11人の侍

「生きている間に日本がワールドカップを掲げる瞬間をみたい」ひとたちの為のブログ

アジアカップ優勝を目指そう!

2007年04月22日 11時55分43秒 | サッカー
 4月16日から18日にかけて千葉で行われた日本代表のトレーニングキャンプで、FWの巻誠一郎(ジェフユナイテッド市原千葉)をセンターバックとして試したというニュースを耳にしたとき、僕は即座にタイ・ベトナム・マレーシア・インドネシアで共催されるアジアカップのオーストラリア戦に向けた準備だろうと思った。

 アジアカップでタイトルの防衛を目論む日本が、ドイツワールドカップ以来となるオーストラリアとの対戦を迎えることは十分に考えられる。オーストラリアはマーク・ビドゥカ(ミドルスブラ)を筆頭に、欧州でプレーする主力の何人かが大会への参加を表明したと聞く。3連覇を狙う日本代表としては避けて通れない相手となりそうだ。

 日本代表を率いるイビツァ・オシム監督は、チーム発足当初からディフェンスリーダーに185センチ82キロと大柄な田中マルクス闘莉王(浦和レッズ)を据え、アジアカップ本大会への出場権を手にしてからは、代表引退を示唆していた”ボンバーヘッド”中澤祐二(横浜・Fマリノス)をチームに招き入れた。身長177センチながらヘディングでゴールを量産する、愛弟子の阿部勇樹(浦和レッズ)も重要な役割を担っている。この守備壁に、もうひとりのお気に入りである巻を加えれば、仮にオーストラリアがドイツワールドカップと同様に終盤のパワープレイを仕掛けてきても、あのときのように簡単に崩れてしまうことはないだろう。

 気がつけば、ドイツワールドカップの惨敗からはやくも1年近くが経とうとしている。
 僕は、空中戦という日本代表チームが慢性的に抱えてきた弱点を解決するために、大柄な選手を育成する特別プログラムでも強化プランに組み込んでくれやしないかと、ずっと待ち続けてきた。ドイツワールドカップでの惨敗は非常に残念だったけれど、オーストラリア戦で弱点を白日の元に晒したことで、根本的な問題の解決に乗り出すきっかけになると期待した。
 
 例えば、世界中から大男が集まってくるアメリカのバスケットボール界には、そのなかでも特に大柄な選手のみを対象とした「ビッグマン養成講座」なるものがあり、身長という才能を備えたアスリートに技術や機動力を習得する機会が与えられると聞いたことがある。NBAのベストプレイヤーとも称される、サンアントニオ・スパーズのティム・ダンカンなんかも、この特別プログラムを経てNBA入りを果たした。

 しかし、同じように大柄な選手を待望する日本が、このような強化案を試みてみる気配は一向にない。むしろ、一年前に露呈した致命的な弱点は、すでに忘却の彼方に忘れ去られつつあるような印象さえ受ける。過去を振り返ることがあまり得意ではない国民性は、サッカーチームの強化にも影響を及ぼしているように思える。
 でもそんな中、少なくともオシム監督が着々と準備を進めているのは実に心強く、そしてありがたいことだ。

 同時に、オーストラリアとのリベンジマッチ、そしてひいてはアジアカップ3連覇という偉業を誰よりも真剣に考えているのが、日本人でも、アジア人でもないオシム監督だという事実には、やはり少し寂しさを感じたりもする。
 僕の知る限り、巻のDF起用をオーストラリアのパワープレイへの対抗策だと捉えたメディアはほとんどなかった。アジアカップ開幕まであと2ヶ月弱と迫っているけれど、積極的に大会を盛り上げていこうという意気込みを感じることもあまりない。

 アジアカップは50年の歴史を誇る大会だけど、3連覇を成し遂げた国はいまだかつてない。過去の優勝国にはサウジアラビア、イラン、日本(優勝3回)、韓国(同2回)、イスラエル、クウェート(同1回)が名を連ねているけれど、4度の優勝を果たした国はいまだない。
 つまり、タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシア共催大会で、日本が優勝を勝ち取ることは、アジアサッカーにとって極めて大きな意味があるのだ。

 アジアカップをもっともっと盛り上げよう。
 オーストラリアとのリベンジマッチをもっともっと盛り上げよう。
 日本はアジアカップ連覇中で、最多の優勝回数を誇る歴然たるアジア王者。もちろん新参者のオーストラリアに後れをとるわけにはいかない。

 そんなプライドをひけらかしてみてもいいんじゃないかと僕は思う。