佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

2011.03.15

2011年03月15日 22時11分14秒 | オンタイム
東北地方太平洋沖地震に被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
また、現地および福島原発において想像もつかない大変な危険を伴った過酷な状況の中、作業に当たられている方々に心から感謝いたします。

遠隔地に居住する、一放射線科医として何ができるのかを考えていました。
そして、せめて当ブログを閲覧された方に現時点で確認できた、科学的知見に基づいていると考えられる情報を提供できれば…と思いました。

なお、このブログは佐賀大学放射線科の名前が入っていますが、公式のHPではありません。組織としてではなく、個人から情報を発信することの危険性は十分に存じ上げているつもりです。しかし、双方向性を有する媒体であるので、ご指導をいただければ適宜訂正を加えることも可能であると考えています。

既にご存じの方も多いと思いますが、学会等から発せられている情報へのリンクを下記に貼ります。

日本放射線医学会から本日、提言された
日本放射線医学会 緊急被ばくの事態への放射線科医としての対応について

 放射線科医としての対応、とありますが特に診断には直接対応することが少ないのが現状かもしれません。臨床現場へこういった専門知識を伝えることこそ、Dr's Drと呼ばれる放射線科医の役割かもしれません。また、放射線技師の方々も放射線の専門家として期待されていることだと思います。
 このことは、被災地よりも広い範囲で貢献できることではないでしょうか。

(*全く、個人的なことですがこのHP内容は、昼から大学へ行って初めて知りました。メールが届いていたそうですが、登録していないとアクセスするのが非常に困難な情報です。マスメディアを通じてでも、様々な医療機関に呼びかけて良い情報だと思うのですが…)

独立行政法人放射線医学総合研究所から、市民の方からの質問に回答する形での「お知らせ」
独立行政法人放射線医学総合研究所「お知らせ」

また、非常に繋がりにくい状態のようですが、
一般社団法人サイエンス・メディア・センター
に原発に関するQ&Aまとめが随時更新されています(東京大学理学系研究科・早野龍五教授のツイッターを元に有志の方が編集されています)。なお現在、多くの質問が寄せられており身分を明かして解答いただける「放射線医学の専門家」の協力が求められていました。

今日は大学へ行ってきたのですが、循環器学会、超音波学会などでは学会を挙げて出来ることを模索しているという話を聞きました。被災地において予想される、診療情報や物資が不足した中での当該領域に関して緊急的な治療指針などの提言なども含まれるかもしれないとのことです。学会が示したものがあれば、専門外のDr.でも判断しやすくなるかもしれません。
何が求められていて、何ができるのかということは現場にいる個人が考えられることだと思います。先生は「学会なんて思ったよりも小さなもの。下からでも提案することが大事なのだ」と言われていました。

放射線科に携わる者として何ができるのか、更に考えていければと思います。

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