ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ピンク・フロイド最新作「永遠(TOWA)/THE ENDLESS RIVER」第一印象

2014年11月15日 | プログレ
 いよいよ彼らの最新作で最後作となるかもしれないアルバム『永遠』が届いた。私が購入したのはCD+DVD版で、写真のようにボックスにディスクやブックレットなどが封入されている。
 そしてまずは5.1サラウンドでの視聴である。オープニングはヒーリング・サウンド風のシンセの和音にギターが絡み、私好みで期待大の導入。曲間なく2曲目に移ると、まるで『炎』の出だしを感じさせる音色と曲調。ここではフロイド節全開という感じ。その後も好きな酒を飲みながら聞くと、自然に眠りに落ちていきそうな雰囲気の曲が多い。しかし、アルバム半ばのALLONS-Y(「行きましょう」の意味だったか)はロックぽい従来のフロイドらしい乗りのある曲で、なかなか良い。
 結論的に言うと広大なサウンド宇宙でのフロイド風ヒーリング・ミュージックが約53分間展開される。3人フロイドになってからの『鬱』や『対』の中にあったロックサウンドやギルモアのソロ作On An Islandで聞かれたポップなセンスの曲はあまり見あたらない。クレジットには大部分の曲に故リック・ライトの名前が見られ、当初の情報どおり93年の前作でのセッションが元になっているようだ。つまりライトの持つあまり複雑ではないがいかにもフロイドぽい断片をモチーフにした作品の仕上がりがそうさせたのかもしれない。
 そうした中、唯一のヴォーカル曲がラストのLOUDER THAN WORDS。こうしたギルモアのヴォーカルをもっと聞きたかった。この曲での彼のギターソロは往年のスタイルで涙ものである。
 以上はあくまで第一印象の範囲である。ロイアル・アルバート・ホールのパイプ・オルガンの演奏があったりスティーブン・ホーキングのサンプル・ヴォイスが挿入されていたり、なかなか凝った趣向も盛り込まれている。何度か繰り返し聞けば、また違った印象を受けるだろうと思うし、DVDの特典映像・オーディオに入っているアルバム未収録の曲もノリのあるフロイドらしい曲で思わず聞き入ってしまう。これからしばらくは彼らのラストアルバムとして、とことん楽しみたいと思う。


バート・バカラックの名曲たち

2014年11月13日 | ミュージック
 バート・バカラックの曲の中で好きな曲をと聞かれたら皆さんは何を上げるだろうか。私は、その時々に応じて変わることもあるが、まずはALFIE(アルフィー)だろう。とりわけルーマーがデビュー・アルバムで歌ったこの曲は私にとって最高の歌唱であり演奏である。しかし、名曲は他にもたくさんある。THIS GUY(ディス・ガイ)、サンホセへの道、ちょっと地味かもしれないがA HOUSE IS NOT A HOME、そしてカーペンターズの歌うCLOSE TO YOUはいつも愛聴盤。
     
 多分私がバカラックの曲を初めて知ったのは「幸せはパリで(エイプリル・フール)」だろうと思う。映画音楽好きの小学生だった頃にこの映画のサントラがよくラジオでかかっていた。曲は歌が女声コーラスで演奏はパーシー・フェイス・オーケストラである。この曲にはショート・ヴァージョンがあり、それには映画の中のセリフが挿入されていた。ラジオから流れるたびにメロディやコーラスの美しさに聞き惚れたものだ。後年CDを探したがまだCD化はされておらず、ようやく中古のアナログ盤を探し出し購入。このサントラアルバムには映画のセリフ、エイプリル・フールのインスト・ヴァージョンなどに加えて他のミュージシャンのポップス・ナンバーも収録されているがどれも良い。お気に入りのアルバムとなったが、後にとうとう紙ジャケでのCD化もなされた。しかし、気がついたら随分前にリリースされていてどこも完売状態。ネット上で探しに探して何とか手に入れることができた思い出の盤である。
     
 THE LOOK OF LOVE(恋の面影)も名曲だ。カバー・アーティストも多い。原曲はバカラックが手がけた映画「007カジノ・ロワイアル」サントラ中の1曲。これはダスティ・スプリングフィールドが歌っている。カバーとして有名なのはクロディーヌ・ロンジェの1曲。トミー・リピューマがプロデュースしニック・デカロがアレンジしたアルバム「恋の面影」で、独特のささやき声で歌っている。山下達郎のラジオ番組で初めて聞いたが、『イージー・リスニングの一歩手前』と同氏が紹介していたほど美しくしっとりとした仕上がりとなっている。また、ジャズのダイアナ・クラールも取り上げている。こちらはカルロス・ジョビンのアレンジャーとして有名なクラウス・オガーマンがオーケストラ・アレンジを手がけたゴージャスな演奏の元、じっくりと歌い上げている。(写真手前3枚)

 3曲ほど紹介しただけでこれだけ長くなってしまった。まだまだ良い曲がたくさんあるが、伝えきることはできない。それこそがバカラックの大きな魅力だと言える。


ピンク・フロイド新作「永遠/THE ENDLESS RIVER」がまもなくリリース

2014年11月12日 | プログレ
 本日朝日新聞の文化面に「ピンク・フロイド20年ぶりアルバム」とのタイトルでニューアルバムの紹介とメンバーであるニック・メイソンのコメント記事が載っていた。
 まもなく彼らの新譜「永遠(TOWA)/THE ENDLESS RIVER」が発売される。メイソンによると新作は「過去と現在のコラボ作品」で、前作「対/THE DIVISION BELL」時のセッションで生まれて手つかずに残った多くの曲を元に制作された。従って6年前に他界したリック・ライトも参加し逆にオリジナル・メンバーのロジャー・ウォーターズの参加はない。「収録にはあらゆる最新テクニックを使った、20年前なら不可能だっただろう。」と語っている。アルバム中最後の曲にのみ歌詞があるとのことで、インストメンタルに重きが置かれた作品のようだ。そして、大変残念なことに「世界ツアーは考えていない。」とのこと。90年代に行われたあの大スペクタクル・ショーを実体験してみたかった…。
 ところで、今回のアルバムタイトルは邦題「永遠」。フロイドのアルバムにはたいがいこのように邦題が付けられる。THE DARKSIDE OF THE MOONは「狂気」、WISH YOU WERE HEREは「炎」、前作が「対」、さらにその前が「鬱」など。一番印象深いのがATOM HEART MOTHER「原子心母」だ。単語を訳して並べただけなのが、とてもインパクトがあり、もはやこの邦題も私には四文字熟語のごとく定着している。「狂気」というタイトルは月の陰の部分から連想される言葉だが、「炎」はジャケット写真からのイメージだろうか。また、曲のタイトルもONE OF THESE DAYSが「吹けよ風、呼べよ嵐」(アルバム「おせっかい」)など、日本の担当者の奮闘ぶりが感じられる。新作の「永遠」はENDLESSという言葉から来ていると思われるがどうだろう。だが今回は今までと違って美しい響きの言葉だ。これがピンク・フロイドとして最後のアルバムに?という質問にメイソンは「そうだと思う。」と答え、そのような意味合いをもこの邦題の中に織り込んだのかもしれない。
 最後のメッセージかもしれないフロイドのアルバムまで、もうまもなくである。

「サイモン & ガーファンクル / コンプリート・アルバム・コレクション」が発売

2014年11月09日 | ミュージック
 サイモン&ガーファンクルの公式アルバム全てを収録したボックスセットが発売となる模様。64年のデビュー作「水曜の朝、午前3時」から70年の大ヒットアルバム「明日に架ける橋」までの5枚のスタジオ・アルバム(最新リマスター+ボートラ付き)に映画「卒業」サントラ盤、ベスト盤、ライヴ盤などが加わり全11タイトル12枚組のコンプリート版である。
 アマゾン・ジャパンの当該ページを見ると輸入盤が8千円台で予約発売中であるが、気になるのが国内盤。日本仕様の紙ジャケットとBLU-SPEC CD2の組み合わせとのこと。私の手元に何年も前に買ったスタジオ・アルバム5枚組の米国盤紙ジャケ・ボックスセット(写真)があるが、こちらは単にジャケットが紙になっただけの「残念」版である。S&Gの紙ジャケはすでに国内仕様が単品リリースされていて精巧な作りとなっていたので、新ボックスもジャケットの作りにおいては期待できる。(ただし輸入盤の方は未確認。)
 以前にも書いたが、私が生まれて初めて購入したLPがS&Gの「明日に架ける橋」だった。すり切れるほど聞いたアルバムだ。自分の音楽観に大きな影響をビートルズと共に与えられた。今回のボックスセットを購入すると彼らの公式アルバムが全て揃うことになるのは大きな魅力だ。国内盤は18,000円。さて、どうするか。
DISC-1『水曜の朝、午前3時』
DISC-2『サウンド・オブ・サイレンス』
DISC-3『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』
DISC-4『ブックエンド』
DISC-5『明日に架ける橋』
DISC-6『卒業~オルジナル・サウンドトラック』
DISC-7『サイモン&ガーファンクル・グレイテスト・ヒッツ』
DISC-8『セントラルパーク・コンサート』
DISC-9『オールド・フレンズ~ライヴ・オン・ステージ』[1]
DISC-10『オールド・フレンズ~ライヴ・オン・ステージ』[2]
DISC-11『ライヴ・フロム・ニューヨーク・シティ 1967』
DISC-12『ライヴ 1969』


アコースティック・ギター・メンテナンス・ガイド(リットーミュージック・ムック2014年11月1日発行)

2014年11月08日 | ギター
 アコギ好きの私にとって今回刊行されたこの冊子はとっても役に立ちそうである。愛器の点検、弦の交換、スタイル別のセッティング、保管と運搬、そしてトラブルシューティングなどについて網羅されている。まだ全て目を通した訳ではないがここから二点ほど内容を紹介。
  一点目は12弦ギターに関する特記事項について。レギュラー弦のみにしたり、逆に副弦のみでの演奏、1~3弦のみ副弦を張って弾くなどの提案があり、そういう使い方もあったかと納得。今度弦を張り替える時に試みてみようと思った。
 もう一つは弾かない時に弦を緩めるかどうするかの問題。以前私のブログでも話題にしたのだが、ここでは①ほぼ毎日弾く場合は1・2・5・6弦の4本のみペグ半回転程度緩める、3・4弦は切れやすいのでそのままに。②長期間弾かない場合は、全弦を1音分ずつ緩める、全音を均等に落とすこと、と断言している。その理由も明言されているのでなるほど、と思うのだがこの件に関しては緩める、緩めないの両論がある中、かなり断定的に「緩める」ことが述べられている。
 その他、素人アコギ奏者にとって参考になること多し。あまりこのような参考書は出ていないので私にとっては長らく手元に置くことになりそうな一冊である。


ザ・ビートルズのニュー・リリース

2014年11月07日 | ザ・ビートルズ
 ビートルズに関する新商品がまたまたリリースされる。まずは赤盤青盤のアナログLP。正確にはこちらもリイシューだがリマスター音源が用いられているとのこと。
 さらに日本限定企画商品、初回生産限定盤というSHM-CD仕様のステレオ盤紙ジャケCD。アナログ盤をミニチュア化した紙ジャケはモノラル・ボックスで日本制作の精巧なものが発売されているが、最初からステレオ盤のみでリリースされたYellow Submarine, ABBERY ROAD, LET IT BEそして赤盤青盤とPAST MASTERSの6種については含まれていなかったため、今回初紙ジャケとなる。本当に商魂たくましいと思うのだが、「限定」とか「初」何とかという言葉に弱い人達にとって購入欲が高まるのは間違いない。そして私もそのうちの一人である。
 LET IT BEは国内版のLPはダブルジャケットだったが今回はE式ジャケットと紹介されているのでシングルジャケット仕様のようだ。これらの中ではそのLET IT BEが欲しいなと思うのだが、ここまで来れば初リリース時に限定で発売された写真集付きのヴァージョンのミニチュア化を実現して欲しかったと思う。次回はぜひお願いしたい。12月17日発売。 
(写真:これらのアルバム+パスト・マスターズが初紙ジャケとなる模様)


ジョン・バリーの映画音楽3

2014年11月06日 | ミュージック
 今回はジョン・バリーのCDコレクションの紹介と単なる感想を。目下所有しているアルバムは写真の9枚を含め十数枚。
 一番古いのは「真夜中のカウボーイ」だろうか。この作品ではニルソンの「噂の男」が日本でも大ヒットしたし自分も大好きな曲。加えてアルバム中のFUN CITYという曲がジャージーかつストリングスが重なる甘い楽曲で、寝ながら聞くと必ず眠りの中に落ちる。ピアノ演奏も含め名曲。
 その他好きな曲を上げていくと、「女王陛下の007」のルイ・アームストログの歌うWE HAVE ALL THE TIME IN THE WORLD、「007は二度死ぬ」の東洋的な旋律が耳に残るタイトルソング、「国際諜報局」のメインタイトル、これは前述のように何度も繰り返し聞いた名曲で、確かにスパイ映画らしい雰囲気がある。中学生の頃映画がテレビで放映されたので楽しみにして見たが、内容はよくつかめなかった。「間違った箱」のメインタイトルは本当に美しい佳曲で、城達也氏のジェットストリームで流れてもおかしくない。意外とCDのジャケットも雰囲気が良い。
 さて、「フォロー・ミー」のサントラはようやくCD化され即入手。私が買ったのは輸入盤だが裏面ジャケットに「私に従う 内部!テキストは日本語で」という表記があり、実際中に日本語による解説が書かれている。CDとしてのジャケットはアナログ盤と別で、アナログ・ジャケットの一部がCDのレーベルに印刷されている。このメインタイトルはジョン・バリーの作品の中でも1、2を争う人気があると聞く。前回も触れたが、メロディの美しさと歌声が合っていて、またアレンジもどことなく妖しげでとても魅力的な曲だ。
 そして、「ナック」。どうもこの映画はハチャメチャな内容のようだが音楽は良い。メインテーマは静かな導入部分から始まり、その後オルガンのソロが大活躍する。解説によるとバリーはこの映画でインプロヴィゼーションを多用した音楽制作を試みたようだ。美しい旋律であるそのメインテーマが色々なアレンジで繰り返される。そして時々映画中のセリフが挿入される。ビデオが全く普及していなかった時代にレコードでセリフが聞けるのはとても貴重だった。それこそサントラの醍醐味だ。さらに私の購入したCDは98年リマスターのRYKO版だがPCで見ることの出来る予告編等の映像も収録されている。中ジャケも広げると映画のポスターになっていて面白い。現在は入手困難の模様。
 こうして振り返ると、意外と007作品のサントラが少ない。映画自体は楽しみで毎回見ていたのだが。最近ボーナストラックを加えた再編集のサントラが出ているので今後コレクションに加えられたらと思う。


ジョン・バリーの映画音楽2

2014年11月05日 | ミュージック
 さて、ジョン・バリーのサントラLPとして所有しているアルバムを探してみると、まず「さらばベルリンの灯」「フォロー・ミー」の2枚である。前者のメインテーマは前述のカセットテープにも収録されていた美しい曲。多分人の口笛と思われるサウンドが聞かれる。CD化はされていないかもしれない。
 後者は大学時代の学祭で上映された時に見た映画で、こちらのテーマ曲もシンプルだがどこか神秘的で妖しい雰囲気の曲。4年ほど前にCD化されたがそれまではアナログ盤も高値がついていたらしい。主役の若きミア・ファローがとても魅力的でストーリーも凝っていて面白かった。
 そして最近入手したアナログ盤が写真上の3枚、「キングラット」「ザ・チェイス」と「ザ・ラスト・ヴァレィ」である。前2枚の曲は例のカセットにも収録されており、特にキングラットのテーマはとても美しいメロディを持つ。これは戦争映画のようだがそれとのギャップが新鮮。チェイスはスパイ映画的な不安感を呼ぶテーマ曲とアルバム全体もそんな雰囲気を持つ。そしてラスト・ヴァレイはオーケストラサウンドによる荘厳で美しい音楽である。これらのアルバムを通して聞くと、007とは違ったバリーの映画音楽サウンドを堪能できる。
 他にも「野生のエルザ」のサントラとあのカセットの収録曲と同じLPも購入したはずだが。次回はCDの紹介を。(続く)

角川文庫エラリー・クィーン国名シリーズ第7弾「シャム双子の秘密」が登場

2014年11月04日 | ミステリー小説
 第6弾「アメリカ銃の秘密」をまだ読んでいないこの時点で、次の作品が刊行された。「シャム双子の秘密」である。
 私はこの作品を子供向けに書かれた鶴書房盛光社のミステリー・ベスト・セラーズで読んだ記憶はあるのだが、創元推理文庫版はどうだったか覚えていない。そちらも確かに持ってはいたのだが。というわけでこれまた読むのを楽しみにしている。
 確か殺人事件がどこかの山荘で起こるのだが、居合わせたクィーン父子も山火事で身動きできないという状況だったはず。スリルとサスペンスが盛り込まれ他の国名シリーズと雰囲気が違っていたことを覚えている。
 それにしても訳者の二人、越前 敏弥氏は同じだがもう一人の名前が毎回違うのはなぜか、そしてどのような分担をしているのか。作家クィーンがいとこ二人によるペンネームだったことに絡めて角川文庫版は訳者の謎が気になる。

ジョン・バリーの映画音楽1

2014年11月03日 | ミュージック
 ビートルズのモノLPボックスを買って聞いていたら、アナログサウンドの心地良さに昔の映画のサントラ・レコードを聴きたくなった。そこでネットなどで何枚か購入した作曲家について今回は述べようと思う。ジョン・バリーである。フランシス・レイやミシェル・ルグランが好きな私だが、次いで好きな作曲家である。

 小学校卒業後の春休み、単身で北海道から東京の親戚の所に遊びに行き、その時どこかのデパートで買ったのが「女王陛下の007」というカセットテープ。A面がおなじみ007シリーズからの音楽、そしてB面が「野生のエルザ」などその他の映画の音楽。当然007シリーズが好きで買ったカセットだったが、演奏はサントラではなくジョン・バリー楽団として改めて録音されたもの。しかしこのテープはその後ずっと愛聴盤となった。

 当時はかっこいいあのジェームズ・ボンドのテーマが大好きだった。しかし買ったこのカセットのクレジットを見ると作者がM.Normanとなっていてジョン・バリーじゃないことを知る。ちょっとがっかりしたことを覚えている。しかし、聞き込んでいくとバリー作曲の他の曲がどれも良い。特に007シリーズのどの作品にも流れる「007」という曲はテンポ良く007の活躍を引き立てる映画音楽としての傑作だと思う。(後の「踊る大走査線」でとても似たアレンジの曲が聞かれるが、これをまねたのではないかと密かに思っている。)そしてB面の作品群。これがまた最高である。エルザの他、国際諜報局、さらばベルリンの灯、ナック、間違った箱など名曲ぞろい。特に国際諜報局のテーマは買った直後から大好きになり、一時期こればかり聞いていた。中学生の頃だ。

 それにしてもB面の作品はスパイ映画のテーマが並んでいるがどれも美しい旋律である。全くスパイ作品というイメージが持てない。どんな映画なのだろう?そこで大人になってから各作品のLPやCDを集めるようになった。特にCDでのリイシューは貴重。サントラとしての魅力もあるがジャケットの解説等によって映画の内容を知ることもできるから。(続く)