文芸春秋発行のNumber671号”日本サッカー・2007年の設計図”に掲載されてあった、オシム監督のインタビューは非常に興味深かった。
インタビュアーは、年間200日以上を国外で過ごすという、欧州サッカーに造詣が深いジャーナリストの杉山茂樹さん。現地で絶えず最新のサッカーに触れている杉山さんが、稀代のサッカー戦略家である日本代表監督に話を聞くとなると、これは見逃すわけにはいかない。
実際にインタビューの内容は、2006年度の代表チーム総括から、オシム監督のチーム作りのロジック、はたまた中村俊輔の起用法まで多岐に渡り、期待に違わぬものだった。
そのなかでも個人的に注目すべきと感じたのは、今後期待する若手に関しての件(くだり)だった。
オシム監督に、期待できる若手は誰かと逆質問された杉山さんは、ふたりのサイドアタッカーの名前を挙げた。
――家長(・昭博、ガンバ大阪)、水野(・晃樹、ジェフユナイテッド市原千葉)はどうでしょう。最近サイドアタッカーに良い選手が増えています。
オシム監督は彼らをこのように評した。
「センタリングが好きな選手ばかりだ。注目すべきは決定力なのだけど、みんなゴール前に飛びこんでいくことが好きではなさそうに見える。水野は、山岸(・智、ジェフユナイテッド市原千葉)より魅力的に見えるかもしれない。でも、いまのところ山岸の方が走っている。ディフェンス面でも優れている。ゴールにも迷わず突き進んでいる。ゴール前で良いジャンプもできる。水野は魅力の高さでは一番かもしれない。しかしどれくらいゴールを奪っているのか。息子のアマル(・オシム監督、ジェフユナイテッド市原千葉)に聞いてみてくれ(笑)」
家長や水野のような素晴らしい技術を持った若手選手となると、思わず手放しで賞賛したくなるけど、オシム監督の見方は異なるようだ。家長なんかは、そう遠くない将来、A代表からの召集状が送られてくると思うんだけど、オシム監督が安易に若い選手を褒めることはない。「満足しない方が良い。そうした姿勢でいなければ、進歩はない」というお馴染みの発言は、このインタビューの中でも見受けられた。
誤解しがちだけど、サイドアタッカーを評価する基準は、どのくらい華麗な足技をみせたかや、どれだけセンタリングを上げたかといったことにはない。
肝心なのは、どのくらい相手に致命的なダメージを与えたかだ。10本のセンタリングからアシストをひとつ記録するより、3度ゴール前に飛び込んで2つゴール奪えれば、そのほうが遥かに重要な仕事をしたことになる。サイドアタッカーはクロスを上げて満足するのではなく、自らゴールを狙いにいかなければならない。
少なくともオシム監督はそう考えている。
Jリーグで2年連続18ゴールを挙げた点取り屋の佐藤寿人が、代表チームではウイングとして起用され続けるのはこのためだ。佐藤の得点力を考えれば、この起用法に抵抗を感じるひとも多いだろうけど、オシム監督はサイドアタッカーとしての佐藤を、若いふたりのウインガーよりも高く評価している。
もちろん、ドリブルやクロスの質といった技術では、専門家の若手ふたりの方に分があるわけだけど、佐藤は彼らと同じくらい俊敏で、ゴールに突き進む野心がずっと旺盛で、さらにペナルティ・エリアに入ればおそらく日本最高の選手だからだ。センターフォワードよりもゴールから遠ざかるこの役割を、佐藤が好んでいるとは思えないけれど、チームとしては対戦相手に大きな脅威を与えることができる。
************
今回のインタビューが実に興味深く、そして日本サッカー界にとって重要だと思えるのは、オシム監督の率直な意見を数多く引き出すことに成功しているからだ。
家長や水野はこのインタビュー記事をきっと目にすることだろう。もしくは人づてに聞くことになるかもしれない。どちらにせよ、ふたりの若手が日本代表のレギュラーを目指すならば、来シーズンのJリーグではもっとペナルティエリア内に飛び込んで、積極果敢にゴールを狙っていく必要がある。
「日本独自のサッカーを創りあげる」
オシム監督は代表監督に就任してから、一貫してこう宣言し続けている。
さすがに壮大な目標を立てるだけあって、その活動範囲はピッチの上だけに留まらないようだ。日本サッカーにとっては、なんともありがたいことではないだろうか。
インタビュアーは、年間200日以上を国外で過ごすという、欧州サッカーに造詣が深いジャーナリストの杉山茂樹さん。現地で絶えず最新のサッカーに触れている杉山さんが、稀代のサッカー戦略家である日本代表監督に話を聞くとなると、これは見逃すわけにはいかない。
実際にインタビューの内容は、2006年度の代表チーム総括から、オシム監督のチーム作りのロジック、はたまた中村俊輔の起用法まで多岐に渡り、期待に違わぬものだった。
そのなかでも個人的に注目すべきと感じたのは、今後期待する若手に関しての件(くだり)だった。
オシム監督に、期待できる若手は誰かと逆質問された杉山さんは、ふたりのサイドアタッカーの名前を挙げた。
――家長(・昭博、ガンバ大阪)、水野(・晃樹、ジェフユナイテッド市原千葉)はどうでしょう。最近サイドアタッカーに良い選手が増えています。
オシム監督は彼らをこのように評した。
「センタリングが好きな選手ばかりだ。注目すべきは決定力なのだけど、みんなゴール前に飛びこんでいくことが好きではなさそうに見える。水野は、山岸(・智、ジェフユナイテッド市原千葉)より魅力的に見えるかもしれない。でも、いまのところ山岸の方が走っている。ディフェンス面でも優れている。ゴールにも迷わず突き進んでいる。ゴール前で良いジャンプもできる。水野は魅力の高さでは一番かもしれない。しかしどれくらいゴールを奪っているのか。息子のアマル(・オシム監督、ジェフユナイテッド市原千葉)に聞いてみてくれ(笑)」
家長や水野のような素晴らしい技術を持った若手選手となると、思わず手放しで賞賛したくなるけど、オシム監督の見方は異なるようだ。家長なんかは、そう遠くない将来、A代表からの召集状が送られてくると思うんだけど、オシム監督が安易に若い選手を褒めることはない。「満足しない方が良い。そうした姿勢でいなければ、進歩はない」というお馴染みの発言は、このインタビューの中でも見受けられた。
誤解しがちだけど、サイドアタッカーを評価する基準は、どのくらい華麗な足技をみせたかや、どれだけセンタリングを上げたかといったことにはない。
肝心なのは、どのくらい相手に致命的なダメージを与えたかだ。10本のセンタリングからアシストをひとつ記録するより、3度ゴール前に飛び込んで2つゴール奪えれば、そのほうが遥かに重要な仕事をしたことになる。サイドアタッカーはクロスを上げて満足するのではなく、自らゴールを狙いにいかなければならない。
少なくともオシム監督はそう考えている。
Jリーグで2年連続18ゴールを挙げた点取り屋の佐藤寿人が、代表チームではウイングとして起用され続けるのはこのためだ。佐藤の得点力を考えれば、この起用法に抵抗を感じるひとも多いだろうけど、オシム監督はサイドアタッカーとしての佐藤を、若いふたりのウインガーよりも高く評価している。
もちろん、ドリブルやクロスの質といった技術では、専門家の若手ふたりの方に分があるわけだけど、佐藤は彼らと同じくらい俊敏で、ゴールに突き進む野心がずっと旺盛で、さらにペナルティ・エリアに入ればおそらく日本最高の選手だからだ。センターフォワードよりもゴールから遠ざかるこの役割を、佐藤が好んでいるとは思えないけれど、チームとしては対戦相手に大きな脅威を与えることができる。
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今回のインタビューが実に興味深く、そして日本サッカー界にとって重要だと思えるのは、オシム監督の率直な意見を数多く引き出すことに成功しているからだ。
家長や水野はこのインタビュー記事をきっと目にすることだろう。もしくは人づてに聞くことになるかもしれない。どちらにせよ、ふたりの若手が日本代表のレギュラーを目指すならば、来シーズンのJリーグではもっとペナルティエリア内に飛び込んで、積極果敢にゴールを狙っていく必要がある。
「日本独自のサッカーを創りあげる」
オシム監督は代表監督に就任してから、一貫してこう宣言し続けている。
さすがに壮大な目標を立てるだけあって、その活動範囲はピッチの上だけに留まらないようだ。日本サッカーにとっては、なんともありがたいことではないだろうか。
http://gut667t.blog40.fc2.com/blog-entry-3.html
映像が今、あちこちに流出しているらしく、事件解決の手がかりのひとつとなっているようだが・・・
●市川海老蔵 土下座を携帯で撮られてた!!
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