破李拳竜・日記

ここでは私・破李拳竜が行ってきた仕事やお遊びとかの日記を、つらつらと載せてあります。

神秘!幻想崩壊・・・

2006年11月30日 23時06分11秒 | Weblog
格闘技は、「競技スポーツ」のカテゴリーに当てはめると不思議なものだ。普通、たとえば「野球」と「テニス」が戦うといったって、競技自体が違うので戦いようがないし、ルールでどうにかして試合したとして、その試合でテニスが野球に勝ったところで「テニスのほうが野球より強い!」という事にはならない。ところが格闘技の場合は、「相手を倒す」事が直接競技目的になっているから、「姿三四郎」の昔から、「柔道対空手」「プロレス対ボクシング」といった異種格闘技戦が成り立ってしまうのだ。
  それで、相撲、柔道、空手、プロレス、ムエタイ、ボクシング、世界中の格闘技の中で一番強いのは何だ?というのが最大の関心となり、長年のロマンであったが、1993年アメリカ・デンバー州で行われた、「目潰し、噛みつき以外はOK」というルールのまさに究極の戦い「アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC大会)」で様々な格闘技選手が出場し戦い、当時まったくの無名であった「グレイシー柔術」が連勝してしまった事で、一番強い格闘技は何と「寝技」だったという結果が出て、ある種格闘技へのロマンと神秘性が消えてしまった感があった。

  ・・・し、しかしまだ「気功」や「合気道」の達人ならまだそういう場で戦っていないぞ!そーゆー人達が戦ったらどうなる?と、最期の神秘性のロマンが残っていた。しかしそういった達人達は、「我々が行っているのはあくまで『武道』であり、リングなどに上がって試合する者ではない!」と、拒否されてきた。
  合気でバッタバッタと投げ飛ばすにも、いくつかのパターンの「型」に元づいて相手の打撃に対応して投げているので、相手が一流の空手やムエタイ選手の打撃であれば、いかに合気の達人でも対処するのは困難かと思われる。もちろん、それをやってのけられる達人もいるが、相手が何を仕掛けてくるか分からない「対決」の場ではどうなるか?それはまったくの未知の領域だ。

  それに現在行われている格闘技の「試合」は、中世ヨーロッパの貴族達が行っていた「デュエル」=つまり「決闘式」が原型にある。互い平等な条件の元、正々堂々と戦うというものだ。これが日本武道の「死合」となると、宮本武蔵の決闘に象徴されるように、戦う場所の「地の利」を利用して太陽を背にしたり、砂や水を相手の目かけたり、隠し持っている武器でトドメを刺したりといった事も容認しなければならないから、武道家の戦いというと、本当に勝負は「運」となるだろう。

  
  と、ところが!!!そういった達人の中で何と!「自分を『プライド』のリングへ上げてくれ!」と格闘技の試合希望して、自分のプロモーションビデオを自らTV局に送り付けていた「気功・合気」の達人がいたッ!しかも指一本触れずに弟子達を次々と吹き飛ばし、副業で整体業や心霊治療業を営んでいるという、おお~ッ!!!まさに絵に描いたような達人だッ!その名は 札幌の「大東流合気道」老人気功師・柳龍拳師範(65歳)!。

本人の道場のホームページを観ると、以下の事が書かれている。

◎武術エネルギーの証明のため「総合格闘技」の「プライド」に出場を強く志願し、多方面に折衝中。一流人との対戦を希望。21世紀以降の史上初の武術革命が生涯の目標である。

◎筋力、スピードを完全に消すエネルギー革命を確立し、指導中である。

◎ノールールーにて他流試合を200戦行うも無敗のままである。誰とでもノールールーで他流試合を行うことを宣言中である。

  「私は喧嘩200戦無敗。自分は本物、他所は偽物。PRIDEに出たい。私ならヒクソン・グレイシーに勝てる唯一の男だ!ヒクソンよ逃げるな! 50万円で挑戦者募集!負けたら看板を降ろす。」とまで豪語している!おおッ凄い自信だ!これは期待大の達人だ!

  そうしたら、無名のアマチュア格闘家に本当に挑戦を申し込まれてしまい、実際に試合する事になってしまった!本人大慌てかと思いきや自信満々で対戦を快諾し、逆に相手を挑発したりもしている。こりゃ凄い自信!一方の対戦相手の選手は以下のプロフィール。

岩倉 豪(イワクラ ツヨシ総合格闘家)36才

身長 165cm 体重 76㎏
武道暦 SAW2年 空手歴10年 谷柔術1年 グレイシーBHドラクリーノジャパン2年
現在 バルボーザ柔術 所属

だそうで、11月26日、「きたえ~る武道場」にて、試合は18時~20時の間で行われた。

  試合のルールは、柳氏本人が
「◎他流試合をご希望の方は、50万円が必要になります。(負けた場合返金する)気功エネルギー証明のため、異種格闘技の試合をいたします。すべてノールールで行います。結果はすぐわかります。負けたら看板を下ろす!」
とまでNETに書いているくらいなので、
「制限規制なし、ギブアップか、又はK・Oのいずれかの完全決着ルール!」
で、観戦無料で公開試合が行われた。

   で、・・・結果はどうなったか?その模様がNETにUPされ動画配信されていたので、私が観た限りでの印象を含めて実況してみると・・・
  開始の合図と同時に柳師範が両手を上に挙げて、おおっ、本当に気を発するかのようなポーズ!まったく相手を恐れず、余裕しゃくしゃく、達人の貫禄十分だ!これはひょっとするかも・・・?そして左右からまるでハエを追っ払うみたいな感じの、掌打とも思えないような神秘の動き?
  が、次の瞬間岩倉選手が柳師範の体を掴んだ瞬間、岩倉選手の膝蹴りが腹に、パンチが柳師範の口にヒット!柳師範は尻餅をつくように倒れ、立ち上がってからも口元を押さえてなんかスゲー痛そう。岩倉選手もちょっとやりすぎたかな?といったためらいの様子。しかしレフリーの「ファイト!」の声で試合続行されると、岩倉選手はためらいながらも柳師範の左袖を掴むとパンチとキックのの連打を柳師範の顔面に浴びせ、とーぜんというか、柳師範はダウン、そのままうずくまり動かなくなった。レフリーから「ダウン!」を取られ、岩倉選手の勝利が告げられたが、殴る蹴るの暴行を受けた老人気功師という図式になってしまったので、岩倉選手は心配になりすぐさま柳師範の元へ駆け寄ると、道場生に抱き起こされた柳師範はそのまま仰向けに倒れ気絶、救急車で病院へ運ばれた模様・・・。
 

  ・・・あ~あな結果になっちゃたかな?実力測定の場である「試合」に出てきた老人を評価すべきだが、パンチを喰らうまでは自信満々な態度でまったく相手を恐れる様子はみられなかったので、本気で気功エネルギーで勝てると思っていたのだろう。なにしろ道場では弟子達が、指一本触れず自分が気功エネルギーを発すると、次々と吹き飛んでくれていたのだから。それで岩倉選手のパンチを食らって初めて「あれ?ちょっとヘンだぞ?」と気づいたんじゃないかな?
  最初に柳師範が両手を上に挙げて「気」を発射しようとした時、相手の岩倉選手、空気読めよな~と言いたくなるような内容でした。柳師範が気を発する前に打撃を仕掛けたのは岩倉選手の戦術なので、合理的な行い方だ。あるいは左右からまるでハエを追い払うみたいな掌打とも思えないような神秘の動きをした時、気を発していたのかも知れないが、岩倉選手には通用しなかったのかも?。

                          
翌日の柳師範のサイトには
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柳 龍拳の他流試合は相手のパンチが顔面にヒットし出血がひどく、セコンドがストップした事による、レフリーストップ。 岩倉氏の勝ちとなりました。
彼は、パンチ(打撃)に大変工夫が見られ、素晴らしいセンスを持っていると思います。ますます研究して頑張って下さい。
当方としましては、将来的に再戦したいという希望は持ち続けてゆきたいと思っております。その時は宜しくお願い申し上げます。万全で望みたいと思います。
又、大勢の方々が観戦しに来てくださって、来てくれた事に対して深く深く感謝いたしております。ありがとうございました。
柳 龍拳
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と書かれていた。「レフリーストップ」と書いてるけど、ちゃんとレフリーが柳師範のダウンを認めた上で、岩倉選手の勝利を告げていたんだけどね。・・・そして、「負けたら看板を下ろす」宣言はHPから削除されていた。

  まあ、大東流合気柔術に気功をミックスさせ、おまけに心霊治療業までやっている、合気道の源流となった「大東流合気柔術」+「気功」+おまけに「心霊」という、かなりトンデモ武術のようで、技術的には問題アリのようで、「大東流」の歴史を語ると大変長い歴史話になるが、柳師範のHPには、甲斐の武田信玄の家臣・大東久之助が生み出したものと書いてあるが、これは明治期に武田惣角という人物によって世に出た事から源流は甲斐の武田家なのだろうと解釈したのかも知れない。
 本来「大東流合気柔術」の源流は、鎌倉時代の武将・新羅三郎源義光が流祖で、会津に伝承され、会津藩の御留め流=つまり門外不出の秘密武術となっていたという歴史がある。柳師範のHpには
 「会津系の大東流と当流とは全く関係ありません。」
とは出ているが。
  しかし本人が「インチキ」を自覚していたら、本当に対戦相手に勝負を挑まれたらヤバイと感じて対戦相手と裏取引し、両者良い形で勝負が決まるように「八百長試合」を申し出ると思うのだが、試合内容を観た限りでは、柳師範はパンチを喰らうまでは自分の技術を信じ、自分の技術に絶対の自信を持ち、純粋にあくまでも「本気」だったように感じられる。
  試合後「老人相手に何て事したんだ!」と勝った岩倉選手がバッシングを受けているようだが、その岩倉選手を柳師範はー
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柳 龍拳の希望に岩倉氏が応じてくれたことに対し感謝しております。
柳 龍拳の年齢が65才ということで世間的には無理と思われますでしょうが、当人は40代のつもりで闘いに望んだわけですので、ただ年齢だけを取り上げて岩倉氏を責めるようなメール等は一切お止めいただきたく存じます。
勝負は時の運でありますので、高齢だから負けたというのではなく、未熟だから負けたのです。
ですからこれは私からのお願いですが、岩倉氏は責任を感じないでください。
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 と、擁護して負けを素直に認めた柳師範の潔さには、私は好感を持っている。

レオ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━━!!!!!

2006年11月26日 23時35分02秒 | Weblog
    「ウルトラマンメビウス」に、前回の「ウルトラマンタロウ」に続いて今度は「ウルトラマンレオ」が登場。しかも今度は人間の姿・おゝとりゲンこと真夏竜氏も出演。9ヶ月前、前シリーズの「ウルトラマンマックス」でひょうきんな駐在さんやって出演したが、今回は劇画キャラで渋い男の演技をしている。以前は「熱い男」であったゲンも、すっかり風格が出て、渋く厳しいオーラが出ているな!

  ・・・それにしても、シリーズの途中から隊の連中に正体がバレてるウルトラマンって、今回が史上初だから新鮮で面白いな。「ウルトラマンレオ」ではモロボシ・ダン隊長とゲンの二人だけが互いに正体を知っていて、他への秘密で、それもまた新鮮だったが、「ウルトラマンメビウス」では隊員の前で堂々とウルトラの国での話とかも出来るからいいよね。変身する時も、副座のコクピットから人前で直接変身出来るし、「助太刀しないで下さい。」と断りを入れてからウルトラマンになれるし。

  で、特訓シーンだが、てっきりゲンがミライをシゴいてジープで追い回すのか?と期待していたら、一人特訓か。そうなるとゴッドハンド・マス大山の清澄山山篭もりのような壮絶なものを期待するが、意外と地味でしたな。
  まあ、ジープで追い回す特訓、あれはダン隊長がもう、どんな特訓をやっていいのかわからなくなり、ヤケクソでやった感じでしたな(笑)「ゲン!ジープを恐れるな!」だからムチャもいいとこだ!ゲンが「隊長、やめて下さい!」という必死の叫びは本心だろうし、視聴者も納得だと思う(笑)しかし、当時もっと人気のあったイケメン・モデルの団時朗さんだって、丸太かつがされてうさぎ跳びやらされていたし、真夏竜さんなんか本当にジープで追っかけまわされ、転んだら轢かれてしまうから必死だったと話されていたから、そんなムチャを経験した人の前では、あんなイケメン俳優の軟弱さが目立ってしまうな!もっと本気でシゴいてやれば良かったのだ!
  リベンジ・マッチでのスピンキック、なんか思いつきでやった感じに見えてしまったが、これがレオなら、スピンキックを会得する特訓も描いただろうな。。(たしか宙吊りにされて廻らされていたよね。)
  でも最期にレオとメビウスのタッグ攻撃で敵を倒すのは燃える展開で盛り上がるけど、「一人で戦わせて下さい。」と言っていたから、これが梶原一騎スピリッツならレオに助太刀される事を拒否するんだけどね。
  最期にミライがゲンに向かって「レオ兄さん!」と言った時、コイツ本当はレオの弟アストラの人間体じゃないのか?と思ってしまったぞ(笑)

私のイチオシアイドルは

2006年11月22日 01時12分21秒 | Weblog
 今、私の最近のイチオシアイドルは、福島和可菜ちゃんです~!!!
  なんとかもっと頑張れる場を用意してもらえたら良いですね。元陸上自衛隊陸士長、がんがれ~!
  陸士長は自衛隊の階級で、最初にスタートする「士」の階級のTOPですから、旧軍に当てはめると「上等兵」といったところでしょうか?

  自分のブログに野ションの話も平気で書いてるところが、さすがサバイバル訓練で鍛えられている精神ですね。訓練では野ションどころか野グソが上官に見つかり怒られたそうです(自分の存在を敵に知らせてしまうから。)やはり訓練ですから上官はしっかりとチェックしますし、実戦となれば自分達の部隊の存亡に関わるモノですから、当然の事だと思います・・・・
  ・・・・けっしてヘンなシュミではないと思いますよ(笑)


   本人は普通のアイドルとして売ってほしいそうですが、私は素のままの超体育会系・軍人キャラのままで行ってほしいですね。
 お笑いさま~ずの番組で、コギャルのカッコウで起床ラッパを吹いていたのが面白かったです。
  彼女、デビューがもう少し早ければ、「亡国のイージス」や「戦国自衛隊」に出演出来たんじゃないかと思われます。これから頑張ってほしいですね!

石川賢先生、逝去「東京ファンタまんがまつりだ!」の想い出

2006年11月17日 00時31分58秒 | Weblog
[エンターテインメント ニュース]

  石川賢氏(いしかわ・けん、本名・賢一=けんいち=漫画家)15日、急性心不全で死去。58歳。喪主、告別式の日取りは未定。

 漫画家永井豪氏のアシスタントを経て1970年デビュー。代表作に「ゲッターロボ」「魔獣戦線」「虚無戦記」など。(読売新聞 - 11月16日 22:41)
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         またしても訃報、突然のニュースだった。石川賢先生とは1998年.11/3(火)「東京ファンタスティック映画祭」の 「永井豪デビュー30周年記念・東京ファンタまんがまつりだ!!」で司会を依頼され、お会いしたのが一番の思い出だった。
  この時のゲストは永井豪先生、石川賢先生をはじめ、桜田吾作先生、作画監督・小松原一男さん、剣鉄也役の声優・野田圭一さん、巴武蔵役・西尾徳さんと太地琴恵(旧名江川菜子・弓さやか役)さん、豪先生の奥様といったメンバー。また、マジンガーシリーズのテーマ曲のコーナーでは、渡辺宙明先生と水木一郎アニィの登場といった内容だった。(UPした写真は左から、野田圭一さん、手前・小松原一男監督、奥・桜田吾作先生、石川賢先生、永井豪先生、手前・太地琴恵さん、私・破李拳竜、西尾徳さん。)
  楽屋裏では太地琴恵さんにビジンダーの声を演じた時の事を訊ねると、「あの頃は、ハカイダーをやってた飯塚昭三さんに、怒られながら演ってたんですよ。」と当時のエピソードをおっしゃって頂けたり、スーツアクターの岡田ゆういち君が手製のデビルマンの着グルミを持参していたので永井先生と共に登場してもらう事となり、私が臨時で声をアテたのだが、デビルマンが敬語を使うとおかしいので、永井先生に「先生、タメ口ついていいですか?」と言うと永井先生は、「うんと不良っぽく演って下さい。」とおっしゃったので、デビルマンが登場すると、「永井先生、こっちへ来るんだ!・・・なんたって先生は、俺の生みの親だからなァ!」と言うと会場も大受け!また、「マジンガーZ対暗黒大将軍」が上映される時、「昔、テレビ欄で『マジンガーZ対暗黒大将』って書いてあった事があったんだよね」と想い出を話すると、またまた大受けした。西尾さんや桜田吾作先生もとても社交的な方で、私もゲストの方々も、楽しくアドリブトークにも花が咲いた。
  ・・・そんな中で、石川賢先生のみ台本にセリフが書いてあり、台本のセリフ通りに会話が進行していたのだった!・・・実は石川賢先生、とても無口でシャイな方で、フリートークはまったくダメだそうで、開催側の苦肉の策で台本を作成、セリフ通りに喋って頂く事で出演をOKしてくれたという。・・・自分の作品では、あんなに激しく情念を燃やし激情型のドラマを描いてきた作家であられたが、その素顔があまりにおとなしく、温厚で口数が少ない控えめな漫画家さんというのは、以外というしかない。本当に、激しい作品とは対照的に、とても静かで優しい人物だった。
 そんな無口で台本がなくては喋れなかった石川先生が、この「東京ファンタまんがまつり」で「OVA真ゲッター」を観て、「ゲッターはやり尽くしたと思っていたが、OVA見て、まだ描ける」と唯一の自己発言をして再び「ゲッターロボ」を描いていただけに、続きが読めないというのは本当に残念でならない。・・・そしてまた、この時のメンバーで、小松原一男監督、西尾徳さんもすでに鬼籍に入られている。

   石川賢先生の、強烈なインパクトに溢れた作品と、優しい笑顔を見る事はもう出来なくなってしまったのか・・・石川賢先生の御冥福をお祈り致します。

ゴジラ1968

2006年11月12日 02時17分10秒 | Weblog
    マイミクさん達のあちこちから「もう、買った」の声が上がってますが、楽しみにしていて先月発売されたソフビ「ゴジラ1968」を、私も買いました。
  1968年作「怪獣総進撃」の時に製作された、いわゆる「総進撃ゴジラ」と呼ばれるタイプのゴジラスーツをフィギュア化したもので、造型師・利光貞三氏が最期に造ったゴジラの着グルミです。顔型は「モスラ対ゴジラ」の時に造られたモスゴジの型から抜いていますが、モールドが直付けなのでディテールが変わり、更に前年の「ゴジラの息子」で製作したゴジラスーツの縦長の顔の名残で、目の上のヒサシが出っ張った四角い顔の印象が精悍さを強調して、昭和後半を代表する「正義のゴジラ」のイイ男っぷりがよく再現されていますね。「地球最大の決戦」「怪獣大戦争」や「南海の大決闘」の時のゴジラがいかにもヤンチャな暴れん坊というイメージですが、年齢と経験を重ね落ち着いた、いかにも「怪獣王」という風貌にふさわしい顔だと思います。「総進撃ゴジラ」は正義のゴジラのイメージでは一番メジャーな存在ですよね。
   昭和ゴジラ味わいがあって良いですよね。また、『怪獣総進撃』ヴァージョンゴジラは、中島春雄さんが現役で演じられた最後のゴジラでもありますし、一番長く使用された着グルミでもありますね。・・・まあ、『ガイガン』の頃はもうボロボロでしたが・・・『VSビオランテ』で作られたゴジラの着グルミも3年間、『VSモスラ』で、バトラと海底の戦いまで使用され、現場では「ボロゴジ」と言われながらも頑張った姿も思い出します・・・(涙)
        ・・・でも、そーいやタグの写真、「メガロ」の特写スチール ですよね!何でそんないい加減な間違えやったのでしょうか? まあ、タグのヘッダーの写真、再生産以降写真は差し替えられる可能性もあるので、かえってレアモノになるかも知れませんね!でも、再生産以降もそのままだったらバカですな!(笑)もちろん、「メガロ」の時に造型されたゴジラも、一時期は「堕落したゴジラの象徴」などと揶揄されていましたが、今ではすっかりヒーローゴジラとして認知されました
                
  画像の後ろのアイテム群は、「ゴジラファイナルボックス」のDVD-BOXと利光氏の雛形ゴジラソフビです。特典映像の、「がんばれゴジラ」は「60年代前半に製作された」と説明されていますが、私は「70年代 前半」と思ってますが、どうなのでしょうね?

  右の緑色のゴジラは、以前申し上げた、十数年前、浅草の出店で見つけた「ゴジラ笛」が総進撃ゴジラに良く似て出来ていたので、「ジラース」のソフビのボディに挿げ替えて付けた物です。「総進撃ゴジラ」は「怪獣総進撃」の時の露天スチールや、「ヘドラ」の時のキャンペーンの時の写真等、あきらかに「グリーン色」に塗装されていたとしか思えない写真が残っているので、黒灰色だったのか謎なんですよね。
                     

アニメ版「空手バカ一代」

2006年11月04日 23時51分24秒 | Weblog
少し前、マイミクさんの所でアニメの「空手バカ一代」の話題が挙がっていたので、ひさびさに観なおしたが、原作はもちろんの事、アニメ「空手バカ一代」も凄いですね~!ナニが凄いって、当時は「テレビまんが」と言われていたアニメだから子供向けなのに、最初の四話までは、出てくる連中は暴力団、娼婦、悪徳社長、暴力米兵などばっかり!(笑)主人公・飛鳥拳(大山倍達)も自暴自棄になって、ヤクザの用心棒になり飲んだくれてばかりいるし。
                                
  しかし吉川英治・著「宮本武蔵」を読んでから、「正義無き力はただの暴力!しかし、力無き正義もまた無意味!」と、自分の空手を生かす道を見つけてから救道者ぶりが全開する!
  納谷悟朗さんが声をアテているヤクザ・辰が「うちの組も、いずれちゃんとした会社にしたら、先生にもいつまでもヤクザの用心棒じゃなくて、会社の重役にしてさしあげますよ~。」と言ってやめさせようとするのを「ふふふ、俺は本物のバカかもしれんぞ!」と言って振り切り、山篭りを敢行。
  しかし一人ぼっちの孤独感に耐え切れなくなり街へ帰ろうとする自分を追い込むため、片方の眉をそり落とす。
「片眉のない人間は、なんと珍妙な顔だ。これぞバカの顔だ!恐れ多くも剣聖・宮本武蔵のマネをせんものとする、バカの顔だっ!!!こんな珍妙な顔ではもう街へ帰る事など出来ないッ!」
 「バカよ!あがけ、もがけ、のたうち這いずりまわれっ!」
 そして随所にあの名曲の主題歌で一気に盛り上げる演出!う~ん、燃えるねェ~!!!この作品、出崎統演出だったのですな!
                         
  山から下りて出場した「空手全国大会」に優勝!しかし当時の空手はその破壊力の危険性から、打撃は体に当てず寸止めだったが、「本当に当ててみないと、空手の威力はわからない。」と、直接打撃制の練習と試合方法をブチ挙げるが、あまりに危険な考えのため狂気の沙汰!と批難される。そのため人間ではなく牛に空手の威力を試すべく、人間対猛牛の死闘!と、益々モノ凄い展開に!そしてさらに飛鳥拳の人間味・人間性はむき出しになり、騙され裏切られ、悩み、悲しみ、怒るが、遂には
 「俺はバカだ!器用に世渡りの出来る、利口者にはなれない、みずからあえて困難な道を選ぶ、俺はバカだっ!」
と開き直り、主題歌の歌詞
「醜い利口になるよりは、綺麗なバカで生きてやる!」
  ううむ・・・人間、ここまで言い切り実践出来る者は何人いるだろうか・・・飛鳥拳の声は「科学忍者隊ガッチャマン」の総裁Xや「TVチャンピオン」のナレーションなどで感情を込めない無機質な喋りをしている田中信夫氏がアテているが、この作品では無機質な喋りとは対極に、思いっきり感情をむき出しにして、人間・飛鳥拳に血と肉を与えている。
                       
   そうやって自ら空手バカとなり前進するのだが、あいかわらず多くの障害・壁にブチ当たり、愛弟子・有明省吾を死なせてしまい、そしてまたも自暴自棄になり、遂には喧嘩で空手のコブシでヤクザを殺してしまうのだッ!つ、遂には、さ、殺人!!!ええッ?原作では「このドラマは事実であり、この男は実在するッ!」というフレコミで、アニメ化されても当時のケンカ自慢連中達は「ドキュメント」と信じて疑わなかったので、「オイオイ、大山倍達って、牛だけじゃなく、ヤクザもブッ殺してんだぞ!」と、大山倍達の武勇伝にハクが添えられ、それを固く信じていたものだったが、これでいいのか?・・・大山倍達の超人伝説の凄さの表現として大山倍達を「人殺し」にまでしてしまう梶原一騎の豪快さにはもう絶句・・・!
  更に、この「空手バカ一代」を元に、千葉真一主演で実写映画化された「けんか空手 極真拳」、ありゃ凄いですね~!!ヤクザを殴り殺しただけじゃなく、石橋雅史さんをはじめ、敵対する空手道場門下生をブッ殺しまくってますからね~!!!この作品世界観には警察や法律というのは存在しないのか?と思わず思ってしまいます。宮本武蔵の「一乗寺下がり松の決闘」のパロなのだが、当時のケンカ腕自慢の連中はみんな、本当の話と信じたのだろうッ!(ウチの学校のクラスの同級生らはみんな鵜呑みにしていたのだから恐ろしい・・・)
                          
  もちろん、ドラマの展開は、警察から正当防衛が認められ、殺してしまったヤクザの遺族のため、牛馬のごとく働き荒地を農地に変え、遂には許しを得る怒涛の展開!このヤクザの親子とそのまま暮らせばそれなりに幸せが得られたものの、超人追求の夢に走り、渡米してプロレスラー、ボクサー等と、生死を彷徨う戦いを繰り広げる!
   ・・・萌え要素一切ゼロ!の超硬派アニメで、現在の格闘技ドラマとは違う剛直な作品、こんなアニメはもはや製作される事はないだろう・・・。
  
   インサートされる実写部分に、山崎照朝、大山茂、中村忠、添野義二といった当時のそうそうたる極真の猛者達が登場!山崎照朝は当時、梶原一騎先生により極真イチオシの選手だったから、添野義二と共に原作にも登場していた。現在は「逆真空手」館主。 そして!ビール瓶切りシーンでは遂に御大・大山倍達本人がお出ましで、燃えますね~!!!

  ところで順番からいったら納谷悟朗さんは、この作品でお調子者のヤクザ「辰」役や悪徳マネージャー・トッド若松など、悪役を演じた後、あの漢・沖田十三艦長を演ったのですな!。