11人の侍

「生きている間に日本がワールドカップを掲げる瞬間をみたい」ひとたちの為のブログ

巻をエースと呼ぶには早すぎる

2006年10月05日 12時09分22秒 | サッカー
 184センチ81キロと、いかにもFWらしい見事な体躯を誇る巻だけど、必ずしも正統派のストライカーというわけじゃない。
 巻がストライカーならば、ガーナ戦の前半4分にGKと1対1になったとき、パスを出そうなどと考えなかったはずだ。例えば巻は、ワールドカップ出場を賭けたアジア最終予選のオーストラリア戦、あるいは南アフリカワールドカップのグループリーグ突破を賭けたガーナ戦で同じようなチャンスを得たときに、この日の親善試合と同じ選択をするだろうか。だとしたら巻を単純にオシムジャパンのエースと呼んでしまうことに僕は抵抗を感じる。
 高原なら少なくともシュートを放っていたはずだ。目下絶好調の播戸にしてもそうかもしれない。

 僕はジーコ政権下で東アジア選手権のメンバーに初召集されるずっと前から、巻の代表入りを推していたから、彼に対しては思い入れがある。
 頑強な肉体と、闘争心、そして泥臭いプレーが、頭角を表したばかりの頃の鈴木隆行を彷彿とさせた。つまりは中山に始まるファイター型センターフォワードの系譜を受け継ぐ選手だと直感した。ボールに触れた後は大抵ピッチにひっくり返っていて、乱れた髪を整えることもなくすくっと立ちあがる。その様はいかにも日本人の胸を打つ。ただし得点を奪うことに対する執着が薄らいでいけば、鈴木のように代表から遠ざかっていくこともありえるかもしれない。
 巻はゴールを目指し続け、正統派のストライカーへと転身を遂げる必要がある。

 まぁ、焦って巻をエースに仕立て上げるべきではないということだ。それは巻の成長を阻害しかねない。
 あの中山だって爆発的な得点力を発揮し始めたのは20台後半から30台前半にかけてから。謙虚さと向上心を忘れない巻は、遅咲きのタイプのように思える。そもそも、大型の選手はもともと花開くのが遅れることが多いから(トニは典型的な例で、日本では高木琢也もそうだった)、巻のキャリアのピークもまだまだ先にあるはずだ。
 今、無理やりエースの称号を与えてしまう必要はまったくない。


1 コメント

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2006-10-06 17:29:07
このマニュアルを読むと、どんなにパソコンが苦手でも、

書かれてある通りに、作業するだけで自分のブログが

作れてしまい、ブログをカスタマイズしたり更新する事が

楽しくて、仕事や友達との付き合いを疎かにしてしまい、

少しだけ顰蹙(ひんしゅく)を受けてしまうかもしれません。
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