関する記述が特に目立つ。ここまでから判断できることは,「自転車が歩道を無秩序に走っていること」が事故の原因のように思える。
しかし,自転車の事故の相手を見てみると,自転車の事故は8割以上が自動車相手の事故であり,さらに対二輪車の件数も足すと9割弱になるようである。つまり,今まで法律を知らずに,歩道を走っていた者が,車道を通行するようになればなおさら事故は増えるようにも思えてしまう。もっとも,対歩行者の事故も10年前の約5倍になっているようではあるが,割合では2%未満である。対自動車との関係を改善する方が得られる効果が得やすそうに見える。法律こそ整備されたものの,道路の現状は改善されていない。自転車が車道を通っているがために,自動車が道路の中央へ大きく寄っている交通量の多い道路もある。その場合,歩道通行の例外が適用されるのだが,その場合,自転車は徐行をしなければならず,歩行者がいれば一時停止をする必要もある。少しでも急ぐなら車道のほうがいいだろう。道路の改善無しに,対自動車の事故は増えていくのではないだろうか。
同じ数値であるはずだが,統計表をどこまで細分化してみるかでデータの解釈に差が出てくる。
数字によって人間が勘違いをすることも多い。
予備校の合格者数表記に「医学部○○人」という発表がある。
医者を目指している人がこのデータを活用する場合,この数字だけでは十分に欲しい情報が得られているとは言いがたい。医学部には医学科と看護科など複数の学科が設置されているからだ。
昨日発表された高校入試の倍率にしても,倍率が高ければ,不合格者数が増えるのは事実だが,実際の倍率は,受験しない者などが出てきてそれよりも若干下がる。自分の受ける学校が他の学校よりも倍率が高かった場合,必要以上のプレッシャーがかかってしまう。そのような場合,緊張が減る分,倍率を知らない(気にしない)方が平常心でいられるかもしれない。
数字は便利であるが,それによって案外振り回されているところもある。
数字とのうまく付き合えると,世の中の見え方が変わってくるかもしれない。
数字だけでなく,その数字の持っている意味まで考えるようにするだけでも,見方はだいぶ変わるのではないだろうか。
数で表されると分かりやすい。
昨日,県内の公立高校の志願者登録数が発表されたので,高校入試の例で考えてみる。
入試は3月5日に行われるので,「もう直前だ」というよりも,「残り34日」と数字で表されれば期間が具体的に見えてくる。
しかし,そうでもないときがある。
13948人が定員といわれてもよく分からないが,それが「記録が残っている中では過去最低」と説明されると,その数字の持つ意味が見えてくる。
データなどを示す時も,「茶は,静岡県,鹿児島県,京都府での生産が盛んだ。」と言われるよりも「1位静岡 2位鹿児島 3位京都」と数字を交えると説得力も増すように思える。
歴史の学習においても,年号を覚えることはあまり本質ではないと言われているが,時代の流れをつかむ上で年号が分かれば分かりやすいし,説明の際にも年号を用いた方が分かりやすい。
このように数で示されることで,あるいは示した数に説明を加えることで説得的に説明ができるし,説明された側も何となく説得力のある説明を聞いているように思う。
ただし,数で示されることで見えにくくなってしまうこともあるように思う。
自転車が関連する交通事故は全事故の2割を占めているそうだ。そのような現状の中で,昨年,改正道路交通法が施行された。自転車の歩道通行に関する記述が特に目立つ。ここまでから判断できることは,「自転車が歩道を無秩序に走っていること」が事故の原因のように思える。
しかし,自転車の事故の相手を見てみると,自転車の事故は8割以上が自動車相手の事故であり,さらに対二輪車の件数も足すと9割弱になるようである。つまり,今まで法律を知らずに,歩道を走っていた者が,車道を通行するようになればなおさら事故は増えるようにも思えてしまう。もっとも,対歩行者の事故も10年前の約5倍になっているようではあるが,割合では2%未満である。対自動車との関係を改善する方が得られる効果が得やすそうに見える。法律こそ整備されたものの,道路の現状は改善されていない。自転車が車道を通っているがために,自動車が道路の中央へ大きく寄っている交通量の多い道路もある。その場合,歩道通行の例外が適用されるのだが,その場合,自転車は徐行をしなければならず,歩行者がいれば一時停止をする必要もある。少しでも急ぐなら車道のほうがいいだろう。道路の改善無しに,対自動車の事故は増えていくのではないだろうか。
同じ数値であるはずだが,統計表をどこまで細分化してみるかでデータの解釈に差が出てくる。
数字によって人間が勘違いをすることも多い。
予備校の合格者数表記に「医学部○○人」という発表がある。
医者を目指している人がこのデータを活用する場合,この数字だけでは十分に欲しい情報が得られているとは言いがたい。医学部には医学科と看護科など複数の学科が設置されているからだ。
昨日発表された高校入試の倍率にしても,倍率が高ければ,不合格者数が増えるのは事実だが,実際の倍率は,受験しない者などが出てきてそれよりも若干下がる。自分の受ける学校が他の学校よりも倍率が高かった場合,必要以上のプレッシャーがかかってしまう。そのような場合,緊張が減る分,倍率を知らない(気にしない)方が平常心でいられるかもしれない。
数字は便利であるが,それによって案外振り回されているところもある。
数字とのうまく付き合えると,世の中の見え方が変わってくるかもしれない。
数字だけでなく,その数字の持っている意味まで考えるようにするだけでも,見方はだいぶ変わるのではないだろうか。