11人の侍

「生きている間に日本がワールドカップを掲げる瞬間をみたい」ひとたちの為のブログ

どのみち俊輔は召集される

2006年09月21日 21時37分19秒 | サッカー
 ガーナとの親善試合が行われる10月4日が近づいてきた。
 しかし、好調の海外組はどうやら今回もメンバーに選出されないようだ。川渕キャプテンが年内いっぱい海外でプレイする選手を招集しないことを明言したからだけど、若い世代の台頭を促すという意味で、これは悪くない決定だと思う。五輪やユース世代の選手たちが日本サッカー最高峰でのプレイを経験することは、中村俊輔がガーナとの親善試合のために帰国するようりもずっと大きな意味があるだろうから。

 それに、欧州でプレイする経験豊富な選手たちには、どのみち活躍の機会が巡ってくる。
 例えばトルコのガラタサライにレギュラーとして迎え入れられた稲本は、体格的にも、体力的にもJリーグでプレイする選手たちより明らかに強く、持ち前のアグレッシヴネスも含めてオシム監督のスタイルに完璧に合致する。フランクフルトの高原にしても同様で、コンスタントに出場機会さえ得ていれば、いずれは代表に復帰するだろう。
 オシム監督自らが個人名を挙げて召集を匂わせる松井や、スタッフが現地に視察へ訪れて状況をチェックする中田浩二に関しては言うまでもない。

 彼らに比べると多少議論の余地を残しているのは中村になるだろうか。
 実際、彼の代表復帰を疑う意見は少なからずあるようだ。スコットランド・プレミアリーグでプレイする中村は決して体力的に弱い選手ではないけれど、その技術があまりにも飛び抜けているために、走れないのではないかという偏見と戦わなくてはならない不運がある。しかし、オシム監督はいずれ中村も招集するだろう。中村にはひとつのプレイで勝負を決めてしまう稀有な才能が備わっていて、オシム監督がそれを見過ごすとはとても思えない。
 ただし、少なくともジーコ体制のときのような待遇でチームに迎え入れられるようなことはなさそうだ。中村はチームにひとつしかないプレイメイカーの位置を、現在このポジションを務める遠藤や、小笠原、そしてまだ代表デビューを果たしていない若手(例えば名古屋の本田圭佑のような)とともに争うことになる。南アフリカW杯に出場するとすれば中村は30歳を越えているけど、27歳で出場したドイツ大会よりもずっと運動量が求められそうだ。

 海外組の召集はさておき、今回のメンバー発表で僕が気になのは、怪我から復帰して横浜Fマリノスでプレイを再開した中澤に声が掛かるのかどうかになる。
 「日本には長身でフィードのうまいディフェンダーがいない」とオシム監督嘆くけど、ワールドカップのブラジル戦では主将も務めた中澤の身長は187センチ。観客が見入ってしまうようなパスこそないけれど、致命的なミスを犯すこともない。同じく長身で、ディフェンスラインから気の利いたパスを出す闘莉王とのコンビは、大袈裟じゃなく、夢にまでみた布陣だ。
 このふたりが揃えばオーストラリアに7分間で3つもゴールを奪われるようなことはなかっただろうとの確信を僕は持っている。

 残念ながらドイツ・ワールドカップを前にこの夢が現実になることはなかったけれど、今度のガーナ戦、僕は中澤のメンバー入りを密かに期待している。