ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

コンパクト・エフェクター感想記5 JOYO / Vintage Overdrive

2017年10月22日 | ギター

 今まで歪み系のエフェクターについて述べた。BOSSのSD-1は定評あるオーバードライブだが、今私が気に入っているのが本ペダルである。製造元のJOYOは中国のギター周辺機器メーカー。本製品はアイバニーズの定番であるチューブスクリーマーを模倣したものという。「クローン」だという人もいる。だが、それにより本物に勝るとも劣らないサウンドが得られると評判が高い。そして比較的安価である。私自身は緑色の筐体に黄色のつまみという色合いにも惹かれ、つい購入してしまった。

 全くアイバニーズのTS系を使ったことがないのでそれとの比較はできないが、オーバードライブとしてはSD-1やdistortion+より好みの音である。一言で言うと綺麗な歪み音である。つまり自分が弾いていて気持ちが良いという意味だ。ブースターとしての使用についても評価が高い。これがJOYO独自の開発力なのか、コピー力なのかは何とも言えないが、価格の割に使えるエフェクターであると評価したい。中国製、侮れない。

コンパクト・エフェクター感想記4 BOSS / DS-1 “ディストーション”

2017年10月09日 | ギター

 オーバードライブとディストーションはどう違うのかと思い探ってみたところ行き着いたのがこのディストーションDS-1。ネット上のレビューでは随分評判が良いようだ。そしてSD-1同様発売以来定番エフェクターとして君臨し、その分数多く出回っているのか中古価格も安めであったので2年ほど前に購入した。先に買ったSD-1と何度か比べてみたのだが、結論としてはDS-1の方が今のエフェクター・ボードに置かれている。これら歪み系ペダルDS-1とSD-1、比較すると音が全然違う。DS-1は高音が強調された深い歪みで、ゲインを上げるとコードだけ弾いてもそれなりのロックサウンドになる。ギターが上手になった気分にさせる。一方、SD-1の歪みはマイルドでウォームな印象。前回のブログでは「甘い」サウンドと評されると記した。歪みの激しさはDS-1の方が上か。何せDISTスイッチをゼロにしても歪んでいるのだから。そしてサスティーンが長いのでソロ弾きに適していると思う。

 結局、ディストーションとオーバードライブの線引きは曖昧な部分があるようだが、BOSS製品においては両者回路の違いもあるそうだ。それにしてもSD-1とDS-1、型番が紛らわしい。決してそれが結論ではないが、、、。

ライヴ・アット・ポンペイ/デビッド・ギルモア(ブルー・レイ盤)

2017年10月07日 | プログレ
 この新作は映像版で見るべきである。2016年7月7日と8日に世界遺産となっているローマ時代の石造りの歴史的建造物「ポンペイ円形闘技場」で行なわれたこのライヴは大スペクタクル映像作品である。新旧ピンク・フロイドナンバー、ギルモアのソロ作品がバランス良く選曲されていて、その演奏はとても安定している。その中で見られるステージ上の円形スクリーンでのバリライト、あるいは会場中に走る多色のレーザーなどの照明効果は、かつての新生ピンク・フロイドp.u.l.s.e.ステージを彷彿させながらも、石造りの歴史的建造物全体がイルミネーション化し、久しぶりに画面に釘付けとなってしまった。

 ふと見ると、一人のキーボード奏者はグレッグ・フリィンゲインズではないか!マイケル・ジャクソンやTOTOのサポートなどで超有名な彼がギルモアのライブステージに立っているとはとても意外だったが、フロイド往年の名曲も見事に演奏している。そしてギルモア本人も長年の愛器であるブラック・ストラトキャスターに加えて、スティール・ギター、55年製の見た目が年期の入ったフェンダー・エスクワィアー、ギブソンのアコギ、ナイロンギターなどを駆使し、往年のギターサウンドを奏でている。5.1chサラウンドとしては、ライヴらしい広がりのある空間処理をしていて、時々入るダイアログは完全にリア音声。

 今回バックコーラス3名のうち一人が男性で「虚空のスキャット」では今までにない男声スキャットが聞かれたのも斬新だ。圧巻は終盤のRUN LIKE HELLからTIME~COMFORTABLY NUMBで、ここで会場が一体化した光の演出には「狂気(喜)」すること間違いなし。

 ピンク・フロイドとして同じ場所で演奏したのが45年前。今回このような歴史的遺産の中で聴衆を集めライヴを行うことには多くの課題があっただろうと思うが、この場所で新たな歴史を刻む見事な演奏となった。やはり、この新作は映像版で見るべきである。

コンパクト・エフェクター感想記3 BOSS / SD-1 “スーパー・オーバードライブ”

2017年10月04日 | ギター

 かつてボスのOD-2 TURBO OverDriveを所有していた。かなりの歪みがターボスィッチを押すと簡単にでるエフェクターで、デモテープ制作の時に使用していた。記憶が定かではないが80年代の終わり頃購入したと思う。だが、その後ギターを始めた従弟にあげてしまった。そして数十年ぶりに中古で買ってみたのがSD-1である。何と言ってもロングセラーの定番ペダルなので、エレキギター初心者で知識のない私にとってちょうど良いのではと思ったのだ。

 実際使ってみると、以前の激しい歪み音を聞かせてくれたOD-2と比較すると随分おとなしいサウンドだと感じた。後に購入したDistortion+のザラザラ感とは明らかに違うのだがどう表現したら良いのか?そこでサウンドハウスのレビューを見ると、低音が削られる、甘い、ブースターとして秀悦などの感想が。こういうのを甘い歪みと言うのか。それは私にとっては微妙な表現だが、誰でも使えるコスパの良いペダルということで理解しておこう。