ロシアにおけるCOVID-19ワクチン承認のニュースは世界に驚きと疑念を持って迎えられました。このワクチン(Gam-COVID-Vac)はアデノウイルスベクター(rAd5)を用いてSARS-CoV-2 spikeタンパクを発現させるというもので、戦略としてはこれまで報告されている他のワクチンと同様と考えられます。ただClinicalTrials.govに登録されている情報によると、6月17日に治験が開始されたばかりで、まだphase 3 trialは行われていない(あるいは施行中の)もののようです(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04436471…)。ということは大規模な臨床試験による安全性や有効性の情報がないままの見切り発車であり、人体実験的なにおいがするために当然科学界からは批判的な論調が大半なのですが、phase 3 trial(のようなもの)と平行しながらある程度投与する対象を絞って有効性、安全性についてさらなる情報を集積する(走りながら考える)というのも戦略的にアリなのかな~などと思ったりします(日本では無理ですが)。まずは医療従事者と教師に投与するということらしいですが、結果が注目されます。
私自身はそもそもDNAワクチンやRNAワクチン自体の有効性に懐疑的なので、もしプーチン大統領に「優先的に投与してやる」と言われても謹んで遠慮させていただきたいと思いますが。。
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02386-2
私自身はそもそもDNAワクチンやRNAワクチン自体の有効性に懐疑的なので、もしプーチン大統領に「優先的に投与してやる」と言われても謹んで遠慮させていただきたいと思いますが。。
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02386-2
(「走りながら考える」アプローチは、ロシアの危機的状況の表れなのでしょう。)