黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

池島炭鉱 #04 坑外施設1

2009-12-18 00:18:36 | 池島炭鉱
長崎県にある21世紀まで操業していた、
九州最後の炭鉱、池島炭鉱をお送りしています。
今回は坑外(坑道の外にある)施設です。



坑道見学の時に乗った人車を上げ下ろしする捲座。
見学などで使われているので、
とても奇麗に手入れされています。
身長よりも大きく、太いワイヤーが巻き付いています。
昇降は、深度やスピードが分かる、
極めてアナログな計器を見ながら、
長年の勘をたよりに運転台から行います。



捲座から外へ繋がるワイヤーロープ。
この先に坑内への人車が繋がっていますが、
視認出来ない程の距離をとっています。
画像奥に見える、筒状の廊下のようなものが、
掘り出した石炭を選炭工場へ運搬するコンベア、
その奥に建つ櫓が、旧第一竪坑です。



右の真ん中にワイヤーが通る軌道は、
やがて人車へと続いています。
左側の軌道は相当歪んでいますね。
坑外にはいたるところに縦横無尽に、
軌道が張り巡らされています。



採掘した石炭を運び出す連卸坑口。
右側に写るのが石炭を運搬するコンベアです。
インドネシア語で書かれた消火器の文字が、
東南アジアからの研修者施設として使われている事を
教えてくれます。



第一竪坑の横にあった排気塔。
第一竪坑は、後年第二竪坑にメインの役割を譲り、
その後は排気竪坑として使われてきました。





鉱業所の敷地のはずれにある、
火力発電所兼海水淡水化装置跡。
操業時は、採掘した石炭で発電し、
さらに海水を淡水化して水の供給もしていた様ですが、
閉山後は閉鎖され、
現在は電力も水も外部からの供給のようです。



閉山してすぐの頃訪れた時はまだ奇麗でしたが、
今年訪れてみると、だいぶ傷みも進行している様でした。





発電所と道を挟んで海側にある、
発電で使った石炭のかすを処理する工場。
この裏手に、かつてはボタ浜が広がっていましたが、
いまではもう黒々とはしていません。
ただ、実際に浜へ降りてみると、
前回の記事でもちょっと触れた松岩と呼ばれる、
石炭になりそこねた、木の年輪等がよく分かる石が、
沢山転がっています。

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