そして時の最果てへ・・・

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言語を使用して生きる道

2009-09-28 22:53:15 | 雑感
「奇跡の人」で哲学をやるシリーズ。前回の続きです。

これまで言語によって感情を表現することを考えてきましたが、自分の心を言語で完全に表現することはできないけれども、ワレワレは日常生活で言語を使って不完全ながらも感情を表現している、というのがこれまでの結論。

でも、例えば「嬉しい」という言葉で喜びを表現した時、その言葉に収まりきらないどれほどの感情がこぼれ落ちるか。「悲しい」の一言で収まる悲しみなどあるのでしょうか?

人間は言語を手に入れることによって心を区切り、ナマの感情をナマのまま感じ取る能力を失いかけているのではないでしょうか?

サリバン先生はヘレンに「その手に世界を握り締める」ために言葉を教えましたが、先に述べた意味で、ヘレンが「water」と発した瞬間に、ヘレンは一つの世界を失ってしまったとも言えるのではないでしょうか?

人間は動物としての感覚を失う危険を冒してでもなお、言語を使用して生きる道を選択しました。

何故?

ここに言語と心の真髄が眠っているかもしれません。

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