黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

【特集】台湾 #08

2006-02-03 10:12:39 | 臺灣旅行記


仕事でほんの少し行った台湾の、
滞在の後半を過ごした台北の廃墟事情の話です。

昨日までアップした建物や廃墟的光景は、
日本にはない台湾独自の色合いが出た風景で、
同時に全てに現役の建物が写り混むものでしたが、
逆に結構綺麗な外観ながらちゃんとした廃墟も、
市内のあちこちに点在しています。



画像は建物の形から、なんらかの発送代理の施設跡だと思いますが、
日本にあってもおかしくない雰囲気を出しています。
壁面の傷み具合から、
閉鎖後それ程時間が経っていないものに見えますが、
完全な廃墟です。

また、この建物のすぐ隣には、
窓枠のデザインを除けば、
日本の公営住宅の解体前の光景と言ってもまったく違和感のないような、
アパートか寮の廃墟もありました。



建物がそんなに傷んでいないことや、
台湾の廃墟を特徴づける煉瓦の瓦礫がないことなどが、
これらの廃墟が日本的な廃墟の印象を受ける理由だと思いますが、
建物の傷み具合だけみると、
昨日までの現役の建物の方が進行しているように見えます。

このように台北の市内には、
廃墟より廃墟的な現役の建物と、
現役の建物より綺麗な廃墟が混在して、
廃墟とそうでない建物の境界線が曖昧な光景が広がります。

勿論画像のような明らかな廃墟物件も、
大通りを1本中に入った通り沿いにはごろごろしています。



この筋には20件くらいの低層ビルが並んでいましたが、
その内の3件が画像のような完全廃墟として放置されていました。
台北の記事を始めてからアップしている画像は、
全て日本で言ったら銀座~新橋のような場所を中心に、
徒歩で20分圏内の光景なので、
ここまで放置しておくのは、
日本ではありえませんね。

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【特集】台湾
・#01 高速からの光景
・#02 原住民・邵族の村
・#03 原住民・邵族と拉魯島
・#04 日月潭
・#05 涵碧樓大飯店 The Lalu
・#06 台北の廃墟
・#07 『アキラ』の世界
・#09 大繁華街の完全廃墟
・#10 台湾の廃墟感覚
・#11 活気ある廃墟的光景
・#12 檳榔売り
・#13 最終回
 


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