杵屋六郎ブログ

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古典は消えて行く、されど…… (花もよ叢書008)

2018-03-10 23:11:12 | 日記

山城少掾の芸談を調べていたら貴重な資料を発見した。武智鉄二が紹介した義太夫・歌舞伎を中心にSPレコードに残された名人芸の全てを紹介した重要な文章と音源が20枚のCDに収録されていた。価格はアマゾンで13660円で買える。歴史的な音源を破格の値段で入手できるのは嬉しい。飾りのない包装は内容の凄さに反比例している。

アマゾンによる商品の説明
本商品は、平成28年度(第71回)文化庁芸術祭レコード部門の「大賞」を受賞しました。 花もよ編集室が最大規模の企画を実現しました。 20枚CD付きで13660円(税込み)で、雑誌『花もよ』1年分(最新号から6冊CD6枚)が無料で付きます。Amazonでお求めのお客さまには、到着した商品の中に「花もよ1年分無料ハガキ」が封入されています。そのハガキを投函して頂くとすぐに「花もよ最新号」をお送りします。(初期の出荷分に封入のハガキに「花もよ編集室行」という宛名を貼り忘れたものを出荷してしまいました。申し訳ないですが「奥付」を見て手で住所を記入して投函して下さい。)以下、1年先まで隔月刊「花もよ」を無料でお送りします。「花もよ」は能・狂言総合誌で、毎回貴重なCD1枚付きです。 武智鉄二が雑誌に20回連載した「古典は消えて行く、されど……」は、義太夫、歌舞伎を中心にSPレコードに残された名人芸を片っ端から紹介した重要な文章です。その原稿を細かい注釈入りで復刊し、そこに推薦されたすべての録音をデジタル化して何と20枚組のCDを添付しました。 「武智歌舞伎」で有名な武智鉄二は、傑出した劇評家・演出家で、歌舞伎の富十郎、坂田藤十郎、の才能を開花させ、さらには市川雷蔵の才能を発見しスターとして育てた立役者というだけでも凄いです。能に関しては、22歳の観世寿夫「葵上」を観て「これで観世流は救われた」と批評を書いて寿夫神話の出発点となりました。 それだけ目の肥えた武智の推薦する名人芸ですが、今まではそれらのSPレコードはとんど入手困難で聴くことが出来ませんでした。今回、花もよ編集室が総力をあげて原盤を収集し、それらをベストな状態でCD化しました。 収録音源の詳細は「花もよホームページ」をご覧下さい。古靱太夫に関しては、代表録音「葛の葉子別れ」「道明寺の段」などのほか、3世清六との「合邦」、4世清六との「合邦」の両方を収録、(4世との「合邦」は初CD化)、若い頃、津葉芽太夫を名乗っていた時代の録音から初CD化の「寿式三番叟」も収録しました。 鶴沢道八と豊沢仙糸という三味線の名手の録音も初発表、道八の「逆艪」さらに「松波琵琶の段」は本当に凄いです。(同時に名著『道八芸談』も復刊しました。これに関してはAmazonより「花もよホームページ」から申し込んで頂いた方がお安くなります。) 先代津太夫「沼津」、先々代津太夫(堀川猿廻し)、若くして亡くなった天才・越登太夫(生写朝顔話)、古い名人の3世大隅太夫(鰻谷・堀川猿廻し)、摂津大掾(十種香)等々、書き切れません。8代目綱太夫の織太夫時代の私家版録音「逆艪の段」も真にもの凄い演奏で、こういう語りをやっていたから早死にしたと納得させられます。 歌舞伎も15代目羽左衛門、6代目菊五郎、6代目梅幸、5代目歌右衛門、7代目幸四郎、7代目中車、等々。 ほかにも地唄の富崎春昇の新発見録音「勤行寺」ほかも凄い演奏です。