仕事でちょっと行った台湾の話です。
最初の記事から登場する日月潭(にちげつたん・sun moon lake)について少し。
台湾で最大の淡水湖の日月潭は名勝でもあり、
複雑に入り組んだ湖岸や岸からの眺望は、
神奈川県にある芦ノ湖に近い雰囲気があります。
実際湖のデータを調べてみると、
日月潭:
海抜748m、水深27m、周囲37km、面積5.4平方キロ
芦ノ湖:
海抜725m、水深44m、周囲21km、面積7平方キロ
なので、海抜の高さが同じくらいなのが、
似た空気感をだしているのかと思います。
面積に比べて周囲が長い日月潭は、
芦ノ湖より入り組んでいることになります。
湖の周囲には観光街が点在しますが、
日本で言ったら、箱根と熱海を足して2で割ったような雰囲気です。
安宿系はケバい観光街の中に林立し、
高級系の宿泊所は景色のいいロケーションに単体で建っているあたりは、
湖観光地の基本的な造りと同じです。
芦ノ湖との最大の違いは湖の水の色で、
かなり緑がかっていますが、
その緑が「緑」というより「翠」の印象を受けます。
湖水に繁殖する大量の微生物が作り出す色だそうです。
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この季節台湾では滅多に晴れないので条件は悪かったですが、
画像の湖面が翠がかっているのがわかると思います。
湖面一杯に霧が立ちこめる枯淡の風景は、
幻想的な雰囲気を醸し出します。
湖には見慣れない舟が何艘か浮かんでいました。
長方形の板状の甲板の端に、
いい感じに錆び付いた鉄製の小屋が乗っかり、
前方に巨大な四手網を装備した漁船です。
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船の左や右奥に草の生えた小さな島が見えますが、
これは昨日までの記事で触れた原住民、邵(サオ)族に伝わる、
漁のための人工魚礁です。
竹を編んだものに泥を敷き、野花や雑草を植え、
下へ伸びた根が食べ物を探して集まる魚を誘き寄せる構造で、
日月潭の湖畔にはこの魚礁が沢山浮かんでいます。
夜になると、湖畔の観光地の明かりが、
霧の立ちこめる上空に反射して、
昼とはまた違った風景を作り出します。
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中央に島のように見えるのは島ではなく半島で、
日月潭の複雑な入り組み方がわかります。
半島の左側が日潭、右側が月潭と呼ばれています。
半島の右3分の1位の位置の手前に、
ほんの少し黒が濃い部分がありますが、
そこがかつて邵族が住んでいた、
そして台湾921大震災で崩壊してしまった、
拉魯(ラルー・lalu)島の痕跡です。
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【特集】台湾
・#01 高速からの光景
・#02 原住民・邵族の村
・#03 原住民・邵族と拉魯島
・#05 涵碧樓大飯店 The Lalu
・#06 台北の廃墟
・#07 『アキラ』の世界
・#08 ボーダーレスな台北の廃墟
・#09 大繁華街の完全廃墟
・#10 台湾の廃墟感覚
・#11 活気ある廃墟的光景
・#12 檳榔売り
・#13 最終回
芦ノ湖には度々行っておりますが、霧が掛かったら掛かったで殆んど前が見えなくなるか、ピーカンの星空で、こんな良い具合の光景は見たことが有りません
網を広げた船も、見慣れないので最初帆船の帆かとも思いました
月潭なんて字を見ると月餅を連想してしまいます~
格調を壊し、すみません。食いしんぼなもので・・・
肉眼では、ここまで明るくは見えません(汗
少し長時間なので・・・
私も芦ノ湖、箱根へは何度も行っていて、
特に記憶にあるのは小田急山のホテルに泊まった時のことです。
夜、一面霧がたちこめ、
おっしゃるように前が全く見えませんでしたが、
これは芦ノ湖の西側に施設らしい施設がないからでしょうか。
でも逆に前方がみえないおかげで、
湖面と霧と空の境界線がまったくなくなり、
霧の中から満天の星がグラデーションで立ち上がっていたのは、
日月潭とは違ってとてもよかったです。
月餅で思い出しましたが、月餅を食べませんでした。
お菓子らしいお菓子を殆ど食べませんでした。
食事に興味があおりなら、台湾はいいんではないかと思います。
スタッフは皆、おいしいおいしいを連発していましたから。
私には全体的に寝むたい味に感じられて、
日本に帰って食べたソース焼きそばが浸みましたが(悲