近江フィールドワーク

琵琶湖の淡水魚を中心とした、下手の横好き素人ブログ。内容を信ずるなかれ!

「スジエビ」 最も一般的な淡水エビ?

2006年10月03日 18時06分45秒 | 滋賀県の甲殻類紹介
 閲覧有難う御座います。滋賀県に生息する甲殻類の紹介、今日の1匹はスジエビ。滋賀県南部の水路で、体長3cmくらいのものを捕獲しました。水路は側面がコンクリート張りで、底は砂地、水深0.2m程で流れが速い環境でした。捕獲したエビは、透明な体に黒いバンドがある為、スジエビだと思います。
<データ>
名前:スジエビ
分布:滋賀県全域
体長:30mm~50mmくらい個体を良く見かけます
生息:河川下流域、用水路、沼、池、湖などの水草の中
     
特徴:
 漢字で「筋海老」と書く陸封型の淡水エビですが、汽水域にも多少棲息していますね(海にいるのは近似の別種)。体型は腰が大きく曲がっていまして、複眼の眼柄は比較的長めで飛び出して見えますね。体色は透明な体に黒い帯が数本入り、脚関節などに黄色が見られます。繁殖期は4月から8月頃まで、小さな卵を抱卵したメスを見掛けた事があります。卵から孵化すると、ゾエア幼生と呼ばれるプランクトン状態で放出されます(ミナミヌマエビは稚エビを放出)。ゾエア幼生は脱皮を繰り返しエビの姿になって行くそうです。釣具店や熱帯魚店で生餌として大量に売られてますが、唐揚げにして食べることが出来る。(川エビのかき揚げとして売られていることもある。琵琶湖の湖周道路沿いの朝市では、川エビの佃煮が売っています)夜行性なので昼間は隠れていることが多い。若いテナガエビと酷似していますが、スジエビには頭の上に前向きの棘が無いようです。
参考・引用文献
私見:
 魚の餌にされ易いエビさん。良く見れば中々綺麗で面白いんですよね~
え?私?うん勿論、餌にしか見えませんね~(笑)
採取:
 琵琶湖では、生茂ったのアナカリス(通称オオカナダモ)の中に網を入れると大量に捕れます。夜行性なので、夜間に石積みや水草の周りをライトで照らして網で掬うのも効果的(夏期)
飼育:
 ①容器:30㎝水槽に成体飼育数は2~4匹
 ②底床:砂や砂利
 ③濾過:どれでも可
 ④設備:ヒーター×、エアーポンプ×、ファンorクラー×
 ⑤水草:アナカリスやマツモ
 ⑥餌 :人工配合飼料
 ⑦混泳:食べられない程度の大きい魚
 ⑧置物:隠れ家となる流木など
 ⑨繁殖:難しい(ゾエア幼生の飼育が)

 水槽に塩素中和した水を入れて、砂利を敷き小石と水草をレイアウトする。(水草は、アナカリスなどを浮かべる)外に飛出すことも有るので、水槽に蓋をした方が良いです。酸欠に弱く、急な水温上昇にもやや弱いので気を付けて上げましょう。肉食性が強いく、共食いをする為、過密飼育はお勧めできません。また、大きな個体はメダカくらいなら捕まえて食べてしまいますので、混泳魚を選びましょう。餌は雑食性ですが、ほぼ肉食と考えて良いです。人工飼料ならカメの餌でも魚の餌でも何でも慣れ易く、飼育は淡水エビの中では、1番容易なのでは? 繁殖は、ゾエア幼生の餌を確保するのが難しい為、困難だと思います。(エアレーションと豊富なプランクトンを確保して上げれば、出来ないことは無いようです。後、水流も無い若しくは弱い方が良い)
 私は蓋をしなかった為、何かに驚いて飛び出してしまったエビに気付かず、干乾びさせたことが有ります。また、ヌマエビと一緒に飼育して、子エビを食べられたことも有ります。ついでに、餌が不足すると小さなスジエビは仲間に共食いされます。飼育というより、彼らの食欲に注意して下さい。
 釣りの餌扱いを受けていますが、侮れない美しさがあり、動きも活発で、飼育自体も容易なため、観賞向きの生物だと思います。
動画:

画像:
        
     09.03.27追加。抱卵中のスジエビ。

     スジエビの卵を接写、拡大
        
     生まれたての幼生達。形状は親とそっくりですね~
    
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