もう今年も終わろうとしている。 いつもながら時間は早く過ぎていく。
今年はどんな年だっただろうか。 振り返って考えてみると、変化の年だったという思いが強い。
今年の2月末で7年間勤めた会社を辞めた。 もう少し続けようと思っていたので、私にとっては大変なことだった。 辞める前は、仕事がなくなったらどうしようか、ということで頭がいっぱいだった。どちらかと言うと、もう真っ白…
そして、すぐに起こった大震災。 一時は心が冷え切って、周りが白く見えたものだ。 ここ関西では実際の被害はなかったのに、外に出てみると、通りを走る車の数も少なく、街は閑散として、リュックを背負ったおじいさんがとぼとぼを歩く後ろ姿に強烈な印象を持ったのを今でもはっきりと覚えている。
16年前の阪神大震災を思い出してしまったからだ。 忘れようとして片隅に追いやったはずなのに、すっかりあの時の気持ちが湧き上がり、どうしようもないやり切れなさを再び味わうことになった。また一からやり直し… しかし、今度は実害がなかったので、回復は早かった。 周りの環境に変化がないことを確認すると心理的な持ち直しは早かったと思う。
通訳ガイドの資格で会社を辞めたら少しは仕事ができるかと期待していたので、震災の痛手は大きかった。今まで活躍していた人たちの仕事も全くなくなったから。 外人観光客が全くいなくなったのだ。 本当に一時は誰もいなくなり唖然とした。 原発の影響で日本全国が危ないと思っている外人は多いと聞くから、これからもしばらくは外人観光客は増えないだろうな。 もっと日本政府(か関係筋)が情報を発信すれば、また別だと思うけれど。
しかし、拾う神もあるもので仕事は意外なところからやってきた。 しばらく続けた会社員生活ですっかりなまってしまったスキルを立て直すのが大変で、今なお元通りとはいかない。 それにしても、この仕事のおかげで何とか道がついてきたように思う。 10年以上も前にお世話になった会社からお声がかかるなんて思ってもみなかった。ありがたい話である。
また、会社を辞める前から続けていた新しい分野の通訳の方でもエージェント登録がかない、今では時々仕事を頂くまでになった。 第2の拾う神だ。 こちらはTPPで規制緩和されるともっと仕事が増えるかも?しれない。まだまだ未開拓分野で何とも言えないけど。
震災と原発で、今年は全てが大きく変わり始めたように思う。 自然の脅威は人知を超えるものがあることを、また思い知らされた。 自然への畏怖の念を忘れないようにしないといけない。それにしても、それがわかるために払った犠牲が大きすぎる。 子供たちの世代のためにも、安全で安心して暮らしていける世の中になってほしいと心から願う。