硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

 白か黒か 石割櫻

2007年04月26日 | 

 

 

 

白か黒か 石割櫻

 

 

 

そう言えば 盛岡の裁判所の前に 石割櫻が満開であった

裁判所の直前にある 法廷を出て来る人は 白か黒か

まるで裁判を暗示しているように 見事に割れた石の間に咲いている

 

戦後左翼勢力の影響か 教育の荒廃が極端に進み 

遠慮ばかりの為政者の偽善 家庭にも学校にも地域にもモラルが無くなり

タメ口ばっかりで 若い人の語彙の貧困 現在どうにもならないでいるが

今の混乱は 有史以来 本当の意味での混乱ではないか

逆に言えば 今こそ千載一遇の創造の時であろうと思える

 

和をヒントに 日本の独自性と自信の回復

白か黒か はっきりすべき創造であるべきだ

何処に行ったって こんな豊かな文化を持つ国はない

それが何処かに行き 批判ばかりしてないで 

この創造の絶好のチャンスを生かしたいものである

 

 

口絵は盛岡裁判所前・石割櫻です

 


 櫻繚乱 檜木内川

2007年04月26日 | 

 

 

 

櫻繚乱 檜木内川

 

 

 

どうして そんなに櫻が好きなのと 

同じように櫻行脚をする女の子に聞かれた

 

櫻が僕を好きなのと応えた

顔を見合わせ 思わず大笑い

 

私もそうかもよと 彼女が応える

繚乱たる櫻舞う角館の川辺にて

 

躑躅が咲き 藤の花も咲き出したことだろうか

北の櫻はこれからが本番であるから嬉しい

明日は和歌山の川辺で 道成寺の鐘供養があると言うのに

櫻行脚の旅は 未だ二週間も残っている 幸せなことである

 

 

 

口絵の写真は 角館・檜木内川の櫻並木

 

 


  種蒔櫻と里人の生活

2007年04月26日 | 

 

 

 

 

種蒔櫻と里人の生活

 

 

 

ご無理を承知でお願いして 農家にホームスティ

東北には各地に種蒔櫻と称する櫻が点在する

何処から見てもよく見えるやや高台の地に 悠久の櫻がある

 

角館の武家屋敷の櫻が満開になるまでと 

ちょっとずるい考えがなかったわけではなかったが

種蒔櫻を抱える町外れの農家に飛び込んで交渉し泊まらせて戴き

この時季にする農作業を体験させて戴いた

農機具の点検や苗床作りの体験などである

 

最初テレビの番組と間違えられたが 大笑い

皆さんに 本当によくして戴いた 

夜 秋田の地酒も出て 農業の将来をも語り明かした

 

日本は稲作文化の国であるのに あらゆる農産物を盛んに輸入に頼り

今では自給自足率が20%を切っている現状で 私の泊まったお宅では 

長いモノに巻かれろと ただ指を咥え 傍観している方々ではなかった

確かに農村には若い手がいない だからと言って4ヘクタアール以下の

営農が出来ない今度の農業施策はどうだろうか 思い切りぶつけてみた

帰って来た答えは あんな松岡農林大臣に 丸きり期待していないと

どんな無理難題の施策が打って来られようが 

代々受け継いで来られた営農を簡単に手放さない断固たる決意があり

私は頗る嬉しかった あの減反政策によって田のお祭りが半減し

今度の施策で 日本人の信仰の元さえ失われようとしている

日本は農業立国であり その基本は些かも変わりないものかと

 

ご主人の古着を着て 雨の中でも 汗びっしょりかいて農機具磨き

苗床は田んぼに作るのではなく 何とビニールハウスの中に

奥さんが気を使って何度も何度も声を掛けてくれたが 

何の何の 私はどんなに楽しかっただろうか

身体じゅう筋肉の痛みが走るが 実に心地いいではないか

今朝別れ際に 奥さんもご主人も子供さんも 皆別れを惜しみあった

多分これからもお付き合いが続くことを願いつつ

 

ご主人に 種蒔櫻って どんな感じで何時も観ていらっしゃるんですかと

問い掛けて見たら 櫻こそ五穀豊穣の神であるとはっきり言っておられた

どうやら我が主人とも メソメソした感傷の交流は必要なくなったようだ

 

やっと取れた角館の旅館で 今独りでお酒を飲んでいる

心地いいお酒が身体全体を巡り これからも櫻を未だに追い続けることに 

何一つ言い訳など 決して必要ないのだからと

一献の杯に 花片を一枚ずつ乗せ 香りを楽しみ目でも楽しみ

漸く満開に近い櫻になった武家屋敷を明日は観てから 

愛すべき角館と さよならをしよう

 

 

 

口絵の写真は 先日山形を廻った際 櫻桃の故里・寒河江にあった種蒔櫻の立看板

このような立看板がある東北の櫻は幾らでもあると言ったら言い過ぎだろうか

今回写真に収めたものでも 実に八箇所もカウントされている