ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

My Guitar #19 マーティン OOO-1 & M-36

2013年03月28日 | ギター
 前回のブログで、ビートルズのPlease Please Me のリリースに合わせた3月22日にそのLPを聞くことができず23日に持ち越してしまった、ということを書いたら、イギリスと時差があるから実際には23日で正解なのでは、というご指摘をいただいた。なるほど、ものは考えようだ。確かに時差が大きくあると、日本の22日は現地ではまだ21日だ。今回はそれで納得しよう。しかし、気持ちとしては今後は同じ日付でこのミッションをクリアしたいものだ。
 さて、今日の話題を。昨年購入したマーティンのM-36がとても快適だ。これは良いギターを手に入れたと我ながら思う。前にも紹介したが、このギターのタイプはOOOO(クアドラ・オー)と呼ばれ、よく見るOOO(トリプル・オー)と区別される。OOOOはドレッドとOOOの中間のサイズと言われる。
 そこで、我が家にあるOOO-1とこのM-36の大きさを比較してみた。(写真右)なるべく同じ角度になるように背中合わせに2本を置いて撮ってみた。ほんの少し、M-36のボディが大きい。ちなみに厚さはほとんど変わらない。そこで改めて両者を弾いてみるのだが、OOO-1は変わらずいい音。それなりに鳴ってくれるのであまり音量の差を感じない。M-36は音の余韻に深みが残る感じなので、それほど大音量でない方がしっくりくる。確かにD-35ほどの音量ではないと思うが、ドレッドと比較しても仕方ない。というわけで、自室で弾く分には両者の音量的な違いは感じられなかったというのが結論である。本来はサイズの違いで音の違いもあるのだろうが、演奏技術の問題もある。従って、この時点でこれ以上論じるのはやめておこう。OOOOサイズとはこのようなものである。
 あまりポピュラーではないこのM-36だが、結局良いギターである。




ザ・ビートルズ50周年追体験#3 Please Please Me

2013年03月26日 | ザ・ビートルズ
 3月22日は職場の夜の行事があったため目的を達成することができなかった。
  昨年2012年はビートルズのデビューシングルがリリースされてから50周年であったことはこのブログでも触れた。そして今年から見た50年前の1963年3月22日、彼らのファースト・アルバムPlease Please Me がリリースされた。そこで、ぜひアルバム発表の追体験をしようと思い、3月22日に手持ちのLP「プリーズ・プリーズ・ミー」を鑑賞しようと目論んでいたのである。しかし、帰宅した時には既に23日になっており、仕方なく翌日にアルバムに針を落とし、久しぶりにレコードを楽しみながら、あらためてこのアルバムの発表を心の中で祝福した次第である。
  私の元には2種類のこのアルバムがある。1枚は国内でモノラル盤として発売されたもの。もう1枚は英国リリースのステレオ盤で、再プレスされたもの。いずれも中古で購入したので盤についての詳細はわからないが、何と言っても1曲目のカウントから始まる I Saw Her Standing There がカッコイイ。知覚動詞を伴う典型的な英語第5文型であるこのタイトルも馴染みやすいし、確か邦題が「そこに彼女がいた」となっていたはずで、これまたウマいタイトルだ。
  この追体験は昨年12月末のこのブログで紹介したある専門誌のアイデアだが、私は面白いと思っている。次回は11月22日の With The Beatles ということになるので、少し間が空くが、バンド的には1年のうちに2枚もリリースした勢いを実体験できるものと思う。
  それにしても、まだ買っていないアナログ盤もあるので、今後どうするべきなのかが少しばかり悩ましい…。

乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10(集英社文庫)

2013年03月14日 | ミステリー小説
 ミステリー好きの私がこのシリーズの存在を知ったのは数年前のことである。これら10作は超有名な作品なのだろうが、いくつか未読のものがあり、その中のひとつ、ドロシー・セイヤーズの「ナイン・テイラーズ」をどこかで見つけて読んだのがこのシリーズを知るきっかけとなった。原書の出版当時の資料や乱歩の推薦文が掲載され、当然ながら他の出版社とは違う翻訳で、それも新訳が売りということで、かつて読んだ作品でも再読したいと思った次第だ。そこで一冊ずつ古本で探しては読み進めた。子どもの頃にあかね書房版で読み、さらに創元推理文庫でも読んだ大好きな「赤い館の秘密」(A.A.ミルン)や「黄色い部屋の謎」(ガストン・ルルー)が10作の中に含まれているのがとても嬉しかった。そして気がつくと古本ではあるが、全10冊が揃っていた。
 このシリーズは番号順とは関係なく出版されたようで当初、「黄色い部屋の謎」(第2巻)とクリスティの「アクロイド殺害事件」(第6巻)の2冊が刊行されたらしい。手元の同書を見ると初版として98年10月25日発行である。最終は第9巻の「樽」で99年6月25日の日付だ。ほぼ20世紀終わりの出版となろうか。
 翻訳もいろいろな方がしているが、以前の訳よりこなれた日本語で読みやすい印象を受けた。文字も見やすくて結構私はこのシリーズを読むのが楽しかった。最近は創元文庫も角川文庫もクイーンやカーなどの「新訳」ものを刊行し、充分私の興味を引いている。それらについては実際読んだ(でいる)ものもあるので機会があれば紹介したい。
 また、集英社文庫からは97年に「世界の名探偵コレクション10」というシリーズが刊行されている。シャーロック・ホームズはじめブラウン神父、ポアロ、メグレ警視などが登場しているが、中でもウールリッチの「ホテル探偵ストライカー」は子供向けに書かれたものを過去に読んだことがあったので、とても懐かしかった。残念ながらこちらのシリーズは手元に全10巻中5冊があるのみ。今後も気長に探してみよう。


プログレ 今日の1枚 #3 LIFESIGNS ライフサインズ

2013年03月11日 | プログレ
 2013リリースの作品。ライフサインズはキーボード、ドラムス、ベースからなるトリオバンドである。ジャンル的にはモダン・プログレだと思われドラマチックな展開が随所に聞かれるが、決して仰々しさがなく、ゆったりと聞くことができる。「大人のためのプログレ」という言葉があるとすれば、まさにそれが当てはまるかも。
 決して若そうではない(?)ジャケ写真のメンバーはJOHN YOUNG (keyboards, lead vocals), NICK BEGGS (bass, stick and backing vocals), FROSTY BEEDLE (drums)で、このバンドのデビュー作のようだ。それぞれ前歴のあるミュージシャンが集まり、しっかりとしたバンド・サウンドを聞かせる。全体の曲調に敬愛するスティーヴ・ハケットのアルバムを彷彿させる印象を受けたのだが、ベーシストがハケットバンドのメンバーだったことに加え、何とハケット先生自身がギターでゲスト参加している。そんなことは全く知らずに、サイトで試聴し購入をしたので、今自分が聴きたいサウンドはこういうタイプのものなのだなと、妙に納得してしまった。
 基本的にはキーボードがメインのバンドで、女声音を軽くミックスさせたような美しいパッド系サウンドが全体のトーンを形づける。ドラムはややタイトな感じ。その中でスティック・ベースが時折派手に刻まれる。そして、前述のとおりハケット先生の他にもギタリストが2名参加し、リードギターやアコギのアルペジオなどが随所に効果的に絡んでくる。また、懐かしいあのFocus(フォーカス)のタイス・フォン・レアーがフルートで参加し、サウンドに彩りを加える。(この人のフルートは、聞くと即わかるくらい、昔と変わらない。)
  全5曲中10分以上の曲が3曲、他が8分台、9分台と長尺の曲ばかりだが、決して飽きさせない。ゆったりと聞かせると記したが、ゆるやかで美しい旋律のみならず、時にはスリリングな展開を聞かせる場面もある。加えて、YoungとBeggsが兼ねるヴォーカルも力強く説得力に満ちていて、聞き応えは充分。各曲をイメージしたイラストがジャケットに掲載されているので、それを見ながら聞くとさらに全体のイメージが膨らむだろう。「星屑で一杯の冷蔵庫」のイラストは特に気に入った。
 このCDが到着した時、3回ほど繰り返し聞くことになった。それほど私の感性に合い、そして安らぎと感動を与えてくれた。あまりドラマティックすぎず、ほどよく盛り上がりたい方にお薦めしたいアルバムである。



My Guitar #18 新顔達No.2 リッケンバッカー 330

2013年03月10日 | ギター

 前回の続きとして今日紹介するニューフェイス2本目はリッケンバッカー330FGである。私はこのセミアコタイプのリッケンを長らく欲しいと思っていた。とにかくデザインが大好きなのだ。似たようなモデルとして360があるのだが、その丸みを帯びた形状よりもシャープな330の方が好みだ。特にここ数年間はネットでの中古情報によく目を通していたのだが、状態や金額からなかなかこれというのに当たらず、今に至っていた。
 時々お世話になっている札幌の某中古ギターショップがリッケンの中古販売に力を入れており、頻繁に商品がアップされる。以前試奏させてもらったこともあったし、一瞬欲しいと思ったギターがすぐに売れてしまったこともあった。そのショップにて新たに出ていた1本が私の目を引いた。2000年製であること(息子の生まれた年)、それにもかかわらず美品でコンディションが良いこと、色がファイアーグロー(レッド・サンバースト)で一番の好みであること、場所を取らない新タイプのハードケースが付属していること…。HPにアップされている個体の写真が、あたかも私に買ってくださいと訴えかけているような気がした(笑)。後は値段の折り合いがつけばということで、手持ちの2本(M-36とヤイリCE-1の入手で弾かなくなってしまったエアーズO-07とオベーションCSE-243)を下取りとして旅に出すことにし見積もってもらった。結果、査定額は少々厳しいものだったが、何度か店を利用しているということで、販売金額をかなり勉強してくれた。このことが決め手となり、購入に至ったわけである。
 リッケンバッカーは2008年製の620AFGを持っているが、新品で購入しほとんど観賞用となってしまっている。弾きやすいギターなのだが、狭い家でアンプに繋げて音出しするのに躊躇してしまう。で、なかなか弾き込めない。大切だからケースにしまいがちでもある。一方330はセミアコタイプなのでアンプ無しでも一応は鳴る(決して大きめの音ではないが)。620同様メイプル材のギターも自分の中では珍しい。常時部屋の中に置いて、気軽に手にしようと思う。
 それにしてもこのシェイプ、本当にカッコイイ。この年になってこれほどミーハーな気持ちになろうとは…。また、アンプにつなげて出てくる音は、特に高音がリッケンらしくキャピキャピしていて気持ちが良い。ネックもかなり細いはずだが私の太い指でもそれほど弾きにくさはなかった。これからいろいろなタイプの曲に試してみよう。弾きこんでからの感想はまた別の機会に。
(写真下620&330)

ステーヴ・ハケット来日公演決定!

2013年03月06日 | ミュージック
 先週、リンゴ・スターが来日し、公演をしたそうだ。海外ミュージシャンの来日は北海道外ではけっこう頻繁にあるようなので、羨ましい限りだ。6月にはデヴィット・リー・ロスが復帰したヴァン・ヘイレンが来日予定とのこと。先日私が当ブログでも紹介したMoon SafariもFlower Kingなどと1月に来日し、川崎でライブを行ったらしい。その時は私も東京にいたのだが全く知らず、機会を逸してしまった。誠に残念である。
 このことを反省材料としてアンテナを高く張っていたら、これも私のブログで紹介しているあのステーヴ・ハケット先生が、最新作Genesis Revisited II を引っ提げての、全編ジェネシスナンバーによる来日公演を6月上旬に行うことを知った。彼のオフィシャルHPでは今年から来年にかけての世界ツアー・スケジュールが発表になっていたが、日本は含まれていなかったと思うので、少々驚いた。その油断のせいで、第一次の先行予約抽選はすでに終了していた。そして今、第二次の受付中である。公演日が週末なので行けないわけではない、と思いながらも悩んでいる。
 ハケット先生が在籍していたジェネシスは78年に初来日している。アルバム「そして3人が残った」(写真)リリース直後である。私は運良く見に行くことができたが、当時彼はすでにバンドを去っていた。だからなおさら行きたいと思うのだが、あとは成り行きでの判断しかない。
 もし実現したとしたら、ロックでのライブはいつ以来だろうか。音楽ライブに行くこと自体は、転勤しながら住んでいた各地元での公演を中心に時々あった。昨年はスターダスト・レビューに行くことができ、定評どおりの楽しいライブだったし、いくつかのジャズも聞きに行った。年末にはSMAPもあった(笑)。札幌ではかつてエリック・クラプトンやサイモン&ガーファンクル、イーグルスの公演も行われたが、それらには行っていない。東京在住時の頃を思い出してみると、ピーター・フランプトン、カンサス、キャメル、UK(後にライブ・アルバムNight After Nightとしてリリースされた公演。私の拍手も録音されているはず…)、キング・クリムズン、そしてジェネシス…。あまり思い出せないがやはりプログレが多いか。最後に行ったライブは何だろう…。確か半券がどこかに残っていたはず、探してみよう。



My Guitar #17 新顔達No.1 マーティン M-36

2013年03月05日 | ギター
 私の所有するギターのうち3本がこの度旅に出た。どれもそれなりに愛着のあるギター達であったのだが、転勤族である我が家の状況で10本以上ものギターを所有することが難しくなってきた。そこで旅に出せばきっとかわいがってくれる人に出会えるのではないかと、淋しい気持ちで一杯だったが整理することにした。しかし、それで終わったわけではなかった。代わりに来てくれた2本がある。つまり買い換えたということ。結局数的にはマイナス1本。あまり整理しきれていないのが私の不徳といたすところ。すでにギター購入は終わったはずだったのだが…。
 閑話休題。今回はその新たな2本を順番に紹介する。まず1本目はマーティンM-36(上写真の右)。D-35との買い換えである。ドレッドノートは確かに音量が豊か。だが自宅の一室で弾くには音が大きすぎた。そして私の小柄な身体では抱えづらい、特に長時間の演奏では。「全音域でバランスの良いサウンドと、優しく柔らかい深みのある音色」なのは間違いなく、基本的に音色に不満はなかった。バックの3ピースの構造が功を奏していると言われている。そんな時、同じ3ピース構造をしている別タイプのマーティンがあることを知った。M-36である。
 東京のちょっと知っていて訪問したこともあるショップにそのM-36が入荷したのだ。あまり人気がないのか、すぐにプライスダウンとなり、結構手の届く価格帯である。ネットで調べると、このカタログはマイナーな存在のようなのだが、所有している人達によると評価が高い。D-35のように、知っている人には支持の高いギターであると思われた。ショップの説明によると、ボディサイズはOOOO(クアドロオー)タイプと言って、OOOとドレッドの中間サイズ。また、3ピース構造によるサウンドは確かにD-35のような響きで、違うのは薄めのボディサイズによる音量とのこと。その店には専属のリペアマンがいるので、調整もしっかりしている(過去の訪問で実感)。私が感じていた問題点はすべてクリアされるのではないかと思われたため、結局買い換えてしまったのである。(座右の銘:「思い立ったが吉日」There is no time like the present)
 D-35を旅に出す前にM-36が到着した。2本を比較してみた。ボディは当然形が違うが、深さもD-35が1.5センチほど長い。他は木材も同じスプルース、インディアン・ローズウッドなのでそれほど違いはない。張っている弦の違いを考慮しても両者の音色はほとんど変わらない印象だ。ただ、音量は全く違った。フィンガー弾きでも低音弦の響きはD-35が圧倒的だ。
 次に、Ayers(エアーズ)のO-07を取り出し、M-36と比較してみた。ボディの厚さはほぼ同じだが全体のシェイプはM-36の方がやや大きめ。これがOOOOサイズということか。エアーズのCPはとても高いと思う。細工も豪華でデザインが良い。ネックもマホ1本もの。チューニングも極めて安定している。さすがはハンドメイドと思わせる。O-07は高音のきらびやかな音がとても気に入っている。しかし、M-36は音の響きが違う。バックの3ピース構造(写真)から来るものなのかD-35同様によりまろやかな残響音が感じられる。これが万人が認めるマーティンの魔法なのだろう。特に私の購入した個体は95年製で、手元に来た当初は固い感じの音だったが、好みのDM弦に張り替え、少し時間の経った今はすっかりこなれた良い音を奏でてくれる。18年の年月を経て、トップはアメ色に変化しているが表面のラッカークラック等も見られず良い状態だと思う。サドルがかなり低めなので、これ以上低くするのは難しいかもしれない。現在6弦12フレットの弦高2.7ミリ程度なので、ネックに対しては配慮していく必要があるだろう。それにしても、これはやめられない、アコギはもうこれ1本で充分と感じたほどだ。

(次回へ続く)