硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

 御所櫻と斎王櫻

2007年04月10日 | 

 

 

 

御所櫻と斎王櫻

 

 

こうして旅をしていても 先日訪れた大好きな上賀茂神社の

あの二本の櫻木が気になって 後ろ髪を引かれて仕方がない

御所櫻は満開であったが 

斎王櫻はまだ咲き始めたばかりであった

御所櫻はやや白っぽく気品に満ちた櫻で

斎王櫻は 平安神宮の紅枝垂れ櫻と同様に

紅い小粒な花が爛漫と咲く

 

小生は もし仕事の合間や多少の無理を承知の時間があったならば 

『斎王』の起源と歴史を徹底して調べたいと日頃から思っている

取り分け気掛かりである訳だが 

当然今頃は花が満ちて来ている頃だろうか

 

先ず伊勢の神宮の斎王を調べている

実に面白いのである 女官とは言え 

斎王とは神々の愛する御方であった

神聖で 且つ清新な匂いが大いに隠されているようで面白い

先ず書誌学的に押さえたいと思っている

いずれ斎王の話をする機会もあろう

 

男女の仲を何か超越した領域があるのかも知れない

 

 

 

写真は上賀茂神社の御所櫻である

 


 気品高き山櫻に埋(うず)もれて

2007年04月10日 | 

 

 

 

気品高き山櫻に埋もれて

 

 

チームの中に ちょうどよく吉野の宿を取っていてくれたお陰で

昨日からずっと吉野で 山櫻の海の中で埋もれている

昨日は黄砂が酷かった所為か 櫻はぼんやりと霞み

上の千本も既に満開であり 水分神社付近から見晴らしよく

蔵王堂が風景の真ん中に入っていた

 

今日も日仮名歩き回った 何と言う気品高き山櫻かな

抱きしめても 誰も止めないし咎めない

樹の音を聞いたり 樹の下にて 静かに夢想したり

幸せの極地である

 

中の千本を歩いていると 近くの里人であろう

今時分とは思いつつも 感心しながら 山櫻の苗を手にするご老人が

山を登って行くのと遭遇した ご神木はこうして守られて来たのだろう

山は一夜にしてならず 蔵王信仰の許に 

里人によって営々と受け継がれて来た永い歳月の結果だと

 

下も中も上も 皆満開で思い掛けないいい時に来たものである

そして明日蔵王堂で 花会式と懺法会がある

折角だから それを見学させて戴いてから お山を降りることにしよう

 

夜半 夜櫻見物で 中の千本にいた方々は数組

皆 花に酔い痴れ 茫然としているようで 誰独りとして

騒いでいる方はいない 無論旅館に泊まっているのだろうが

このような花寒の真夜中に 静かなる花見は 眞にいいのもである

このまま死んでも悔しくないと思いつつも

 

 

 

http://outouro-hananoen.spaces.live.com/blog/cns!BA05963D8EB5CC5!5148.entry

櫻灯路 『爛漫たる櫻の海 吉野幽春』より

 

http://www.chikurin.co.jp/index.htm

今宵もこの宿舎 竹林院群芳園