11人の侍

「生きている間に日本がワールドカップを掲げる瞬間をみたい」ひとたちの為のブログ

中沢の復帰を願うオシム

2006年09月04日 15時04分17秒 | サッカー
 オシム監督が代表チームにセンターバックをふたりしか招集しないのは、そのポジションを務めるに相応しいと認める選手が他にいないからなのかもしれない。

 後半から加地を活かすためにスリーバックに変えたけれど、左のセンターバックを務めたのは、ミッドフィルダーが本職の阿部だった。優れたマーカーであり、後方でボールを落ち着かせることができる阿部は、やはりオシム監督が率いるチームの鍵を握る選手になるだろう。ただし、対戦相手が身長の高い欧州のチームとなれば(ドイツワールドカップでも明らかになったように)、阿部よりも大柄な選手が必要とされるはずだ。

 浦和レッズでもコンビを組む坪井と闘莉王は相変わらずいい連携をみせている。余計なフリーキックを嫌うオシム監督は、ファールすることなくボールを奪える坪井のディフェンス能力を高く評価している。大事な試合で脚が痙攣したりさえしなければ、坪井は日本でもっとも信頼の置けるマーカーのひとりだ。
 対照的にアグレッシヴなプレイスタイルが売りの闘莉王は、片手に満たない代表キャップ数にして、すでに中心選手としてチームに君臨している。攻守両面において傑出した存在で、アジアカップ1次予選サウジアラビア戦の終盤で、彼の攻め上がりに最後の望みを託して、大熊コーチが叫び続けたのが印象的だった。

 オシム監督はこのふたりのセンターバックに、中沢を加えてみたいと考えているに違いない。中沢の復帰が叶えば、阿部を本来のポジションに残したまま、極めて強烈な守備壁を作り上げることができる。

 サウジアラビア戦では経験不足を露呈した。
 タフなアウェーでの戦いだったけれど、少なくとも勝ち点1は獲りたかったし、また獲るべき試合展開だった。勝敗を分けたのは、前半40分の田中のプレイだったと思う。アレックスが競ったこぼれ球に稲妻のような勢いで飛び込み、強烈なシュートを放ったけれど、ボールはわずかながらゴールの枠を外れてしまった。

 日本が2010年の南アフリカワールドカップまでになんとしても見つけ出さなければならないのは、あのシュートを確実にゴール枠に飛ばせるフィニッシャーだ。あの好機を活かせなければ、次の大会でもドイツ大会と同じ結果を繰り返すことになるだろう。
 鋭いドリブルでチャンスを作り出していた田中には、これからも数多くの出場機会が巡ってくる。田中はこの敗戦を糧に、日本代表のエースに登りつめることができるだろうか。汚名返上の機会は6日のイエメン戦に早速やってくる。