11人の侍

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横浜Fマリノスの山瀬功治を代表に

2007年05月03日 22時30分29秒 | サッカー
 いま、早野宏史監督率いる横浜Fマリノスが面白い。

 5月3日に行われたJリーグ第9節では、前年度2位の強敵・川崎フロンターレ相手に勝利を収めた。マリノスがリーグ戦でフロンターレを下すのは、およそ7年ぶりのことになる。スコアこそ拮抗した2-1だったものの、決定力のあるストライカーがいればもっと差が開いていたことだろう。
 シーズン前、早野監督の就任が決まったときには、否定的な見方をする人がほとんどだったけど、今となっては、就任に抗議するメールを送った数百人のマリノスサポーターでさえ、好調なチームに満足していることだろう。

 マリノスの快進撃の要因は、伝統的な守備の強さが復活したことが非常に大きいと思う。
 最前線の2トップから、センターバックの中澤祐二までが、休むことなく猛烈なプレスをかけ続けるし、プレスをかけるタイミングそのものが、開幕当初と比べて明らかに息が合ってきている。リーグ連覇を達成した当時のような、チームの連動性が戻ってきているのだ。終盤に疲弊してプレスが弱まるまで、Jリーグのみならずアジアでも屈指の攻撃力を誇るフロンターレが、ほとんどゴールに近づけなかったのだから驚く。

 ただし、いくらチームが連動して相手チームに圧力を与えても、肝心なゴールを奪えなければ勝利を収めることは出来ない。
 でも今のマリノスは、開幕から好調を維持する山瀬功治が、攻撃陣を力強く牽引している。
 マリノスのトップ下のポジションに君臨する山瀬は、速く、強く、鋭く、そしてゴールへの意欲が極めて旺盛だ。大げさに褒めると、まるで同日の日本時間3時半から欧州チャンピオンズリーグ準決勝でプレーした、ACミランのカカァをみているようだ。
 目下のところ、Jリーグで最も背番号10が似合う選手だろう。

 山瀬はこの日も再びゴールを挙げ、自身の連続得点記録を3試合へと伸ばした。
 後半21分、左サイドからのFKで右足を力強く振り抜くと、ボールはゴールポストとフロンターレGK川島永嗣の間にあるほんの僅かな隙間にねじ込まれ、激しくゴールネットを揺さぶった。その弾道はあまりにも完璧だったから、日本代表GKの川島までゴールネットに絡まってしまったほどだ。

 FKはともかくとして、山瀬が持つ縦への推進力、つまりゴールへと向かう直線的なドリブルは、今年3月24日のペルーとの親善試合で、日本代表のプレイメイカーを務めた中村俊輔(セルティック・グラスゴー)や遠藤保仁(ガンバ大阪)、そしてこの日欠場したフロンターレの中村憲剛にはない武器だ。
 山瀬はここしばらく代表から遠ざかっているけれど、アジアカップ優勝を狙う日本代表のオシム監督も再び目を向けざるを得ないのではないだろうか。