週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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ガンダム法話(のようなもの) 

2010-09-05 00:15:04 | ひとりごと

前回の予告通り、異文化交流の一環でガンダムの映画版3部作を観賞したときに、思ったことを書き綴った文章があったので、ついでに紹介してみましょう。
文体が違うのはメモのようなものだから。
クセのある文章ですが、気にせず読んでいただけると嬉しいです。


【絶望という希望】


30年近くも前に放送された物語。
小さい頃に、再放送を見ていたはずなのに、内容を全く覚えてはいなかった。

それに正直、アニメと思って見くびっていたのだが。
思いのほかシリアスで、訴えるものも、それなりに伝わってきたことに驚いた。

「みんな自分勝手だ」
「みんな自分のことしか考えていない」
「僕だって、好きでこんなことをしているんじゃないのに」

ガンダムのパイロット・アムロのセリフ。
思いがけず操縦者となってしまい、訓練もないままに実践へと投入される。

自分がやらなきゃ、みんなが死んでしまう。
みんなを守るために、戦わなければならない。
戦うということは、敵を殺すということ。
敵にも家族がいて、悲しみに泣く誰かがいるのに。
それでも、自分が生きるために、戦わなければならないという葛藤。

そんな葛藤を抱く自分自身と戦っているのに。
人はもっとしっかり戦えと要求する。
そして母は、殺人への抵抗を薄らぐ息子に、誰も害してはならないと号泣する。

誰もが、相手の心も、相手の状況も考えないで、自分勝手な思いをぶつけてくる。

相手を思いやる気持ちのなさに傷つけられ、精神的に不安定な状態に陥るアムロ。
けれど、アムロもまた、相手を思いやる気持ちを持たずに、相手を傷つけていることに気付かない。

相互理解が大切だと、分かっているのに、優先されるのは自分の主張で。
あなたのためだと、言っていながらその実は、自分の理想を通すための主張でしかない。

そうやって、自分以外の誰もが、自分勝手に生きているという幻想を見る。
本当に自分勝手で、相手を理解しようとしていないのは、自分であるにもかかわらず…。

きっと、分かってもらえないと嘆く前に、誰のことも分かろうとしなかった嘆かわしい自身がいることに。
気付くことで、人は人を思いやる気持ちを知り、武器をも必要としない強さを、身に付けていくんじゃないだろうか…。



興味はなくても、気付かされることはあったようです。
ガンダム法話というお題をいただいたら、15分くらいは話せるかも。
まぁ、そんな機会はないでしょうから、ここに書いて終わりにしましょう。

お付き合い感謝です。