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壊れたニッポンを治す為の処方箋#2:SDGsの間違い(その13) ー (7)大気内の炭素を減らす為のその他の方法は?

2022年12月24日 10時07分34秒 | 社会全般
現在考えられている気候変動に対する対応は、主に炭素の排出を抑える仕組みであろう。そのため、石油や石炭の使用を減らす様に訴えている。そしてソーラーパネルなどの自然エネルギーを使った発電を推奨している。しかしこの考え方には大きな問題がある事は既に述べた。炭素を吸収する森林を減らして、炭素の排出を減らす仕組みを考えても、何の意味もない。

それで脱炭素以外に、空気中の炭素を減らす効果があると思われる、画期的な方法を共有したい。これらの方法は、海外では画期的な方法の様だが、実は日本では前々から行われてきた手法でもある。ここでは次の2種類の方法を紹介したい。

①Carbon Farming:日本訳では炭素農業と云われていて、土の中に炭素を多く含ませる事で土壌を豊にする農法で、そのやり方は、
・農地を耕さない(不耕起栽培)
・有機肥料を使用する
等がある。これは日本でも行われている自然栽培や有機農法に近いやり方で、”炭素”を減らすと云うよりは、農薬を減らし、より安全な食物の栽培に視点を置いている。実際、欧米の農家でも、”炭素”を減らす事が目的ではなく、安定した収量を得る事が目的の様である。長年、農薬を使い続けた事で土壌が劣化し、ちょっとした気候の変化で収量が大きく落ち込む事を無くしたいとの思いから出てきた農法である。耕作をして農薬漬けになった土地は、保水能力も低く、土地が持つ力が著しく劣化している。それを元に戻すために、農薬を減らし、耕す回数を減らす事で、土壌が豊になってくる事を実感した農家が増えつつある様だ。

②Biocharを使った農業:Biocharとは、日本語ではバイオ炭と訳されているが、端的に云えば”木炭”の事である。これも前出の”Carbon Farming”と同じで、土壌に”炭”と云う炭素を入れる事で土壌を豊にする事を目的としている。Carbon Farmingとの大きな違いは、目に見える形で物理的に”炭素”を土の中に混ぜ込む事にある。この分野についても日本は先進国であり、昔から”炭”の文化が根付いている事から、昔から”炭”を土に混ぜ込む事を行っていた。また”燻炭”と云うコメの籾殻を蒸し焼きにしたモノを土壌に混ぜ込む事をしている農家も多く居る。この燻炭を土に混ぜ込む事で、土壌の通気性や保水性を良くし、そして微生物の活動を推進する事ができる。

これらの方法は、日本では”脱炭素”とは関係なく進められてきているが、世界的にはSDGsの一環として注目を集め始めている。まだまだ効果の方は未知の部分もあるが、今後迫ってくると思われる食糧危機を考慮する上で、農地や山林を切り開いて太陽光発電を設置するよりは、これらの方法を活用しながら農業を続けるべきであろう。

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