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あのコルトを狙え

TOKYO2020 子供たちに負債を(笑)

コップ

2009-10-20 21:20:50 | Weblog
 人が何気なく口にした言葉が
 あとあとまで残る事がある

熱海道路巡りが終わった波さんと私は福島屋旅館に戻った。

私は翌日も休みだったので連泊するが波さんは今夜の花火大会が終わったら
電車で帰る。

疲れたので部屋で昼寝をする。
福島屋で連泊は初めての事だ。

探索遊びに疲れた身体に「昼寝」がなんとも気持ちよい。
「昼寝っていいな~
連泊する事がこんなに楽だなんて思わなかった。

ふと目が覚めると波さんは隣の部屋で窓の外を眺めている。
産まれ過ごしたこの地を再び訪れたその胸中は?

そんな姿を見てまた眠りにつく。

夕方、花火大会へ行く前に風呂へ行く。
風呂からあがって部屋へ戻る際
廊下の冷蔵庫に昨夜のビールが一本だけ残っていたのを思い出した。

流しに置いてあるビール用のコップを借り部屋へ戻った。
先に戻っていた波さんにビールを見せ

「出掛ける前に軽くどうですか?」

『いいですね~、まだあったんですか』

銘柄は忘れた一本の缶ビールを二人で分ける。

『ビールはこのサイズのコップが丁度いいですよね』
波さんが何気なく漏らした感想が私の心に刺さった(笑

そのコップは今でもラーメン屋などで出てくる
「アサヒビール」「サッポロビール」
と文字が入った小さなコップ。

そういえば家でも居酒屋でも「コップ」ではなくて『グラス』だな。

350mlの缶ビールを分けてもまだ残りが出る位の小さなサイズ。

「今日はおつかれさま」

コップを軽く掲げて口にしたビールは風呂上りの身体に痺れるうまさ。
残りのビールを更に分けて空にする。

ビール一缶を二人で分ける事が貧乏臭い訳ではなく
ちょうどいい量だと感じたのは風呂上りという事もあるが
小さなコップだったからなのだろう。

古い小さな部屋で男二人で飲んだ一つのビール

ものすごくうまかった。

コルトで走り回った熱海三道路物語
一缶のビールと小さな「コップ」が労をねぎらうかのようだった。

あれが最近主流の大きめの「グラス」だったとしたら
二人で分けたら中途半端な量で終わってしまい
「少ないな」と感じて印象にも残らなかったろう。

私はそれ以来あのサイズのコップが気になってしまい
先日ついに買ってしまった。



一つ100円程度購入。
計ってみたら140mlが入る。
ビール一缶であれだけ持つはずだ。

これで飲むアサヒゴールドが更に旨かった。