川口順子参議院環境委員長による「中国渡航に関する経緯の説明」をじっくり読んでまとめてみた。
川口氏は、今回「アジア平和・和解評議会」(APRC、Asia Peace and Reconciliation Council)の発起人の一人として、議院運営委員会理事会の決定により、 23日から24日の予定で(会議は25日までであったが委員会は認めなかった)、中国外交部の外郭団体である 中華人民外交学会の招聘により、楊潔篪国務委員(外交担当、前外交部長)、 及び王毅外交部長との会談のため 中国を訪問した。
先ずここで疑問がある。なんで会議は25日までかかるのが明らかだっのに、理事会は24日までしか川口氏の出張を認めなかったのだろうか
まず川口氏が23日に北京に到着した時点で、会談の日程が24日、25日の両日に予定されること以外は未定だった。
おまけに王毅外交部長が四川省地震対策のため、ドタキャン。24日午後には中国政権に大きな影響力を持つ外交関係シンクタンク幹部との会議が設定され、さらには楊潔篪 国務委員との会談が 25 日午前になること、などが判明した。
中国の常套手段とはいえ、分刻みで動く政治家を招聘しておいて、24日の朝まで会議のスケジュールを知らせないなどというのは、あまりにも異常かつ無礼ではないだろうか。
さらに安倍政権となり、中国の要人との会談が皆無の状態で、(鳩ポッポじゃあ話にならない)楊潔篪(中国でも指折りの外交官とのこと)氏など、中国高官との会談が次々設定され、川口氏はさぞかし悩まれた事であろうが、出張を延期する事を決断された。しかし議院運営委員会はそれを認めなかったのである。
川口氏の会談参加の目的は明らかで、「我が国の主権と領土を守る国益を果たすため、堂々と我が国の意見を会議で主張すること」であった。会議には川口氏以外日本人の参加はない。川口氏が参加しなければ、各国の参加者に対して、一方的に中国の主張が吐露されてしまうではないか。
川口氏の会議参加を認めない参院議院運営委員会の姿勢とはいかがなものであろうか。民主党などの野党は日頃から中国との対話を重視せよと主張しているのではないのか。
それにしても、中国側のやり口と、参議院における野党の動きが奇妙に連携しているように思えるのは、私だけであろうか。
以下は川口氏の声明の全文である。
中国渡航に関する経緯
平成 25 年5月 2 日
参議院 環境委員長 川口 順子
このたびの私、参議院環境委員長 川口順子の中国出張に関し、参議院議院運営 委員会決定と異なる形の滞在延長となり、議院運営委員会及び環境委員会の皆 様をはじめ、関係各位に多大なご迷惑をおかけしたことについて、深く陳謝申 し上げます。
本件の経緯は以下の通りです。
1. 私は「アジア平和・和解評議会」(APRC、Asia Peace and Reconciliation Council)の発起人の一人として、このたび、中国外交部の外郭団体である 中華人民外交学会の招聘により、楊潔篪国務委員(外交担当、前外交部長) 及び王毅外交部長との会談のため、中国を訪問しました。 なお、「アジア平和・和解評議会」は、アジアの平和と和解に関心を持つ 22 名の元元首、元外務大臣等が発起人となって設立した組織であり、”silent diplomacy”(静かな外交)による問題解決を目指しています。(会長はスラ キアット元タイ外務大臣、事務局は在タイ)今回訪問への主たる参加者は、 スラキアット元タイ外務大臣、アジズ元パキスタン首相、デヴィッド・ケネ ディハーバード大学法学部教授及び川口ほか7名でした。
2. 私は参議院環境委員会委員長であり、「国会開会中における常任委員長及び 特別委員長の海外渡航に関する申し合わせ」により、海外渡航は自粛すると されていることから、本件出張については、議院運営委員会理事会の決定に より、23 日から 25 日の出張を一日短縮し、24 日中に帰国する形で出張をお 認めいただきました。このことについては委員長及び議院運営委員会の各位 に御礼を申し上げます。
3. しかしながら、23 日の私の北京到着時点では、会談の日程は 24 日及び 25 日の両日に予定されること以外は未確定でした。24 日朝の打ち合わせ時点 で、1王毅外交部長は四川省地震対策のため会談をキャンセルし、また変更 の結果、代わりに程国平副部長が 24 日午前に会うこと、224 日午後に、中
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国外交政策について、政権に大きな影響力を持つ外交関係シンクタンク幹部 (中華人民外交学会、社会科学院日本研究所、中国アジア太平洋学会、中国 国際問題研究所、中国改革開放フォーラム)との会議が設定され、そのテー マが先方の決定として「中国の外交政策と近隣諸国」となったこと3楊潔篪 国務委員との会談が 25 日午前になること、等が判明・確定しました。ちな みに、楊潔篪国務委員は、外交部長から国務委員(外交担当)に昇格後日本 人とは誰にも会っていませんでした。
4. 24 日中に帰国するためには、24 日 14 時半には北京市内を出発する必要があ り、そのためには、上記日程の2および3に出席することは不可能となりま す。
5. 他方で、尖閣諸島をめぐっての日中間の緊張の高まり、及び 23 日の国会議 員による靖国神社参拝などから、一連の会談において、このテーマが大きな ウエイトを占めることは容易に想像されました。日本人が一人もいない状況 で、本件に関し中国側が偏った意見を提起する事態を避けることが我が国の 国益であり、また、中国の外交政策決定当事者であり旧知の楊潔篪国務委員 及び外交政策に関し政権に提言をする立場のシンクタンク幹部と本件に関 し直接に十分な議論・反論を行い、現在対話がほぼ途絶えている状態の中国 側に対し、我が国の考え方を伝えるとともに理解を慫慂することも国益上必 須と考えました。
6. 結果的には、楊潔篪国務委員との会談は時間を節約するために、先方が途中 から通訳なしの英語の会談に変更し、また、シンクタンク関係者との会談は、 予定時間をはるかにオーバーし、同時通訳を活用してもなお 3 時間を越えま した。討議の 6 ないし 7 割が日中関係でした。日本の対中政策を十分に説明 できたと考えております。同行のデビッド・ケネディ教授から、シンクタン ク幹部との会談に関し、「あなたは、日本の立場を十分に守ったし、なおか つ、建設的に解決策についても議論し、良い会談だった。」とのコメントを いただきました。
7. 我が国の主権と領土を守る国益を果たすために北京に残るべきか、それとも、 環境委員長としての職責を果たすために午後早々に空港に向かうべきか、大 変悩みました。どちらの国益も重要であります。私は、環境委員長としての 職責に対する責任は、議院運営委員会において各会派のご理解を頂き、滞在 を延長していただくか、あるいは、国会の規定に従って代理によって対応す ることを認めていただくことで、曲がりなりにも果たすことができると考え、
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滞在を一日延長することについて、24 日朝、自由民主党の判断を仰ぎ、議 院運営委員会に延長の手続きを取っていただきました。
8. 結果的には時間切れとなり、議院運営委員会決定と異なる形の滞在延長とな りました。この点について、議院運営委員会及び環境委員会に多大なご迷惑 をおかけしたことについては、深く陳謝申し上げます。しかしながら、我が 国の政治家として主権と領土を守る国益に背中を向けることができなかっ たことが、今回の私の行動の理由であったことについて、ご理解いただきた いと考える次第です。
以上
http://www.yoriko-kawaguchi.jp/official/archives/pdf/20120502.pdf
川口氏は、今回「アジア平和・和解評議会」(APRC、Asia Peace and Reconciliation Council)の発起人の一人として、議院運営委員会理事会の決定により、 23日から24日の予定で(会議は25日までであったが委員会は認めなかった)、中国外交部の外郭団体である 中華人民外交学会の招聘により、楊潔篪国務委員(外交担当、前外交部長)、 及び王毅外交部長との会談のため 中国を訪問した。
先ずここで疑問がある。なんで会議は25日までかかるのが明らかだっのに、理事会は24日までしか川口氏の出張を認めなかったのだろうか
まず川口氏が23日に北京に到着した時点で、会談の日程が24日、25日の両日に予定されること以外は未定だった。
おまけに王毅外交部長が四川省地震対策のため、ドタキャン。24日午後には中国政権に大きな影響力を持つ外交関係シンクタンク幹部との会議が設定され、さらには楊潔篪 国務委員との会談が 25 日午前になること、などが判明した。
中国の常套手段とはいえ、分刻みで動く政治家を招聘しておいて、24日の朝まで会議のスケジュールを知らせないなどというのは、あまりにも異常かつ無礼ではないだろうか。
さらに安倍政権となり、中国の要人との会談が皆無の状態で、(鳩ポッポじゃあ話にならない)楊潔篪(中国でも指折りの外交官とのこと)氏など、中国高官との会談が次々設定され、川口氏はさぞかし悩まれた事であろうが、出張を延期する事を決断された。しかし議院運営委員会はそれを認めなかったのである。
川口氏の会談参加の目的は明らかで、「我が国の主権と領土を守る国益を果たすため、堂々と我が国の意見を会議で主張すること」であった。会議には川口氏以外日本人の参加はない。川口氏が参加しなければ、各国の参加者に対して、一方的に中国の主張が吐露されてしまうではないか。
川口氏の会議参加を認めない参院議院運営委員会の姿勢とはいかがなものであろうか。民主党などの野党は日頃から中国との対話を重視せよと主張しているのではないのか。
それにしても、中国側のやり口と、参議院における野党の動きが奇妙に連携しているように思えるのは、私だけであろうか。
以下は川口氏の声明の全文である。
中国渡航に関する経緯
平成 25 年5月 2 日
参議院 環境委員長 川口 順子
このたびの私、参議院環境委員長 川口順子の中国出張に関し、参議院議院運営 委員会決定と異なる形の滞在延長となり、議院運営委員会及び環境委員会の皆 様をはじめ、関係各位に多大なご迷惑をおかけしたことについて、深く陳謝申 し上げます。
本件の経緯は以下の通りです。
1. 私は「アジア平和・和解評議会」(APRC、Asia Peace and Reconciliation Council)の発起人の一人として、このたび、中国外交部の外郭団体である 中華人民外交学会の招聘により、楊潔篪国務委員(外交担当、前外交部長) 及び王毅外交部長との会談のため、中国を訪問しました。 なお、「アジア平和・和解評議会」は、アジアの平和と和解に関心を持つ 22 名の元元首、元外務大臣等が発起人となって設立した組織であり、”silent diplomacy”(静かな外交)による問題解決を目指しています。(会長はスラ キアット元タイ外務大臣、事務局は在タイ)今回訪問への主たる参加者は、 スラキアット元タイ外務大臣、アジズ元パキスタン首相、デヴィッド・ケネ ディハーバード大学法学部教授及び川口ほか7名でした。
2. 私は参議院環境委員会委員長であり、「国会開会中における常任委員長及び 特別委員長の海外渡航に関する申し合わせ」により、海外渡航は自粛すると されていることから、本件出張については、議院運営委員会理事会の決定に より、23 日から 25 日の出張を一日短縮し、24 日中に帰国する形で出張をお 認めいただきました。このことについては委員長及び議院運営委員会の各位 に御礼を申し上げます。
3. しかしながら、23 日の私の北京到着時点では、会談の日程は 24 日及び 25 日の両日に予定されること以外は未確定でした。24 日朝の打ち合わせ時点 で、1王毅外交部長は四川省地震対策のため会談をキャンセルし、また変更 の結果、代わりに程国平副部長が 24 日午前に会うこと、224 日午後に、中
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国外交政策について、政権に大きな影響力を持つ外交関係シンクタンク幹部 (中華人民外交学会、社会科学院日本研究所、中国アジア太平洋学会、中国 国際問題研究所、中国改革開放フォーラム)との会議が設定され、そのテー マが先方の決定として「中国の外交政策と近隣諸国」となったこと3楊潔篪 国務委員との会談が 25 日午前になること、等が判明・確定しました。ちな みに、楊潔篪国務委員は、外交部長から国務委員(外交担当)に昇格後日本 人とは誰にも会っていませんでした。
4. 24 日中に帰国するためには、24 日 14 時半には北京市内を出発する必要があ り、そのためには、上記日程の2および3に出席することは不可能となりま す。
5. 他方で、尖閣諸島をめぐっての日中間の緊張の高まり、及び 23 日の国会議 員による靖国神社参拝などから、一連の会談において、このテーマが大きな ウエイトを占めることは容易に想像されました。日本人が一人もいない状況 で、本件に関し中国側が偏った意見を提起する事態を避けることが我が国の 国益であり、また、中国の外交政策決定当事者であり旧知の楊潔篪国務委員 及び外交政策に関し政権に提言をする立場のシンクタンク幹部と本件に関 し直接に十分な議論・反論を行い、現在対話がほぼ途絶えている状態の中国 側に対し、我が国の考え方を伝えるとともに理解を慫慂することも国益上必 須と考えました。
6. 結果的には、楊潔篪国務委員との会談は時間を節約するために、先方が途中 から通訳なしの英語の会談に変更し、また、シンクタンク関係者との会談は、 予定時間をはるかにオーバーし、同時通訳を活用してもなお 3 時間を越えま した。討議の 6 ないし 7 割が日中関係でした。日本の対中政策を十分に説明 できたと考えております。同行のデビッド・ケネディ教授から、シンクタン ク幹部との会談に関し、「あなたは、日本の立場を十分に守ったし、なおか つ、建設的に解決策についても議論し、良い会談だった。」とのコメントを いただきました。
7. 我が国の主権と領土を守る国益を果たすために北京に残るべきか、それとも、 環境委員長としての職責を果たすために午後早々に空港に向かうべきか、大 変悩みました。どちらの国益も重要であります。私は、環境委員長としての 職責に対する責任は、議院運営委員会において各会派のご理解を頂き、滞在 を延長していただくか、あるいは、国会の規定に従って代理によって対応す ることを認めていただくことで、曲がりなりにも果たすことができると考え、
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滞在を一日延長することについて、24 日朝、自由民主党の判断を仰ぎ、議 院運営委員会に延長の手続きを取っていただきました。
8. 結果的には時間切れとなり、議院運営委員会決定と異なる形の滞在延長とな りました。この点について、議院運営委員会及び環境委員会に多大なご迷惑 をおかけしたことについては、深く陳謝申し上げます。しかしながら、我が 国の政治家として主権と領土を守る国益に背中を向けることができなかっ たことが、今回の私の行動の理由であったことについて、ご理解いただきた いと考える次第です。
以上
http://www.yoriko-kawaguchi.jp/official/archives/pdf/20120502.pdf
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