硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

 高山山王祭

2007年04月14日 | 

 

 

 

高山・山王祭

 

 

岐阜の名木は ここ飛騨・高山中心に多い

思い立って高山に来てみると 何と本日と明日 春の高山・山王祭であった

秋の八幡祭と春の日枝神社の山王祭と二つ合わせて高山祭と総称する

それぞれの氏神に対する信仰が 煌びやかな十二台の山車を出し

神と人との神人饗応をする為に お旅所と神社の間を行き来し

神と人とを繋ぐからくり人形が大活躍をする

 

飛騨の染井は未だ三分咲き 早咲きの櫻が満開

合わせて 美しい屋台にしばしうっとりとす

運良く市内の旅館に泊まる ここは宴会場で広く たった独り

明日はお旅所から 日枝神社に神が還る日だ

 

臥龍櫻 西光寺の枝垂れ櫻 城山公園や江名子川沿いの櫻を観に行こう

何だかフーテンの寅さんになったような 今宵の宿もそう悪くはない

お銚子三本 未だ櫻を観たい よっぽど私は業が深いような気がする

 

そう言えば W大学の理工学部において 飛騨のこのからくり人形で

博士になられた御仁がいたように記憶している

そのぐらいここのからくり人形は精巧で素晴らしい

是非一度はここ高山で からくり人形を御覧あれ

 

ところで荘川櫻も近いのだが 花は遅いような情報があり

些か気が気ではない 荘川櫻こそ櫻守の貴重な証拠の櫻なのだから

 

 

 

 

 http://www.hida.jp/matsuri/harumatsuri.html 春の高山祭

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荘川櫻について櫻灯路より 『日本一の櫻守と日本一の櫻馬鹿』

 


 祇園の夜

2007年04月14日 | 

 

 

 

祇園の夜

 

 

去年の夏のアノことをご報告しなければならない方がいた

あの哀しい知らせを 何処から漏れたか 弔電を戴いた御礼もあった

その祇園・甲部にあるさるお茶屋さんに出向いた 

独りだと何かと心細い オフィスの女性陣を三人ほど同行願って 

予約を入れると 慌ただしい最中 漸くひと部屋を用意して戴いた

 

三人の女性達は皆生粋の京都人ばかりだが 

お茶屋遊びの経験がまったくないと言う

男性陣は今後何時でも行けるからと言い訳し 

今夜は女性陣だけを連れて行くと宣言し オフィスを出た

 

日本一美しい常照皇寺の九重櫻が満開で 

御室のお多福櫻も漸く花時であったから 

私は今日一日は上気しっ放しで 頗る上機嫌であったかも知れない

京都の春を満喫させて戴いた心地よさ 堪らなかった

 

嘗て主人と共に何度もお邪魔しているお茶屋さんだが

私とのお付き合いは 私から新たに始まるわけで 畏まっていた

芸妓さんが来られる前に ひと通り女将にご挨拶申し上げた

「私一代で 大切な親子のお客様を 二人共に亡くした喪失感」と

女将がポツリと洩らす 

 

櫻行脚も一応の区切りをつけたいので 今夜は騒ぎましょうと

敢えて申し上げ 芸妓さん三人 舞妓さん一人 地方さん二人が来て

連れて行った女性達は 何の遠慮もなくキャ~キャ~と騒いでいる

失敗したかなと思われた瞬間 芸妓さん達も次第に盛り上がって来て

私はほっとして静かに 女将の進められるまま酒をあおり見ていた

 

こんな風にして女の子達を大勢連れて来て済みませんと言ったら

言え言え 逆に芸妓の子達もいい息抜き出来てますねんと仰る

私は内心 主人には追いつけないなぁと実感しながら

それでも実に楽しいひと時を過ごせた

 

帰りがけ ふと床の間を見ると 

亡き主人が大好きだった鬱金(うこん)の櫻花が

さりげなく備前の花器に ひと枝挿してあった

 

 

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櫻灯路より 『京都のお茶屋さんで』