そして時の最果てへ・・・

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前田利家の撤退

2008-12-07 22:41:13 | 歴史
時間が開いてしまいましたが、前回の続きです。

柴田勝政の敢闘によって劣勢に追い込まれた羽柴軍でしたが、ここで望外の幸運に恵まれます。

佐久間盛政の後方にいた前田利家、利長親子が兵をまとめて突如後退し始めたのです!

この敵前逃亡と言うべき独断撤退により、前田隊と戦う予定だった羽柴勢中央の圧力が、もろに盛政隊の左側面へ向けられることとなります。正面の混乱状態にある部隊だけならまだしも、この日初めて戦闘に参加する新たな軍勢の側撃を受け、未明以来の戦闘で疲弊しきっていた盛政、勝政隊はひとたまりもありませんでした。

奮戦してきた柴田勢右翼集団は総崩れになりました。

この瞬間、柴田勝家の勝利の可能性は消え失せました。盛政隊の敗走を見た諸勢は次々に戦場を離脱し、勝家本隊までが浮き足立ち逃げ崩れました。

勝家は3000あまりの馬廻衆と最後まで戦場に踏み止まり、味方の敗走を助けた後、毛受勝照の説得を容れて落ち延びました。

毛受勝照は粘り強い後衛戦闘を展開した末、討ち死にします。