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06年末に行われたおなじみ格闘技イベント「K-1Dynamite!」でのメインマッチ「秋山vs桜庭戦」が物議を醸し出したので、その動向を見守っていたのだが、主催者側から一応の結論が発表されたので、私としても感想を述べてみる。
この「秋山vs桜庭戦」は、秋山が柔道着を脱いで互い裸体で戦ったが、対戦中桜庭が、「秋山の体が滑る!」みたいな抗議をレフェリーにして、タイムを要求したが認められず、そのスキに秋山にボコボコにされレフェリーストップで負けてしまったというものだった。
どうやら秋山は全身にスキンクリームを塗って滑りやすくして、桜庭に捕まれない、組み付かれても抜け易くしていたようだ。対戦前秋山は「柔道では反則の秘策を使う。」とコメントしていたが、その「秘策」とは「全身を滑りやすくする事」だったのかっ!!と判明!調べれば秋山は柔道時代でもー
●世界柔道選手権の代表決定戦にて、中村兼三選手に「柔道着が滑る」と抗議されたことがある。
●世界柔道選手権でフランス、モンゴル、トルコの3カ国から「柔道着が滑る」という抗議を受けたことがある。
(3カ国から抗議を受けるのは史上初の珍事)国際柔道連盟のチェックでは大きな問題なしとされたが、「疑われるようなことが問題」
という山下泰裕理事の指示で柔道着が交換させられた。「洗ったばかりで石鹸が少し残っていた」と弁解。
●2003年2月4日放送のフジテレビ『ジャンクSPORTS』に柔道家として出演した秋山は、番組中に「道着を滑りやすくして有利に試合をすすめる」、「母親が柔軟剤のハミングを使って洗っている」といったコメントを残している。
ーと、過去にも同様の事を行ってきたので、どうやら得意技だったようだ。それに対戦前、TV番組で清原選手と対談していた時も、清原選手が「じゃあ、これから桜庭選手のホテルに行って、桜庭選手がいない時に一服盛るか!(笑)」とか話していたので何かやるな!と予感していたが、こういう事だったのか!
・・・体に油などを塗って組みつかれにくく、また掴まれても抜け易くするという戦法は、紀元前ローマのグラディエーター達の戦い「パンコラチオン」の頃からあり,ゴレコローマン・スタイルのレスリングもそれが原型となって生まれたスポーツと云われている。・・・もっとも、油を付けていると、逆に裸締めなどは腕が入り易くなる弱点もあるが。
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そして試合直後、桜庭の抗議が無視され、一方的に秋山勝利が告げられたので、「秋山有利に進められた仕組まれた試合」と云われたのだった。
・・・まあ、こういった事は格闘技興行では昔からあったワケで、あの世に知れた宮本武蔵VS佐々木小次郎の「巌流島の戦い」も、どうやら小倉藩にとって邪魔になった佐々木小次郎を、合法的に始末するための「仕組まれた試合」とも言われる説が浮上している。そのため宮本武蔵自身が書いたオフィシャル・バトルヒストリーの中からは外され、「巌流島の戦い」は無かった事になっている。小次郎殺しに自分が小倉藩に利用された事を屈辱と思ったに違いない。
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「HERO’S K-1Dynamite!」は大会としては、視聴率確保の為だけの茶番といわれてもしょうがない状態だな。TBSとしては「紅白歌合戦」の対抗策であるので、本来なら前田日明兄さんの言う通り、アマチュア大会レベルの実力の金子賢を、視聴率が一番良かったという理由で使い続けているし、曙VSジャイアント・シルバという怪物キワモノ対決まで組んだから。(しかし怪物対決で力同士のぶつかり合いになるかと思ったら、シルバの技術にすら曙は負けてしまったのだから、曙はもう、何の値打ちも無いのに、話題性があるのか、視聴率が取れているのか、主催者はまだ使い続けているのだから、その体質をよく現していると思う。)
で、私の「秋山vs桜庭戦」の感想と言えば、完全に「秋山の秘策勝ち」としか言うしかない。格闘技を「武芸試合」の観点から見れば、秋山の作戦勝ちという事になる。
武士のモラルが確立したのは、やはり平和になった江戸期の中頃だが、江戸初期では戦国末期を引きずり、先に述べたかの宮本武蔵などは、相手選手の控え室に忍び込み、後ろから裸締めにして絞め殺してしまったりともう、卑怯極まりない、まさにどんな手を使ってでも必ず勝ち、「一乗寺下がり松の決闘」に至っては「敵将を射止めることが勝利」という事で、跡継ぎという理由から、「将」に着任させられた吉岡家の子供までをも武蔵は、情け容赦なく斬り殺してしまったと云われ、まさに武蔵は「勝ったから強い」の典型的な例だった。
実戦柔道を標榜していた木村政彦は、打撃無しルールの柔道の試合でも、脚払いを掛ける時など踵蹴りをしたり、やはり反則スレスレの事を行ってきた。しかし技だけでなく細工までした秋山のこの行為は、スポーツマンシップの側から見れば卑怯なものと云え確かに反則だが、格闘技とはきれいごとだけではない事が多い。私は秋山が、わずか二年で総合の王者になれた真の「実力」の秘密が分かった思いだ。
だからこそ桜庭に何とか1ラウンドしのいで、2ラウンドから逆に桜庭が道着を着て、秋山がそういう手で来るならと、その道着を秋山に被せ、帯で秋山の首を締め付ければ良かったと思う。
しかし武芸試合ではそれでもOKだが、スポーツとして行われる「K-1Dynamite!」では反則なので、結果ー
「HERO’S」審判団は以下の処分を決定。
1.秋山vs桜庭戦はノーコンテストとする。
2.反則行為を犯した秋山成勲を「失格」とし、ファイトマネーを全没収する。
またプロモーターサイドからはグローブチェック、ボディチェックを見過ごした審判員、桜庭のアピールに対応しなかった審判員(サブレフェリー)にそれぞれギャランティの50%を没収。また、グローブ、ボディチェック両面でミスがあった審判員1名は6ヵ月間の職務停止処分。さらにHERO’S審判団全員に厳重注意、という処分が下された。
「HERO’S」
これは紙媒体のマスコミでは、タイムラグもあり、表に意見を載せてもらうにせよ、いいように選ばれてしまったりするが、ネットの発達により、リアルタイムで直接発言する事も可能で、たとえばレフェリーのブログにフルコンタクトで叩き、2ちゃんで火災炎上したからこそ主催者側も無視出来ず、今回のノーコンテストという結論と処分決定にならざるを得ない結果となったのだと思う。
そうでなければシナリオ通り秋山勝利で疑惑はウヤムヤのまま、新ヒーローとして秋山を今年から本格的に売り出していこうとしていたに違いない。
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かくして「秋山vs桜庭」の再戦が決まった(?)秋山は「何の弁明の余地もありません。桜庭選手、申し訳ありませんでした。どんな処分も受けるつもりでいました」と謝罪。受けて桜庭は「ボクはリングに立つときは正々堂々とやりたい。ただそれだけです」とコメントしているが、それだけに対戦者は「何をしでかすかわからない相手」という事を考慮に入れ、ルールに助けてもらうだけでなく対策を練ってもらいたいと思う。
だから「秋山はどんな手を使ってでも勝ちにこだわる人間だ」という事を、桜庭には十分に心掛けて挑んでほしい。それにしても秋山の不自然に膨れたグローブの中には「メリケンサック」も仕込まれていたという疑惑もあるから、それで殴られたとしたら桜庭のダメージは心配だ・・・
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