業務&ITコンサルタントのひとり言

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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:外国人旅行者(訪日外国人)が増えすぎている

2023年02月04日 08時36分05秒 | 社会全般
 コロナ過で外国人旅行者が減ったが、昨年後半から日本は出入国に関する”鎖国”状態を解き、旅行者が増え始めている。そのお陰て、一部の旅行関係に従事する人達は喜んでいるが、京都などのトップクラスの観光地の近隣住民や、その観光地に行きたいと思っている日本人に取っては決して喜ばしい話しでもない。

 コロナ前の京都の観光地の映像を見ると、外国人が大挙して押しかけ、ゆっくりと観光出来ない程になっていた。特に清水寺の映像を見ると、京都に観光に行く気持ちが失せる程だった。しかし幸い(?)な事に、コロナが蔓延した事で外国人の観光客が激減したお陰で一昨年に京都に行くことが出来、数十年ぶりの観光をのんびりと楽しむ事が出来た。その時期は多くの国民が国内観光に目を向け、静かな国内旅行を楽しんだのではないだろうか。

 政府は2013年に、2030年に訪日外国人を3000万人にする目標を立て、2014年に2020年の目標を2000万人としたが、2015年の訪日外国人が2000万人弱になった事を受け、2020年には4000万人に計画を変更し、2030年には6000万人を目標とした。そして2019年の訪日外国人は3000万人を超えた。

 当初この計画を聞いた時は、良い事だと思ったが、先に述べた人が埋め尽くす程の京都での観光客の現状をみて、考えが変わった。

 この狭い日本に、4000万人もの観光客は多すぎる。2000万人以内で十分ではないだろうか。外国人が多く来過ぎて、日本人が日本の観光地を行きたくなくなる程にはなって欲しくない。云ってみれば、地域住民に親しまれてきたお店が、TVに出た途端に有名になり、観光客が押し寄せた結果、地元の人が行かなく(または行けなく)なってしまっている状況に近い。

 外国人がトップクラスの観光地ではなく、地方のニッチな観光地に沢山行く様になるとそれなりの効果は出るだろうが、それでもトップクラスの観光地に行く観光客は減る事は無いであろう。因みに、日本人の海外渡航者数は、長年1600~1700万人辺りを推移していたが、2019年に2000万人を超えた。

 それで2000万人を目標とする場合、質の良い観光客を受け入れる方に舵を切る必要がある。この”質の良い”は、爆買いする観光客では無く、日本の文化や自然を楽しみ、身勝手な振舞いをせず、そして当たり前の事ではあるが、法に触れる様な事をしない人達である。これからは観光客数の”量”では無く、”質”を求めた政策に転換すべきであろう。それによって、日本人も同じ観光地で楽しめる環境を作っていく事が大事である。
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