黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

新金谷の廃車輌 #06

2005-12-07 05:17:28 | 鉄道遺産


静岡県の大井川沿いに走る大井川鉄道の車輌車庫、
新金谷駅に眠る廃車輌の特集の最後はSLです。
昭和14年(1939)年に作られたこの機関車は、
九州各地で活躍したあと、この大井川鐵道へやってきました。
昭和50年(1975)の廃車以降、部品の交換用として、
この側線で眠り続けています。
撮影したのはちょうど秋たけなわの時で、
機関車の周りを囲むように背高粟立草(秋のキリン草)が群生していました。

しかしこうやって廃車輌をアップしながら見ていると、
乗り物の廃棄物は、建物や施設の廃墟に比べて、
ダイレクトに訴えかけてくるので、
気持ちの逃げ場が少なく、ちょっと困りました。
特に鉄道を走った乗り物はそれがひとしおなので、
本当は不用意にパシャパシャと撮影できるものではないな
と感じます。

ちなみにここ数日に渡ってアップしてきた廃車輌は、
残念ながらいずれも解体されてしまいましたが、
この機関車だけはまだ残されているそうです。

■シリーズ:新金谷の廃車輌■
旧富士身延鉄道 #01
旧富士身延鉄道 #02
旧伊豆箱根鉄道 #01
旧伊豆箱根鉄道 #02
旧山形交通高畠線
 

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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
残っているのですね (GG-1)
2005-12-08 13:55:06
新金谷の車両群、解体されたと聞いて見ておけば良かったと後悔していたのですが

このSLは残っているとの情報をこちらで見て

次の機会には絶対に廃車両ヤードまで足を伸ばそうと思いました

情報有難う御座います
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そうなんです (廃墟徒然草)
2005-12-08 23:58:50
▼GG-1さんへ



この新金谷シリーズの#01~#04が解体済みな事は、

mn89masaさんのblogで知りましたが、

それでは#05と#06も解体されてしまったのかと思い、

大井川鐵道へ直接問い合わせて確認してみました。

ついこの前のことなので、

まだ蒸気機関車だけは残っていると思います。 

 

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寂しいですよね (mn89masa)
2005-12-09 16:41:27
撮ろうか 撮るまいか

実のところ 悩んでしまいました

配車体が存在するという事は 切り撮っておきたいけれど

何時までも それが在るというのも

その鉄道の現状を 表しているようで

色々な気持ちが混ざって 複雑でした

撮る事への踏ん切りは 解体したら形も無くなる事 と 長年走り続けた労いをこめて。

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車輌への繊細な想い (廃墟徒然草)
2005-12-10 00:34:01
▼mn89masaさんへ



やはり、不用意にパシャパシャ撮っては、

いけなかったんですね。

悩みながら、でも撮る意義を自分にいいきかせつつ、

撮影するものだったんですね!



実際に目の前で見た時は、

悲しげな印象は受けませんでした。

どの車輌も、自分の役目をわかりつつ、

でも過去の活躍した時代をちゃんとのこしながら、

そこに堂々とあったのですが、

いざ画像でみてみると、

なぜか建物とかよりも、

悲しげな度合いが遥かに高い感じがしました。



建物にしても、その建物を造った人にとっては、

悲しさの度合いもひとしおだと思いますが、

やはり建物はどんな姿になろうと、

それなりの美しさを保ってるような気がするのですが、

乗り物は凄く有機的に感じ、

それだけ、感情にもダイレクトに訴えかけられて、

まいりました。

 

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