明けましてオメデトウ御座います。
新年を迎えたが、本日こちらは朝から曇りの天気。だから初日の出は拝めないのでゆっくり昼過ぎに起きて、食後地元の神社へ参拝し、買い物やレンタルビデオの返却などして帰宅。
それから個人的に恒例にしている事なのだが、私は毎年元日には東映動画(現・東映アニメーション)の劇場作品「わんぱく王子の大蛇退治」を観る事にしているのだ。
別にそんなに深い意味は無いのだが、まあ、正月に日本国建立期のドラマを観るのはメデタイ事だというか、古代日本へ思いを馳せるというか・・・
お話は出雲地方で行われた出来事が伝承され神話となり、奈良時代に大伴氏によって編纂された「古事記」に描かれた、スサノウのミコトによる八岐大蛇退治がベースとなったアニメで、1963年に製作された作品だがその演出は現代感覚で観ても完成度の高い作品だ。
BGMは「ゴジラ」の映画音楽で知られる伊福部昭氏で、大蛇を倒していく空中戦の音楽はまんま東宝特撮「地球防衛軍」のテーマなのだが、当時はそんな事知らないから、その迫力あるサウンドに圧倒された。そのテーマ音楽を背景に、空飛ぶ天馬「天早駒」に乗ったスサノオが飛び回る戦闘シーンはスピード感あるシャープな演出で、大蛇が吐く火炎の廻りを高速回転したり自由なビジュアル・イメージで描かれ、後のTVアニメ「レインボー戦隊ロビン」「宇宙パトロール隊ホッパ」へ繋がって行く演出だ。
それに天馬「天早駒」が飛行するときの効果音が「キーン!」と、ジェット機の飛行音だもんね!宣伝によると「現代っ子の感覚(当時のワシらに向けてですな!)に合わせ、空飛ぶジェット天馬登場!」だからだね(笑)
ラスト、斬られた大蛇の首がおだやかな川の流れに変貌していくシーンは、大蛇退治伝説が、氾濫する川を塞き止め灌漑農業を普及させた土地の英雄の話を比喩したものをたたえた演出のように感じる。(現在では、出雲の踏鞴=タタラによる溶鉄・古代鉄鋼産業の争奪戦の比喩という説が強い。)
そして、ギリシャのヒュドラ~インドのナーガラージャ~中国の九頭竜~日本の八岐大蛇と、多頭龍の変遷などを調べてみるのも、日本がシルクロードの終着地である事から、面白いかも知れない。
日本アニメ界の重鎮・もりやすじ氏は原画監督をやっており、他には高畑勲氏が演出助手。原画では大塚康生氏、動画では、小泉謙三氏、岡迫亘弘氏、羽根章悦氏、辻忠直氏、といった、後に「ルパンⅢ世」「海のトリトン」や「マジンガーZ」、「宇宙戦艦ヤマト」といった作品で活躍する、そうそうたる方々の名前が連ねられ、一流クリエーターの源流は、特撮は東宝、アニメは東映に辿り着く事を証明する作品の一つでもある。
この作品は・・・
★ベニス国際映画祭オゼルラ・デ・ブロンド賞
★毎日映画コンクール大藤信郎賞
★文部省選定・厚生省中央児童福祉審議会推薦
に輝いている。
そんなこんなで、06年今年もヨロシクお願い致します。
同じgooサイトでしたが・・・。
今後も、ちょくちょく寄らせていただきますね・・。私も、「ホッパ」はジブリのDVDライブラリーシリーズのしかみていないのでかなり欲求不満で仕方がありません・・・最終回、見たという人に片っ端から聞いていますが全くの不作です(古過ぎで記憶が曖昧なのが原因で)。
ああいうDVDの復刻の仕方は、にわかファンにとっては歯がゆいの一言。