とはずがたり

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抗リウマチ薬使用と骨折との関係

2020-08-06 18:33:41 | 免疫・リウマチ
関節リウマチ(RA)患者に対するConventional synthetic DMARDs(従来型合成抗リウマチ薬)として、欧米ではmethotrexate(MTX), sulfasalazine(SASP), hydroxichloroquine(HCQ)が単独、あるいは併用で用いられることが多いです。この論文ではWomen's Health Initiativeの参加者のうちbaselineでRAが存在した1,211について、これらの薬剤の単独、併用による臨床骨折発生を非使用患者と比較しています。結果としてはこれらのcsDMARDsの使用・非使用患者で骨折率に有意な変化はありませんでした。
ハザード比としては
MTX:HR 1.1 (95% CI 0.8‐1.6)
SASP:HR 0.6 (95% CI 0.2‐1.5)
HCQ: HR 1.0 (95% CI 0.7‐1.5)
MTX+SASPあるいはMTX+HCQ:HR 0.9 (95% CI 0.5‐1.6)
でした。以前生物学的製剤を用いても骨折は変化がなかったことがコホート研究から示されていますので(Kim et al., J Bone Miner Res. 2012 Apr;27(4):789-96)、予想された結果ではあります。



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