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温泉津温泉 薬師湯(島根県大田市)

2016-07-16 18:08:00 | 湯治
温泉津温泉 薬師湯(島根県大田市)




『名は体をあらわす』。温泉津温泉と書いて、「ゆのつおんせん」と読む。
超のつく実力派温泉で、ワタクシ、入るまでは実に甘く見ていた...実にスィートに見ていた...反省。
ホームページやらウンチク本とかでも「日本有数の」とか、どこぞの検定で「オール5」だの、と書いてあった。
オイラはもともと、「鄙びた雰囲気」のほうが目当てだった気色が濃厚だったんだが、ものごっつ凄いお湯だった。
ヤラレマシタ。

今回、山陰をめぐる旅に出るまえに、「ひなびた温泉に寄れたら嬉しいなぁ」とつぶやいた俺の声を妻が掬い上げてくれて、行程に組み込んでくれた。
玉造といい温泉津といい、古くからの湯をちょいちょいと掠めていって、まことに旅情に満ち、僥倖であった。

地元からは非常に遠くて行きにくいし、小汚くて古い温泉以外に何もなし。繰り返して言うと、温泉津周辺にも何もなし。
しかしね、もうね、むちゃくちゃ良いお湯だった。
湯温は高め、軽く褐色な湯の華の付きも白く濃厚な、「ザ・温泉」である。

繰り返して言う。
『名は体をあらわす』


ここで一番有名な薬師湯にお邪魔する。到着して駐車場に車をとめると、そこの壁にこの看板。この垢抜けなさに嘗めてました。


すぐ斜め向かいにも、共同浴場「元湯泉薬湯」ってあったけど、今回は立ち寄らず。



料金は大人で350円。この値段はありえん安さだ。


入口は昔ながらの銭湯方式、男女別。レトロである。入口の上、2~3階部分の凝った造作はなかなかである。


ところが、一歩中に入ると番台をはさんで男湯側からも女湯の入り口が見えるというオチ。実はこの写真の左に写っている階段を登ると、2階、3階の休憩所にいけるのだ。


男風呂と女風呂の間の階段の下には、家族風呂の扉もあった。



先客が3人いて、なんとなくお互いに呼吸を見ながら、湯船に出たり入ったりww
肝心の湯船は広くはない・・・というか、はっきり言って狭い。
また、きれい好きなご婦人方のお気に召すはずはないと思う。浴槽も床も強烈な湯の花を纏っている。
それだけ、めちゃくちゃいいお湯だったけど、温泉好きの俺ですら一時間も入ってたら湯あたりするだろうと感じるくらい強烈。
ある程度で切り上げて、休憩所に登る。



2階の休憩所はギャラリーのような造りになっていて、自然の風が入るように開かれた風情のある半円形の窓から温泉津の目抜き通りを見張らせる。



・・・目抜き通りは車の離合がやっとの狭さだけどww



3階まで上がると屋上に出ることができて、上下の温泉津の町並みを遮るものなく見ることができる。この石州瓦の屋根がひしめき合う狭い町に、銀山最盛期はたくさんの人が住んでいたそうだ。



この「とんがり」がついた屋根は、薬師湯のすぐとなりにある旧館で、大正8年に作られた洋館建築。昔の地震で湯が出たことから「震湯(しんゆ)」とも言ったらしい。



正面から見たこの部分、今はカフェとして営業中だがその昔は男湯だったところ。
お昼ご飯をここで食べて、地元までまたはるばる帰ったのであった。

【薬師湯】
住所/〒699-2501 島根県大田市温泉津町温泉津
電話/0855-65-4894
営業時間/一般開放(土・日・祝)6:00~21:00、(月~金)8:00~21:00・貸し切り(土・日・祝)6:30~21:00、(月~金)8:30~21:00
料金/一般350円・貸切650円
URL/http://www.yunotsu.com/
(H28.7.24現在)