千鳥ヶ淵の染井吉野 全国一早く満開になり
櫻満開 バカ騒ぎ 儚いのは人のほう!
今週木曜日(3月29日)に 全国に先駆けて 東京の櫻が満開となりました 都内有数の櫻の名所である上野恩賜公園 目黒川沿い 飛鳥山 浜離宮恩賜公園 六義園 小石川植物園 墨堤公園 アークヒルズ 芝公園 靖国神社 新宿公園 櫻坂 明治神宮公園などなど上野の混雑はピークを迎え 報道ではゴミが散乱しているとか 見るも無残で哀れ 私の家の櫻たちも満開で 昨日午前中だけは 我が家だけで 花見の宴まるで おママゴトのように てんこ盛りの酒のアテやら 子供たちへのスイーツやら 久し振りに家族の団欒
千鳥ヶ淵の櫻 昔フェアモントホテルがあった頃 二階の部屋を貸切にし 櫻の宴を開いていた
人はよく櫻の花は儚いというが バカ騒ぎをして よっぽど人間のほうが儚いのを知っている様子 櫻は満開を過ぎると 丁度一ヶ月経ったオオシマザクラの葉の収穫(櫻餅用) 八重櫻の関山は紅が濃いから 花を収穫して 櫻花の塩漬けにし 櫻茶に 黄色い鬱金(うこん)や 緑色の御衣黄(ぎょいこう)は 花の終わりにピンク色に染まるから面白い 花の色は うつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに ( 小野小町=9番 『古今集』春・113) 如何にも儚い花の象徴のような歌だが 色は確かに移る だが真夏の暑い日には来期の花芽をつけるのだ そうして 人より遥かに長生きするのが本来である クローン櫻の染井吉野は確かに短い樹齢なれど 江戸彼岸や山櫻は何百年も 或いは何千年以上も長生きして 私たちの儚さに勇気を与えてくれる
東大付属小石川植物園の櫻
小石川植物園の天城吉野など
穏やかな中のお食事 酒は飲めない マナーは最高の観櫻ポイント
六義園の枝垂れ櫻
弘前城址公園にある管理事務所には 樹木医の小林勝さんがいて 市の公務員として 年がら年中 櫻守をされておられる 弘前には林檎農家が多数あり 幾多の困難な剪定技術を生かされ その特技は 確かに多くの公園緑地課に 多大な影響を与えておられるが 染井吉野の延命は 果たしてどうだろうか 寿命が60~70年とされる染井吉野は 弘前では間違いなく日本一古い染井吉野が存在し その心を後に樹木医となった橋場真紀子さんに継承されているが
弘前城址公園の櫻守・小林勝さん もう直ぐ出逢えることだろう
染井吉野は いち早く根付き 華やかに咲く櫻なので 持て囃される花だが 寿命は短いはず 小林勝さんは 染井吉野の樹命に 果敢に挑戦している最中であるが 江戸後期に生まれた 箱入り娘のような クローン種(実生では誕生しない)の櫻は 今後にどう生かせるか予測困難かも 日本の櫻の80%は染井吉野種だけに 甚だ注目されるが 小林氏の挑戦に期待したい 尚 勝さんのお兄さんである小林憲士(のりお)氏の跡継ぎとして活躍する勝さんだが 「弘前方式」と言われる櫻木の芯止めの技術や夏の土入れ替えや冬場の伐採などで 特に有名だ 木に巣食う菌類の繁殖を許さず 弱った枝木は遠慮なく伐採し 日本一の櫻公園を維持したままである 日本一一所懸命だから 日本一の櫻の名所でいられると 謙虚にして 熱心な御仁たち
高尾 さくらの保存樹林 約一ヶ月間楽しめる 櫻の全品種350種類がある
東京の櫻は殆どが戦後植栽された染井吉野なので まるで団塊の世代のように 後10~20年もすれば 殆ど倒木するか 枯れ死するだろう 皮肉ではなく 櫻の病気としては 花が咲かなくなるテング巣病や 幹や木が枯れるコブ病や 根元に生えるベッコウダケや木の中に生えるアナタケの菌類付着によって樹木が腐る恐ろしい病気 小林氏のように キメ細かな手入れが必要とされるのだが もっと恐ろしいことがある 櫻の廻りに集う際に 昔のように 茣蓙だったらイザ知らず マナー違反の近年青いビニールシートの持ち込みだ 更に櫻の根元を踏み固めてしまって 根の息つぎを無視し 水分が沁み込まなくなってくることである それには 周囲を緑地帯にして ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)などで 囲い込み 幹元に人が入れなくすること 更に密集して植栽すれば 日陰になって 枝が重なり 日陰部分が枯れてしまうはずである 従って 歩道の狭い空気腔しかない場所では ほぼ不向きな街路樹であろう
新宿御苑内の櫻たち
昨年 同じ薔薇科の梅が プラムポックス病に罹って 青梅市のすべての梅が伐採された 青梅市内全域では 2600本 青梅・吉野梅郷だけでも 120種 1732本が観梅祭りが終了と同時に伐採がなされた 「青梅市の梅の木 完全伐採へ」という我が記事がある 櫻とて無縁ではありえない
私が大好きな小山・修道院に咲く思い川櫻
小金井公園では 櫻の木の周囲を囲んで 人の入場を拒む取組が始まっている 小供たちへの教育も始まった 櫻の授業や 秋には落ち葉を集めて 堆肥や霜よけにしたにしたり 小さなうちから 丁寧で懇切な教育と意識づけが 先ず重要であろう 無論 マナー違反の花見客の無礼千万な行為の花見は 断じて許せないものである
我が家の庭に咲く櫻たち
その昔 馬屋だった屋根から見える櫻 お分かりでしょうか